毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

1661 靴修理、きびしい。


おつかれさまです

こまつhttps://lin.ee/CK9Z29Uです。

 

ひさしぶりにリペア時代の元同僚と会って

情報交換しましたが

やっぱ靴修理、厳しいですね。

 

とにかく革底をはじめとする革材料が

のきなみ2年前の2~3倍には高くなっています。

 

だろうなあ・・。

 

「革底?もうオールソールする人なんか

月に1人いるかどうかですよ」

 

でしょうね。

アンティーク靴の収集が趣味の方は

それなりの名のあるショップに依頼するでしょうし。

 

そもそもの材料自体も

値段が今後さがることもないでしょう。

問題は値段に反して

質が下がっていることです。

 

・・・

 

革底のハズレがとにかく多い。

 

メイン画像

 

 

 

さくっと買える素材は

・イタリア製

・国産

しかありませんが、左右のばらつきがひどく

リペアを引き受けること自体がリスキーとのこと。

 

しかし最近の材料は

繊維がギュッとつまってなくて

作業中に材料を取り寄せ直すことが

まあまああって

時間も費用もロスになる。

 

そのままお客さんに渡してもいいんですが

速攻でバレて信用問題に

つながりますしね。

 

だとしたら革底で靴つくってるメーカーは

想像するだけで胃が痛くなります・・。

 

スコッチグレインさんなんかは

たぶん今でも自前で底すらつくってるんで

コントロールできているはずですが。

 

「国産の革底はグラインダーで削っても

革の繊維が舞ってくしゃみが止まらないんです」

 

「イタリア製はまだマシというか

しなりがいいのでマッケイにも使えるし

なかなかいい感じですが値段がもう・・」

 

円安のことを考えたら

いつかはレンデンバッハを

追い越すんじゃないでしょうか、と

寂しく笑っていました。

 

・・・

 

とはいえ革底はいいものです。

私も2~30代のころは

ほぼ革底しか履かない時期がありました。

 

革底の良さは、「適度にすべる」

これにつきますね。

やたらグリップする底は

引っかかりがイラっとくることもあります。

 

そしてメンテの醍醐味がある。

これはゴム底では味わえません。

 

(なんか靴がきたないな)

って思わせる靴は

たいていコバ周りがきたない。

 

コバインキを使ってもいいし

革コバ用インキCOLUMBUSコロンブスLEATHEREDGEINK革コバ用インキ革底のコバやヒールの補色用インキソール補修リペア

革コバ用インキ COLUMBUS コロンブス LEATHER EDGE INK 革コバ用インキ 革底のコバやヒールの補色用インキソール補修 リペア

 

コバインキが面倒なら

普通の乳化性クリームでも

充分にキレイになります。

 

・・・

 

「革底が高ければゴム底を食べればいいじゃない」

といった瞬間に

本気で殴られそうになりました笑

 

ビブラム、ダイナイトをはじめとして

ゴムというゴムも高くなっています。

が、

材料のばらつきがないだけマシ。

 

Image

 

世間的に話題にもなりませんが

実用的に考えるなら革よりずいぶん安いので

選択肢としてはアリです。

 

私は現役時代

ノーブランドのゴム底でよく

オールソールは承ってました。

 

強いですよ、ゴム底は。

 

ノーブランドでもレンデンバッハの倍くらい。

国産の「合成ゴム底」だって

悪くありません。

リーガルの「2589」だって合成底ですし。

 

23100円。

【正規品】 REGAL リーガル 2589 N ブラック ウイングチップ

【正規品】REGALリーガル2589Nブラックウイングチップ

最近の革靴回帰の影響で

売れてます、

昔ながらのリーガル。

 

これも純正の底は

かなり原価は安い、でもひたすらタフな

ゴム底です。

 

ダイナイトもリッジウェイもいいんですが

歩くギアとして考えるなら

ヒールがゴムなら滑らないので

そんなにこだわらなくてもいいんじゃないですかね。

 

ちなみに現役時代の思い出として

とんでもなく強く、しかし軽かったのは

「ビブラム#2055」でした。

 

リアットさんがネット修理やってます。

16500円はかなり妥当。

 

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リペア屋もどんどん減ってますし

減れば減るほどリペア職人も

当然減ります。

 

グッドイヤーウェルテッドの靴買ったら

一度はオールソール、おすすめですよ。

マジで生まれ変わりますから。

 

せかすわけじゃありませんが

やるなら早い方がいいです。

値下がることはこの先200%ありませんので。

 

 

本題終了。

 

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【今日のおすすめの1足】

 

ザ・クラシックな革靴の

原点回帰が今年からはじまってます。

ですよね。

かっこいいですもん。

 

なやんでたらBASSがいいです。

「ウィージャンズ」。

 

19800円。

 

G.H.BASSジーエイチバスローファーメンズWEEJUNSLOGANワインBA11035J-0NN

G.H.BASSジーエイチバスローファーメンズWEEJUNSLOGANワインBA11035J-0NN

G.H.BASS ジーエイチバス ローファー メンズ WEEJUNS LOGAN ワイン BA11035J-0NN

 

マッケイ製法ではありますが

日本人のライフスタイルなら

返りのいいマッケイの方が

ずっとフィットすると思うんですよね・・。

 

ウィージャンズも現役時代

死ぬほどリペアしましたが

変なこわれかたをほとんどしません。

というか記憶の中では

一度も変なケースはありませんでした。

 

どっからこわれても

まあまあ直しやすい=安く済みます。

 

アンライニングなので

それほど蒸れませんし

大人顔のローファーなら1足あっても

困ることはないでしょう。

 

 

 

 

※過去ご紹介した靴はこちらにまとめてあります。

シューフィッターこまつ のROOM

 

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それではまた明日!