毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

430 我にかえるとよくわからん専門用語。

どの世界にも専門用語って

ありますよね。

靴業界ではありませんが、

学生時代

土方のバイトやってた頃

「ネコ使って!」

とよく言われてました。

 

突然のクイズ。

 

「ネコ」ってなーーーーんだ。

 

・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

これです。

 【運搬作業用品-一輪車】日本製 金象印 一輪車 3才深型 パンクレス車輪付(猫ネコねこ車) <大型・重量商品>

 「手押し車」ですね。

なんでネコっていうのか

いまだにわからん。

 

靴業界も一緒。

 

今日は靴づくり&

リペアの世界の

専門用語を紹介していきます。

 

ひとっつも役に立ちませんので

楽しんでください。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

すべり

 

この部分のことです。

 

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写真はミスターミニット様より。

カカトの内側です。

 

おかしい。

「すべり」じゃなく

「すべり止め」でしょ!

 

英語ではまんま「ストッパー」って言いますし。

 

オーバー3万の高級靴だと

この部分もすべすべした革ですが、

浅草でやんややんや作ってる靴は

まちがいなく「滑り止め」使用です。

 

リペアで「すべり交換」って

ストレートに言ったら、

イメージと逆かもしれません。

 

さらう

 

誘拐犯かよ。

 

靴つくるとき、

表の革と裏の革を縫うわけですよ。

ソース画像を表示

裏の革、飛び出てますよね。

これを

こういう道具でトリミングします。

ソース画像を表示

この道具、

「市切り」でヒットしますが

別名が

「さらい」。

 

これねーー。

やってみるとわかるんですが、

気持ちいいぐらい

表革を傷つけず

すーーーーーって

なめらかに確実にトリミングできるんです。

 

まさに裏革をかっさらうようにね。

だから「さらい」。(諸説あり)

さらいでさらう(?)から

トリミング作業そのものを

「さらい」って言います。

 

これ、外国にないんですよ!

外国ではトリミング作業は

ハサミでやってます。

超非効率。

 

日本の市切りが地味に活躍してるって噂、

聞きます。

 

けってる・

あおってる

 

何をだ。

蹴鞠か車か。

 

これ、画像出てこないんだよなー。

靴置くじゃん。

つま先とカカトに手をそえて、

ぐらぐらさせてみて。

たぶんぐらぐらしないんだわ。

 

でもたまーに

シーソーみたいにがっくんがっくん

動くやつがあります。

 

ダメだ絵描こう。Image

字も絵も下手でごめんね。

でもなんとなく伝わるでしょう?

伝わるでしょう?

 

こういうことです。

 

「けって」たら、フツーに疲れます。

つきあげ感がすごい。

あ。

トリッカーズのカントリーだけは例外。

「けって」ないと、ソールが硬いので

アキレス腱切れます(笑)。

 

「あおって」ると、

シャンク折れます。

 

けってても

あおってても

不良品です。

 

買うな。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

次、リペア編。

 

(注)うちの会社だけだと思います。

 

ウキウキウォッチング(怒)!

 

カカトのゴム交換。

ヒールの土台まで減ってるって

あたりまえなんです。

 

その場合はヒールを

たいらに削らなければならない。

たいらな土台とたいらなゴムじゃないと

密着しませんからねえ。

 

しかし焦ると・・

土台がたいらに削れてなくて、

スキマが生まれるんですよ。

これはごまかしようがない。

 

最初は

「ゴム浮いてるよ!」

だったのが

洗練されて

「ウキウキウォッチング(怒)!」

になりました。

 

こんにちわしてるよ(怒)!

 

ゴムとヒールの土台を

接着剤で仮止めして、

釘で固定するんです。

 

でも新人だと、

どーしてもまっすぐに釘打てないので

釘がヒールからはみ出ちゃうんです。

 

表側に出たら弁償。

だからどうしても

内側に内側に釘打っちゃう。

 

するとお客さんにはわかりませんが、

ヒールの内側から釘の先端が

出てきちゃう。

 

危ないんですよ。

お客さんも、

仕上げるこっちも。

フツーに釘ささって血が出るし。

 

でも

「釘出てるじゃねえか!ごまかすな!」って

パワハラっぽくていやなんですよね。

こんにちわしてるよ(怒)!

で全部通じる。

 

なめて。

 

 

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写真はミスターミニット様より。

 

この写真、ちょうどいいわ。

トンガリ靴のハーフソールって、

どうしても先端の処理が

難しい。

 

ナイフ一本で切りまわしても、

先端はゴムがはみ出るんです。

コンマ1ミリでもはみ出たら

よーしゃなく剥がれます。

 

なので防止策にグラインダーの

「仕上げ」の回転ヤスリに

一瞬だけ当てるんです。

これを

「なめる」と言います弊社では。

お願い口調だと「なめて」になりますよね。

・・・・・。。。

 

・・・・・・うん。

書こう。

 

下ネタNGな人は

ここで閉じてね。

 

以下、ウソみたいな

完全実話。

 

数年前の東京某所。

 

受付は入社1年でだいぶ育った

O手君。

熊本出身で、

ナチュラルに声がでかい。

 

ノロのポインテッドトウ(とんがり靴)

のハーフラバー。

お客さん、履いてきた靴なんで

スリッパ履いてイスで待ってる。

 

コマツが作業。

 

先端の処理がやや甘いか・・?

でもアッパー傷つけたら弁償だし

勝負しよう勝負!

 

O手君に渡す。

 

そしたら1年で目が肥えてるから

先端の処理が甘いことに

一瞬でバレたんですね。

 

ナチュラルにデカい声で

 

コマツさん。さきっちょ、

なめてください(冷静)」

 

言葉ーーーーーーーー!!!

 

コ「・・新品だからこのまま出して」

 

O手君:

「ダメです!とにかく

さきっちょなめてください!」

 

あの時の若い女性客のお顔が

マンガみたいに赤くなった瞬間を

忘れることができません。

 

コ「・・O手君・・・声・・」

 

O手君:

「はあ?

いいから!

さきっちょ

早くなめてください(怒)!」

 

 

 

本題終了。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ご褒美タ――――イム!

 

【今日のおすすめの1品】

 

モウブレイ

「モールドクリーナー」

ラージ。

 

4400円。

 

最強のカビ落とし・

カビ予防。

 

たぶん世界的に

暫定世界王者。

 

 

 

M.MOWBRAY M.モゥブレィモウブレイ モールドクリーナー ラージ (300ml)皮革製品用防カビ&除去剤(日本製) 靴底 除菌

 

クリックすると、

動画も見れます。

 

ハイテクはここまで来たか。

 

コロンブス

「カビ用ミスト」もいいけど、

モウブレイのこれはヤバい。

 

だって靴だけじゃなく

下駄箱そのものにぶっかければ

ほぼほぼカビない・・・・!

 

評判が良すぎて

大容量が出ました。

 

マジでガチでおすすめです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

それではまた明日!