こんにちは。
靴修理人 兼 シューフィッタ― 兼
靴マニアのコマツです。
とんでもないことが起きてました。
リーボック・インスタポンプフューリーの
黒・紺の「大人カラー」が
とつぜん9900円で売られる前代未聞の
異常事態。
(↑黒。)
(↑紺。)
ブラックフライデーが終わっても、
ちゃっかり値段据え置きです。
在庫はすっからかんですが・・・。
一応、リンクはります。
まず、9900円のほう。
10890円のほう。(ネイビーのみ)
とにかく、この値段は異常事態だったんです。
売り切れていても、欲しい人はめげずに
定期的にネットショップをのぞいてみてください。
ブラックフライデーに関わらず、
コロナのドミノ倒しで急激に
値段が落ちることは充分考えられます。
ワンチャンあるかも。
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参考までに、11月23日時点で
定価は税込み19,000円。
ABCマート・・15,840円。
ZOZO・・15,840円。
Amazon・・13,640円。
です。
そもそも割引しなくても、
19000円でもガンガン売れるんです。
26年前(!)に発売されたモデルが
なんでいまだにこんなに売れるのか。
一言でいうと
「かっこよくてはき心地に文句がないから」
なんですが、
それだとブログにならないので
もったいぶってていねいに説明していきましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・
リーボック・インスタポンプフューリー。
1994年に発売。
うわ。
四半世紀たっちゃったよ。
当時はガチンコのランニングシューズでした。
カラーリングもやんちゃそのもの。
「蛍光色こそが正義!」の
目立ったもん勝ちの時代でしたね。
このやんちゃなカラーリングが
黒or紺になるだけで
こーんなに大人っぽくなるなんて
反則でしょ。
話もどしますが、94年発売時の
大きな特徴がふたつ。
①紐がない。
今ではついてきませんが、当時は靴と一緒に
カートリッジつきのガスボンベが
もれなくついてきました。
それをベロの小さい方の穴にぶっ刺して
空気を注入してフィットさせます。
浮き輪みたいなもんですね。
まんなかのでかいボタンを半押しすると
プシューって空気がぬけます。
だれもやらないと思いますが、
ボタンをぷしゅぷしゅすると、空気がはいります。
そんなことしなくても、
全然フィットしますけどね。
②ふまずがえぐれてる。
裏からみると、まんなかえぐれてるでしょ。
ちょっとでも軽くするためにパーツを
削ったんです。
かわりに、当時最先端技術のカーボンで
前後のパーツをつなげました。
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①②の技術、2020年現在でも
思わぬ方向で生きています。
①紐がないから、すぽっと履ける。
空気をいれなくても、
実はあんまり関係ない(笑)。
②ここまでソールがセパレートしてる
スニーカーが、そもそも前代未聞。
今でも斬新。
さらに。
当時はエアマックスばかり注目されてましたが、
ご存知の通り、エアマックスは
ポリウレタンソールなので、加水分解します。
履いても、履かなくても、加水分解します。
逃れられない運命。
トラウマもっている人いるでしょう。
対してポンプフューリーはEVA
(エチル・ビニール・アセテート)
いわゆる発泡スポンジを使ったので
当時も今も、加水分解とは無縁です。
これだけですでにすごい。
ヒールの衝撃吸収材も、
ナイキ「エア」が徐々に硬化するのに対し、
ハチの巣状の硬いジェルのオープンエアなので
ほぼ劣化しません。
そのかわり巨大化することもできないので
当時はあまり目立つ存在ではありませんでした。
しかし、今から考えてもナイキの
「ズームエア」なみに非常に効率よく、確実に
衝撃を吸収します。
さらに、配置した場所がいい。
ちょっと専門的な話ですが、
走る、あるいは歩くとき、
カカトのどこから着地しますか?
カカトの最後尾じゃなく、カカトのまんなかでしょ?
