毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

124 大塚製靴という巨人。

あっづづづづぁ。

東京は今日も35℃。

うちのエアコンも冷房18度でフル回転させてるんですが、

このブログかいてる部屋、エアコンがないんですよ。

顔のよこ50センチのところにアイリスオーヤマ

サーキュレーターを全開にして書いています。

サーキュレーターのうしろにでっかいアイスノンを置いてみたんですが、

気化熱がすごくて10分もちませんでした(笑)。

さ、本題いきましょう。

いきなりクイズです。

これ、だーれの靴だ?

○天皇の靴、大塚製靴の歴史ーーその1 - オールドファッション Old ...

答え、映っちゃってますね(笑)。

昭和天皇陛下の乗馬ブーツです。

そしてこちらは明治天皇陛下の靴です。

○天皇の靴、大塚製靴の歴史ーーその1 - オールドファッション Old ...

短靴のサイドゴアみたいですね。

○天皇の靴、大塚製靴の歴史ーーその1 - オールドファッション Old ...

こちらは上皇陛下と上皇后陛下の靴。

ちなみにネットで写真がみつからなかったんですが、

大正天皇陛下はサイドゴアブーツです。

今上天皇陛下も含め、

歴代天皇陛下・皇室の靴を一身につくってきたのが

「大塚製靴」

です。

あまり聞きなれない人もいるかもしれませんが、

「ハッシュパピー」って靴、きいたことありません?

犬のマークの。

これつくってるの、大塚製靴です。

あるいはシニアのかたなら

「ボンステップ」。

しゃれおつなダンディなあなたなら

「ジョンストン&マーフィー」。

このへんも大塚製靴がつくってます。

大東亜戦争時代、海軍の軍靴をになっていたのも

ここのメーカーでした。

陸軍担当は日本製靴と亜細亜製靴・現在のリーガルとマドラスです。

当然皇室のかたの靴は専属の職人が

フルオーダーでつくってるはずですが、

意外にも大正天皇陛下の奥様である

貞明皇后は既成靴の「ボンステップ」を、

○天皇の靴、大塚製靴の歴史ーーその1 - オールドファッション Old ...

上皇后陛下はデイリーユースで「ハッシュパピー」を

○天皇の靴、大塚製靴の歴史ーーその1 - オールドファッション Old ...

履かれていたようですね。

歴代天皇陛下の靴はすべて「ハンドソーンウェルテッド」製法、

別名「十分仕立て」でつくられています。

ようは革をミシンで縫う以外は

いっさいの作業をひと針ひと針職人の手でつくっているんです。

また、半永久的に靴底のはりかえが何度でも可能なため、

1足1足をそうとう長く履かれていたと思います。

今でも大塚製靴では、一般人でも

オールハンドメイドはうけつけています。

http://www.shoe-collection.jp/m5/au-index.html

でもそんなに頑張らなくても、ここのメーカーのいいところは

「良心的な価格で」「高品質のものを」つくっているということです。

たとえば、

今わざわざ3万とか出して「グッドイヤー製法」の靴を

気軽に買える人、少ないですよね。

なので接着剤でソールを貼りつけるだけの、一番低コストの

「セメンテッド製法」の靴なんかもどんどん出してます。

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1万8千円。

近くでみないと、「グッドイヤー」か「セメンテッド」か

絶対わかりません。

あと、この靴ネット広告でよくみかけませんか?

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「1足買いましたが、もう1足買いたくなりました」

・・みたいなキャッチコピーでしたっけ?

レザースニーカーですが、革靴のドレスシューズの木型を

そのまま使っているので、地味に高級感があります。

街中でもよくみかけるようになりましたね。

厚底に抵抗のあるシニア向けのスニーカーとしては、

異例のヒットではないでしょうか。

もしかすると、そのうち

今上陛下も履くようになるかもしれませんね。

みなさんも一生に一度は「皇室御用達」

体験してみてはいかがですか?

ではまた明日!