シューフィッターこまつ@毎日靴ブログ

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

242 道民以外には知られたくない靴・コロバンショ by リーガル。

こんばんわ。

ポンコツ靴修理人 兼 シューフィッター 兼

靴マニアのコマツです。

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ポンコツです。

今日やっちまいました。

靴修理が本業なんですが、年に1回くらい

刃物で指、切ります。

(この文章も、左手はひとさし指しか

使えてませんw)

4ミリくらいの分厚くてかたい革を

切る専用の(!)ドイツのハサミがありまして

3日に一回くらい研ぎます。

イギリスでも日本でも、

「切れない刃物ほど危ないものはない」

という格言は共通です。

しかし・・・・

今日はきれいにいきましたねー。

幸い左手だったんですが、

刃がすべりすぎて中指の先にすーっと。

骨でとまりましたが、ひさしぶりに

出血大サービスしちゃいました(照)。

こういう時はとにかく「靴に血をつけちゃいけない」

ので、タオルで巻きつつ事情を相棒に説明して

トイレに直行。まずは血と傷口を水道で流して、

ハンカチで圧迫。

現場にもどってアルコールで消毒しつつ

ばんそうこう3枚+指サックで固定。

これでとりあえず血は止まります。

刃物を研いでるからこそ、傷口はふかいけど

ほれぼれするほどキレイな傷口なので、

痛みもほぼ感じません。

なおりもめちゃくちゃ早い。

だから、刃物研ぐって本当に大事。

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さて。本題ですが、

リーガルがかなり昔からつくっていた

「コロバンショ」って

なかなか認知度ひくいんです。

そしてそれはいいことです。

なにがグローバルじゃ!

「知られざるご当地もの」があるから

世界はおもしろいんでしょ!

リーガルがかなり昔から「北海道および雪国」

むけにガラパゴス的に独自発達したもので、

北海道・東北以外では

ほぼお目にかかれません。

写真みてもらいましょう。

すべりません。

というか、

すべれません。

理論はいたってシンプル。

氷点下でも硬化しない軟質ラバーに、

雪が歩くうちに自動的にはがれていく

ソールパターン。

スタッドレスタイヤとおなじなので

「真冬限定」です。

いや・・・雪が解けてからでも履けますが

速攻でソールがすりへります。

アッパーは、上から雪がはいってこないように

サイドゴアもしくはチャッカ。

当然ゴアテックス

そして地味にグッドイヤー

なので、値段はそこそこします。

29,700円。

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いつもの喫煙室ヒアリングしました。

今回はおっさん(割と役職上のほう)3人。

北海道から出向してる山田さんは、

もちろん知ってました。

新潟から出向してる佐々木さんと、

もともと東京の佐藤さんは、

存在自体知りませんでした。

・・・・だから百貨店はオワコンなのだよ。

ロシアで営業しかけてこい!

と、心の中で思いました。

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すごい話ずれますが、

ロシア人ってじっさい

どんな靴履いてるんでしょうかね。

ちょっと調べてみた。

レーニンはフツーの「外羽根のハーフブーツ」。

これは有名。

次。

スターリンはもともとがグルジア

靴職人の息子。

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写真右。

ヤルタ会談時の写真など、複数資料がありますが

基本、「半長靴」で紐なし。

次。

プーチンは、基本外羽根の黒の短靴。

プレーントウ。

ハイシャインは嫌いらしい。

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まあいいやどうでも。

政治家の靴はつまりませんなあ。

チャーチルは「ジョンロブ」。

ルーズベルトは「ジョンストン&マーフィー」。

フセインとブッシュjr.は「アルティオリ」。

トランプはフェラガモ。

 

つまらんなー。

まったくつまらんなー。

せめてプーチン

「コロバンショ」プレゼントして、

スケートリンクになげこんでみた」くらいの

企画があったら私、手伝いますよ!

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【今日のおすすめの1足】

みなさまご存じのとおり、

楽天スーパーセールやってるんですがね。

靴に関しては、

「これは!」っていうモデルがのきなみ

売り切れなんです。

かといってよくわからんものを

紹介するのも信用を失うので、

セールとか関係なしにいいものを

一方的、独断的に紹介します。

災害時用、キャンプ用、サバゲー用に!

「新陸上自衛隊 タクティカル 半長靴 ブーツ」

12,800円。

ユニセックス

 

一応レプリカではありますが、

純度99%くらいのクオリティの

陸上自衛隊のアーミーブーツ。

だそうです。

防災用として購入される方も多いとか。

コロナもヤバいですが、

地震も噴火もヤバいじゃないですか。

3.11の時も、自衛隊のかたがたは

このブーツをはいて救助・設営・

ご遺体の回収を黙々とされていました。

感謝しかない。

で。

このブーツのなにがすごかっていうと

「泥を自然排出するソールパターン」と、

「徹底的にスピードを重視した紐」

のふたつです。

もともとの設計はアメリカ軍の

アーミーブーツがベース。

ベトナム戦争で、アメリカ負けましたよね。

結果は負けでしたし、あの戦争は

絶対的にアメリカが悪かった。

ただ、靴の進化の上では非常におおきな

ターニングポイントだったんです。

熱帯雨林と泥。

はじめはソールパターンはこれでした。

コマンドソール。

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ナチスは撃退したこのパターンですが、

ベトナムでは裏目にでました。

あっというまに泥がつまり、こびりつき 

片足800グラムのブーツが

約2キロにまで達した記録があります。

アッパーもはじめは革。

水をすって・・・・重く、乾かない。

全部キャンバス地にすると、簡単に破れる。

アッパーは革とキャンバスのコンビで

あっさり決まったんですが、

ソールが4回の仕様変更を経て

このパターンにたどり着きました。

通称「パナマソール」。

歩くだけで、泥を自然排出します。

ベトナム戦争から半世紀たっても

これ以上のソールパターンは出ていません。

本題の「コロバンショ」も

もちろんこのパターンを応用しています。

あと、紐ですね。

「スピードレーシング」とかいいますが、

5秒で結べます。

仮に戦闘で片手失っても、自力で結べます。

3.11のときの自衛隊のかたがたも、

極寒で手の感覚がなくても、結べたのが

この「ひっかけさえすればなんとかなる」

靴紐のパターンでした。

なんか・・・・・

でっかい地震が寒い時期に起きそうな

やーな予感がするんですよねー。

ま、もちろんそんなに硬くかまえなくても、

キャンプとかBBQに普通に使えます。

サバゲーなら必須!!

 

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それではまた明日!