毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

1063 スコッチグレイン本店は相当におもしろい

おすすめの革靴ブランドといえば、圧倒的にスコッチグレイン! | イケてる転職

 

おつかれさまです

こまつ@shoes_komatsuです。

 

もう先週か・・・。

スコッチグレインの銀座の本店に

ひさしぶりに寄ってきました。

 

こちらです。

 

スコッチグレイン SCOTCH GRAIN

(HPより)

銀座で大きな通り沿いの路面店ですが

ちょっと歩道からひっこんでるのと

ビルが改装中なので

少しわかりづらいかもしれません。

 

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平日の昼間でもだいたいお客さんが

何人かはいるので

そんなに緊張せずはいれます。

 

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ただ・・

店に入って0メートルのところで

靴をガチで磨いているので

そこは少し驚いておきましょう。

 

 

〇今さらのスコッチグレイン

 

1964年創業。

以来グッドイヤーウェルテッド製法にこだわり

1979年に現在も続く墨田区

工場をかまえ、現在に至る。

 

もうこれだけでいいでしょう。

 

徹底して伝統的なデザインにこだわり、

個人的にはクオリティの割に安すぎて心配。

これをリーズナブルと呼んでいいものか・・。

 

たとえば。

ここ数年タッセルローファーが

また売れているわけですが

現在だとこう。

2261BL(EEE)

2261BL(EEE)

35200円。

(税抜き32000円)

 

・国産カーフのアッパー

グッドイヤー

・革底+ハーフラバー

 

正直これで35200円は

相当に安いです。

同じものを外国でつくると

確実に倍以上は超えてきます。

 

一方なぜか私の手中に

昭和61年(1986年)の雑誌がありまして。

37年前です。

 

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これに載ってるのが

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23500円。

(消費税のない時代…)

 

40年弱でたった1万円しか値上がっていませんし

形もほんとに一切変わってません。

 

そういうメーカーです。

 

 

〇本店ならではの!

 

本店といってもめちゃくちゃ

広いわけではなく

小学校の視聴覚室くらいの広さですねえ。

わかりづらいか。

 

学校の教室2個分あるかないか。

 

本店だとアウトレット品以外の

すべてのモデルがそろっています。

ご婦人用モデルも一部あります。

 



メーカーにこだわらず

「なんかいい靴」で東京中をさがすより

ここに来た方が話が早いかもしれません。

 

本店ならではの

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こんなモデルもオーダー可能。

 

この穴飾り、なんだと思います?

私は答えをいわれるまでわからなかったんですが

工場にある地元の

隅田川の花火」がモチーフです。

 

おおおおお・・・・・!

ファイヤ─────────‼︎

 

ただマジメなだけのメーカーじゃないんですね。

 

本店でも百貨店と同じく

2万円台からのモデルもありますが

7万近いものも。

アノネイ社のカーフに

どっちかっていうと

凝ってるのはアウトソールです。

これ。

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フランス製オークバークの

バスタン社製。

 

オークバーク・・・

ものすごくざっくり言うと

牛の原皮をタンニンの巨大なおけに

1年以上つけこんだものが有名ですが

(旧・ドイツのJR社とか)

 

バスタン社は原皮を土に埋めてなめします。

 

こ「埋葬ですか」

ス「似てますね」

 

スコッチグレインの方も

じっさい見たことはないそうなんですが

こんな感じらしい。

 

皮をプールくらいの穴に敷き詰め

上からタンニンを敷き詰め

またその上からたっぷり土を敷き詰め

その上から皮を・・・という皮サンドイッチを

5重くらいにするそうです。

 

「土の重み」でなめすんですって。

へ────────・・・。

掘り起こすのが大変そうですね・・。

 

 

底材以外にもユニークなモデルがあります。

 

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80年代からずっと続いてるそうなんですが

 

 

 

なんてことないタッセルローファー・・

じゃないんですよ。

こっからさき説明はいらない。

写真みてください。

 

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そういうフレキシブルかよ!

と思わず声に出ましたが

そういうフレキシブルです。

ずっと売れ続けています。

 

そして本店と言えばスパイダー。

・・・の

限定バージョン。

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このへんはたしか

もう在庫がなかったはずですが

(要確認)

京都の染屋さんとコラボしたもの。

しっかり遊び心もあります。

 

 

〇トリスで磨く

 

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こ「ところであちらの方は磨き専門ですか?」

ス「いいえ?全員が磨きます」

こ「シフト制ですか?」

ス「いえ、それぞれの担当の靴があるので」

 

店頭に出したり

客からのリクエストによって

たえず磨いているそうです。

ポリッシュと

トリスウイスキーで。

 

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「どうぞw。」

いや・・どうぞと言われても・・

 

失礼して香りだけかがせて頂きます。

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はいトリスです。

本当にありがとうございました。

 

こ「なんでトリスなんですか」

ス「創業が同じ年でしたので」

こ「いや・・水でよくないですか?」

ス「面白そうでしたので」

 

おもしろいお店です。

(もちろんしっかりしたお店です)

 

スタッフの方もみなさん

いかにも「靴が好きな顔」をしてますが

かなりおもしろいお店です。

 

また来ます。

ありがとうございました!

 

本題終了。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【今日のおすすめの1足】

 

不動の一番人気。

 

スコッチグレイン

「シャインオアレイン」。

 

35200円。

 

スコッチグレイン SCOTCH GRAIN パンチドキャップ シャインオアレインIV 2773BR(E)

 

フッ素レザーなので

大抵の雨ははじきます。

防水スプレーはNG。

 

磨くときは普通に。

鏡面もいけます。

 

あんまり知られてない話ですが・・・

このシリーズ、

ヒールに「積み上げ」が存在せず、

 

(スバルオンライン様より)

トップリフト+積み上げが

リーガルみたいに一体なので

 

(イメージ)

かなりすり減って

なんならヒールが半分以上削れて

中の穴が見えても余裕でリペアできます。

 

どんな小さいリペア屋でも

かならずこの手の極厚ヒールは

用意してあるので、

結局ケアしやすく長持ちするんですよね。。

 

当たり前ですがオールソールも

純正だろうが

カスタムしようが自在です!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

それではまた明日!

 

そして靴でお困りのかたは

こちらへどうぞ!

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おやすみ────────☆