つまり、こんなのは意味ないんです。
こういうのは、あくまでもデザイン。
そしてもうひとつ。
謎にカカトがめちゃくちゃフィットします。
推測ですが、「紐がない」分
「めちゃめちゃヒールでホールドしないと
脱げる」っていう設計段階での
プレッシャーがあったはず。
ここまでカカトがピタッと合ってスポスポしないスニーカーは、なかなかないですよ。
さて。
2020年現在、エアマックス95と、
インスタポンプフューリー、どちらが
実用的なのかは明白ですね。
皮肉なものです。
・・・・・・・・・・・・・
しかし。
このインスタポンプフューリー、
「原点こそが最良だった」
という十字架も背負っています。
アップデートするたびの改悪に次ぐ改悪。
その後の黒歴史、せっかくなんで
じっくり紹介しましょう。
ポンプフューリーの次に出たのが
1996年の
「フューリーロード」。
ん?
なんかどっか変わった気がするけど
どこだろ?
答え:「カーボンが消えました」。
諸説ありますが、
初代の「セパレートソール」、
階段をかけおりるときにひっかけて
つまづいて転ぶひとが結構いたらしい。
なんかパンチ弱くなりましたよね。
まだまだです。
20年後の2016年。
今でも販売されてますが
致命的な改悪モデルが出ます。
「フューリーライト」。
ポンプなし。
紐つき。
カーボンなし。
もうこれだけで「ポンプフューリー」の
メリットが全部消えました。
今でもABCマートとか
ドン・キホーテで6000円くらいで叩き売られてます。
ほめるところ、ひとつもありません。
・・・まだまだ続きます。
「ポンプフューリースーパーライト」
あーー・・
これはもう
パーリーピーポーのサンダルですね。
実物、クロックス?って思うほど
薄っぺらくて安っぽい。
その後も、
こんなのや、
こんなのとか、
こんなのも出しましたが
すべて不発。
そしてようやく今年。
親会社のアディダスと組んで
これがブレイクしました。
インスタポンプ フューリー ブースト。
27,790円。
高え!
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いやいやいや、初代に戻っただけ・・
って思うでしょ?
近寄って見てみましょう。
白いミッドソールの部分。
ちょっと発泡スチロールっぽく見えません?
正体がこれ。
「アディブースト」を惜しげもなく
使ってるんです。
めちゃくちゃ軽い。
衝撃吸収性も格段にアップ。
だから高い。だから売れる。
だがしかし。
はき心地は・・正直、微妙。
「そこまで求めてない」感。
まあ・・・デザインと話題性ですよ。
カジュアルスニーカーなんで、
デザインと話題性、一番大事・・・
なんだけど、
とりあえず、ゴムバンドがじゃま。
ママチャリ乗るとき、気を使いそう。
これ、うんちくを語らなきゃ
初代ポンプフューリーと
まったく見分けつかないでしょ。
逆に言えば
それだけ初代が100点だったわけです。
・・・・・・・・・・・・
はい!
話が長くなりましたが、
要は初代モデルをなるべく
安く買った方がいい。
余計な具はいらないインドカレーみたいなもん。
時代が26年たって、ようやく追いつきましたが
たとえ定価でも、買って損はありません。
安い方がいいですけどね。
15,000円でも充分おつりがくる
クオリティです。
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【今日のおすすめの1足】
ナイキ エアハラチラン ウルトラガールズ
15,000円。
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ご婦人の通勤スニーカーの最高レベル。
このデザインで1994年発売。
カカト、ふみつぶしてOKです。
紐、関係ない。
靴の形をした「全身武装ソックス」です。
外反母趾、幅広、幅細、関係ない。
加水分解しない。
外から見えませんが、カカトの真下に
図でいう一番左の大きさの「ラージエア」が
埋め込まれてます。
これは、見えない方がかっこいいですね。
それと、20数年たって
アッパーの材料がめちゃくちゃ丈夫になってます。
「ナイキっぽくない」とこがたいへん良い。
コマツは初代エアハラチ、今まで3足
買いました。
語彙力ないけど、いいものはいい。
特にこのカラーは
「デキる女性」って感じがします。
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それではまた明日!