美は細部に宿る。
格言。
ザ・マスターリーガルとは?
めちゃくちゃ最近のラインナップですが
公式によると
“特別”を纏う靴。
REGALを作り続けて60年。
常に履きやすさと共に
モダンさや革新性を追求してきました。
あらゆる価値観が目まぐるしく変わり、
装いのカテゴライズが 無くなろうとしている時代。
変わらない価値や モノの本質が求められています。
この靴には、これまで長年培ってきた 製靴技術と
職人の誇りが 込められています。
The MASTER REGAL――。
新しい時代に、新しい“特別”を。
うん、
よくわかんないや。
なんかいいらしいので
さくっと見に行ってきました。
・・・・と書きましたが
実はそう簡単に見れません。
置いてあるのは
都内でもわずか11店。
ネット販売もやってません。。。。
ショップリストはこちらから。
↓
必ずHPで確認してから
足を運んでください。
私も軽く歩きました。
まあ・・・・見てくれたまえ。
ででん。
フルブローグの外羽根と
オックスフォード(内羽根)。
第一印象は
「国籍不明」。
イギリス靴にも見えるし
ハトメの数と鏡面仕上げから
アメリカ靴にも見える。
まず内羽根からはかせてもらう。
ちょっと待て。
このチップ・・・ギミックだ!
ね?
ただのミシンなんですよ。
しかしわかるか。
この位置にミシンをかける覚悟が。
・とにかくピッチが細かい→
デュプイだから可能。
・糸目がキレイ→
針をおそらく研いでるから可能。
・ミスったら→
確実に切腹。
うん。
気持ち血の匂いがする。
どーせ10万とかするんでしょ?
しかしリーガルも今きついから・・・
8万ってとこかな???
値札ぴらっ。
ん?
んんんんんーーーー⁇
_人人人人人人人人人_
> 49,500円(税込み)<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
えっ
バカじゃないの
バカじゃないの
バカじゃないの
バカじゃないの
バカじゃないの
すうっ(息を吸う音)
おバカーーーーーー!
はあはあ。
じゃああれだ。
きっと履き心地ダメじゃん?
すぽっ。
・・・・・・・。
店員さん。
なんか吸いついてるんですけど。
えっ歩いていいんですか。
店員さーん。
いや、トレイ持ってこなくていいから。
なんかヤバいんですけど。
私は落ち着いてコイーバに火をつけ
ゆっくりと煙を吐き出し、
コニャックに口をつけながら言った。
「外羽根を履かせて頂こう・・・。」
・・・・・・。
店員さーん。
いや、だからトレイ置けって!
今すぐ!
今すぐにだ!
よーし、いい子だ。
ごめんなさい。黒いソックスあります?
えっ?ない?
ダメじゃないですか(怒)!
せっかく買おうと思ったのに・・・。
じゃあ検討するから写真撮らせて。
OK?
(コクコク)
・・・では遠慮なく・・・。
なんだこのベロ止めミシンの精巧さ。
ほう・・・裏はドブ伏せグッドですか。
これハーフラバーきたら
何色はったらいいんだろう。
なんか金属入ってるし。
チャリ乗れないじゃん。
気が利いてないなー。
あっ
なんか刻印押してある。
ウェルテッド・イン・盛岡?
意外にも岩手製靴か!
てっきり新潟のチヨダだと思ってた。
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説明しよう。。。。。
今のリーガルには
直営工場がありません。
十数年前に北千住の本社工場は
クローズしました。
紳士靴だけでいうと
国内では工場はたった4つ。
①チヨダシューズ(新潟)
シェットランドフォックスなど
ハイブランド専用工場。
②岩手製靴(岩手)
かつて本社工場でつくられていた
ザ・リーガル的な本格シューズはここ。
オーダーメードチームもここにいるらしい。
マスターリーガルもこの工場。
③岩手シューズ(岩手)
ややこしいな。②とは別。
カジュアルやリーガルウォーカー等の
セメンテッド・ステッチダウン製法の
コンフォートが得意。
②との関係性は不明。
④田山製甲所 ごめんよく知らん。
あとは中国・マレーシア・インド等。
格安リーガルはこのへん。
うちの親の世代は
いまだにリーガルの革靴は
アメリカから
どんぶらこーどんぶらこーと船で
輸入されてると思ってる方、けっこういます。
アメリカのブラウン社から
「リーガル」ブランドの技術提携。
これが1961年。
1990年に正式に「REGAL」の商標登録を取得。
現在の本社は浦安です。
もうここに工場はない。
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さて。
話をマスターリーガルに戻そう。
個人的にあんまり興味ないけど、
中はこんな感じ。
手釣りの釘跡がみえますねー。
ライニングもデュプイカーフ。
と謳ってるけど・・・キップだな。
ここは目をつぶりましょう。
箱。
HPにも書いてないし
スタッフさんもデザインの由来は
特に意味なしと言ってましたが、
「重箱をイメージしました」。
くらいのウソは言っていいんじゃないかな。
言うべきなんじゃないかな。
だってテーマが「新しい特別」でしょー。
盛ってこーよー。
もったいない。
だってせっかく本体の精度が
これなのに。
白ソックスは無視して!
トップラインがまったく
「笑ってない」=隙間がないんです。
なかなかどえらいことですよ。
カウンター。
わかりづらいですが
紐たらしたとこまできっちり入ってます。
そしてシェットランドで気になった
アゴけり(ヒールのカタカタ)は
こうだ。。。。
既製品でここまで
ドンピシャにできるものなのか。
いや、できるよ?
オーバー8万なら。
オーバー12万でも全然カタカタするの
あるけど。
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でも買わないし買えないけど
やっぱ値段設定気になるなあ・・・。
安すぎでしょ。
マジで
・新規で木型開発・生産
・原材料仕入れ(デュプイ)
・ほぼ手釣り
・小ロット
・ドブ伏せ等手作業満載
・HP立ち上げ
ってだけでも、
(電卓叩く)
んーーーーー。。。
小売で12万だな。
10万でトントン。
8万なら職人が泣く。
そこに
アンダー5万は
一周まわって喜べない。
話題性・・・あるか?
あって完売してその先は?
もちろん岩手製靴で
黒字があるんだろうからできるんだろうけど。
この話、オチはありません。
ただ個人的に肌でさわって
履いて直感したのは
「ノリと勢い」(笑)。
ソロバン度外視。
「いいもんつくりたいから
つくっちゃった♪」的な
底抜けの明るさを感じましたね。
徹底的に細部にこだわる。
履き心地はフィットして当たり前。
伝説はつくるもん。
そんなノリ。
意外とまちがってないと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
長く書きすぎた・・・・。
それではまた明日!