毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってます。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。。。

861 紐はきちんと結ぼうね☆

 

最初の奴を殺す。

 

それだけは決めていた。

 

短刀に手応えを感じた瞬間

捻った。

 

 

硬い。

 

 

だが押し込めると

急に柔らかい手応えを感じ

何かが抜けていく感触だけが残った。

 

 

棒。

 

 

当たった。

当たった時には刺していた。

捻る。

 

 

背中。

掠めた。

 

 

反射でダッシュした。

 

あらかじめ入念に

路地は把握している。

 

俺は走りながら

少し冷静になって

体の状況を把握した。

 

 

既に息が上がっている。

 

 

血。

 

 

頭から血が流れてはいるが

傷は深くない。

 

上着で拭いた。

 

 

弾が飛んできからには

素人の塊じゃない。

 

 

どうでも良かった。

 

 

壁。  

待つ。

 

一度吐いたが胃液しか出てこなかった。

 

30秒。

 

 

予想よりずっと遅い。 

肺が胃から出て来そうだ。

 

 

息が収まらない。

足音はよく響いた。

 

まず一人。

 

 

迷いはなかった。

 

撃つ。

脚。

 

三発。

 

痺れだけが腕に残る。

 

撃ったあとには

また奔った。

決めていたことだ。

 

 

血で滑る手を上着でぬぐい

次を待った。

 

連中が混乱してるのが

全身で呼吸していてもわかる。

 

 

防犯カメラには全て映っているだろう。

構わない。

もともと死んでいたはずの人間だ。

 

 

待つ時間は長い。

 

 

 

もう一人。

 

警棒。

 

 

腹を撃つ。

二発。

 

走る。

 

 

壁。

 

 

「一人でも多く殺せ」

 

元フランス傭兵の

マスターから何度も聞かされた言葉だ。

 

マスターは教官から教わった同じ話を

何度も俺に話した。

 

退屈な話だったが

こんな時に思い返すものだと

俺は自分を笑った。

 

 

教官は砂漠の中で

最後は地雷に飛び込むように

肉の破片になった。

 

 

すべては過去の話だ。

 

 

肚は括っていた。

 

人。

 

撃つ。

 

もう一人────────

 

三人と気付いた時には

遅かった。

 

脚に熱。

 

撃たれたことに気づくまで

数秒掛かった。

 

 

全部撃ち尽くす。

 

これも決めていたことだ。

 

撃った。

 

突然見えなくなった。

 

ライト。

サツか。

 

目がくらみながら

俺は両手を挙げた。

 

 

 

 

左の靴紐がほどけている。

 

 

 

 

かがんだ瞬間

体の中に熱が走った。

 

 

 

────完────