毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

568 世界一役に立たないオールソールの手順。

疲労の極み。

無意識のまま書きます。

はい明日も仕事ですがなにか。

 

疲労の原因ははっきりしてる。

 

ここんとこてきめんに

がっつりめこってりめの

二郎系オールソールが多い。

 

それも本格革靴じゃなく

eccoとかひと時代前のコールハーンとかの

加水分解したウレタン底ーーー。

 

1日2足は同時進行でやってます。

このひと月くらい。

 

なにが疲れるかって・・・センス。

 

たとえば。

 

本格革靴のグッドとかマッケイの

オールソールは暗記科目で

「答えが決まってる」んです。

 

それに対し。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

たとえば。

 

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これどうしようか。

ガチでセンスと想像力が求められるでしょ。

 

しかも靴と対峙して

 

・できるかできないか

・時間と費用

・どんな感じで仕上がるか

だいたい3分以内で答えなければならない。

 

しかもわかりやすい言葉でね。

 

さてこの写真のケースは

ウレタン底が加水分解したものです。

さあどうする?

 

こうする。

修理後の画像。

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自画自賛ですが悪くないでしょ。

でも

この完成図が3分以内で浮かばないとアウト。

 

いうてもパターンは決まっていて、

シニアのコンフォートなら、なにかと万能な

ビブラム#2060を使用。

画像3: (6-2) ビブラムソール #2060黒 32cm・100 (ユニット底)

超軽量なのに

グリップがよく、粘りもあって

意外に削れずらい。

 

ちなみに修理代は

両足で12100円(税込み)。

期間は3日間。

 

なんとなく雰囲気でわかると思いますが

この名もなき靴、たぶん買った時は

1万前後くらいだったはずなんです。

 

「いや、買った方が安いじゃんw」

と思った方は

激アマですな。激アマチュアですな。

 

いいですかーーーーーー。

 

新しい靴を買う方が

100万倍めんどくさいんです!

特にシニアの方は。

 

・モノが多すぎる

・どこで買ったか定かでない

・憶えててもたいてい廃番

・販売員は話を聞いてくれない

 

で、ここにたどり着くと。

 

いいじゃないですか。

EVAだから加水分解しないし

部分修理も楽勝だし。

 

誰の得にもなりませんが

リペアの手順はこう。

 

①オリジナルの厚みを測っておく。

②古いソールを全部手とナイフと

 グラインダーでそぎ落とす。

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すっきり。

 

間髪おかず

③シャンクが折れてたら取り替える

 (この場合は折れてない)

フィラーのスポンジも取り替える。

⑤なにかと便利な「おしぶち・丸ゴム」を

 ぐるっと取り付ける。

画像1: (15)ゴム押しぶち・外丸4ミリ・黒

これに接着剤をつけて

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巻く!

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もういい感じでしょ。

わかんないだろうけど、

ここまで来たら100点取れるのがわかる。

 

で、

スポンジも新しいの貼る。

削ってフラットにする。

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ここまで

シンプルに作業時間だけなら30分。

 

で、新しいソールを貼って

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こうなる。

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毎回ここで終わらせたいんだよな―。

マジで。トリミングしたくないの。

実物みたらほんとかっこいいよ!

 

不本意ながら削ったらこうだ。

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丸コバもいい感じで

一体感出してくれてる。

 

あーーーー、

このおばあちゃん、喜んで

今日持って帰られました。

 

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メンズもこう。

 

手順一緒だから

写真見ればわかる。

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コールハーンの10数年前のやつ。

持ち込まれた時には

すでに全部とれてた。

 

やることは一緒。

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こう。

 

最後やりたくないけど

トリミングして及第点。

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んーーーーーー。

 

ソールが黒って重いな。

せめてレンガソールにでも逆提案すれば

よかったかも。

 

まあ今から考えたら無理ですわ。

 

だってこの時連絡ミスで

お客さんに渡す

3分前でしたから(ガチ)。

 

ギミックでおしぶちにこれ使ったら

画像1: (7)革・ウエルト・白糸入り+足付き

一気になんちゃってサント―ニよ。

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いいなあ。

 

いいと思うんだよなあ。

次やってみよう。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

どう?

 

全然、本当に役に立たなかったでしょ?

 

読者をどんどん置いていく

「制御不能暴走ブログ」なんで

書いてる私が苦しむ様子を楽しんでくれればいい。

 

ニュースタイル。

 

本題終了!

 

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【今日のおすすめの1足】

 

小学生の上履き用に。

アシックス「スクスク」。

 

3316円。

 

 

 

 

アシックス asics 即納可 送料無料 スクスク Mini 上履き CP MINI ホワイト×ホワイト TUU107

 

小学生の上履きの最高峰ですね。

忖度なしに。

 

そもそも「上履き」っていう制度が

終わってると思うんですが

現実はしかたない。

 

完璧な設計。

幅が狭い・広い関係ない。

洗濯機で洗える(乾燥機だけはNG)。

 

インソール着脱可。

足元に不安があれば

これにかえるだけでいい。

 

シダス「コンフォートジュニア」。

アンダー3000円。

 

シダス(sidas) コンフォート ジュニア インソール 326895 高機能中敷き 子ども用 (キッズ)

 

投げやりじゃなく、忖度もなく

マジでなーーんもいうことありません。

100点中の100点。

 

もう何年も継続して、アップデートして

ようやく採算とれるようになったのかな?

あらゆる意味で完璧です。

 

ダメなところがみつからん。

 

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それではまた明日!