毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

1069 見た目から入る健康もある

 

おつかれさまです

こまつ@shoes_komatsuです。

 

「足と靴の無料相談9」、

今日も気合を入れて回答して参ります!

 

個人的にツボったご相談です。

しかし実は深い。

 

こんにちは、

最近、こまつ様のブログの影響を受けて

新しい靴が欲しいと思ったのですが、

自分の足の適切なサイズ感がわかりません。

 

そこで聞きたいのは、

少し大きめの靴を履いたら

駄目なのでしょうか?

 

以前のブログで、

靴屋の店員さんはクレームを避けるため

大きめをすすめると書いてあったと

思うのですが、

私は少々大きい靴でも困ったことは特になく、

靴ひもをしっかりと締めれば

走っても大丈夫です。

 

靴ひもをしっかり締め、

こまつ様のブログを参考にダイソー

ダブルラッセル生地を買い

タンパッドにして貼り付けています。

でもそんな履き方続けてたらいずれ

足を壊してしまいますか?

 

正直足を壊すには至らないと思います。

困っていなければそのままの

サイズ感でも大丈夫ではないかと。

 

・・・・・・・という風に

普通は書くでしょう。

そんなわけないじゃないですか。

 

一見「困ってない」感じのご相談ですが

大きくふたつの問題をはらんでます。

 

まずど直球に書きますが、

たぶんスニーカーではなく

革靴の話をされていませんか?

 

まあ・・・スニーカーでも

話は同じなんですが。

 

極端な話、

足はこわさなくても数年の間に

腰を壊す可能性が大きい。

 

 

〇フィットしない弊害

 

足のサイズがわからない・・というより

ジャストフィットしたときの

足の軽さ、疲れなさを

まだご存知ないのではないでしょうか。

 

ダブルラッセルメッシュのタンパッドを貼られて

紐をしっかり締められているのは

めちゃくちゃいいことです。

 

しかし裏を返せば

だいたいの靴の甲がゆるく

開帳足気味で

走ることはできても

長く歩くことはできなくありませんか?

 

長く歩いたり立ったりした日に

家に帰ってきたあと

足の裏だけではなく

全身にだるさを感じませんか?

 

開帳足のやっかいなところは

痛みやダメージに

速攻性がなく

あとからじわじわ来ることです。

 

レーニングをしていないかぎり、

自分の体重の重みで

年齢を重ねれば重ねるほど

足の裏のアーチはどんどん落ちていきます。

 

例外を出した方が

わかりやすいかもしれません。

 

故人ですが私の親戚で

超高齢になるまで農作業にたずさわっていた方の

足を見て触ったことがありましたが

年の割に見事なアーチでした。

 

特殊な靴でもなく

インソールを使うわけでもなく、

農作業用の地下足袋と長靴。

 

90過ぎで亡くなるまで

病院のベッドとは縁が遠く

亡くなったのも自宅のまさに「畳の上」でした。

 

たまに腰が張ることがあるくらいで

ヒザにも足の裏も

ノーダメージ。

 

要は足の裏の使い方がうまい・・

というか「しっかりふんばれている」ので

全身を使ってカラダを動かせている、

ということだったのですね。

 

地方でしたのでアスファルトではなく

舗装されていない道、というのと

週に一度くらいしかクルマを使われない、

という条件もあったかもしれませんが。

(タバコも酒もやっていました)

 

田舎だとたまにこういう方が

いらっしゃるという話を

たまに聞きます。

 

ひきかえ。

 

足の裏が開帳足だったり

真逆にハイアーチだったりすると

重心をどこに持っていったらいいのか

カラダが迷います。

 

もっと突っ込んでいえば

「腰」が迷います。

上半身と下半身の

板挟みにあうわけですね。

 

大きめの靴ときつい靴と

ジャストフィットする靴では

まるでちがいます。

 

本当にジャストフィットする靴を履くと

体重が10キロくらい軽く感じますし

なんせ歩き姿が勝手にキレイになります。

 

イメージ通りに身体が動くので

帰宅後の疲れ方が全然ちがいますし

靴の痛みもほぼありません。

人に踏まれたりしないかぎり。

 

カカトも減りづらいし

減っても最小限のダメージで済むので

本当にコスパがいい。

 

だから靴好きは血眼になって

「本当にフィットした靴」を

10数万、あるいは10数万をかけて

追いかけ続けているんです。

 

数値化すると

大きめでも履ける靴の戦闘能力が

10とします。

きつくて痛い靴は2とか1くらいとすると

ジャストフィットする靴の戦闘能力は

いきなり85とかに化けます。

 

このへんの快感は麻薬に近いものがありますね。

まあ私もヤクはやったことがないんで

このあたり適当に書いてはいますがw

革靴ジャンキーという方は

いつの時代にも一定数必ずいますし

特に日本人。

 

だからこそ日本の靴職人、靴メーカー、

販売する人間、それを取り囲む環境は

他国とは一線が引かれてるのではないでしょうか。

 

 

〇アスリートや俳優

 

ちょうど今野球ではWBCをやっていますよね。

当然私は選手の足元を見ます。

 

野球選手ではなかったので

靴と身体の連動性は正直わかりませんが

たぶん日本人の選手がバットやグラブだけではなく

スパイクに一番気にかけてます。

 

野球はサッカーとちがい

あんまり足元がテレビや画像で

注目を浴びません。

スパイクも。

 

その分、各選手のスパイクへのこだわりが

よく見て取れます。

もちろんスポンサーがらみもあるでしょうが

 

「この選手はNB」

「この人はミズノ」

「おや、こんなところにSSK」

 

みたいに

はっきりわかったのは

日本人選手だけです。

 

(中国は発展途上なのか

ユニホームも含め

全員がミズノでしたが)

 

野球には疎いので

他国の選手のほうがある意味

常識なのかもしれませんが

スパイクの扱いが本当に雑。

 

えっそのスパイクの色って

黒なの白なのグレーなの?とか

1回の表から泥だらけ・・・とまでは

言いませんが

前の晩絶対お手入れしてないよね、

っていう選手が普通です。

 

個人的に一番汚かったのは

いまのところオーストラリアの選手たち。

ひとり最後までどこのメーカーかすら

わからない選手もいました。

 

野球選手も含め

トップアスリートって

体と道具がまんま資本じゃないですか。

 

カラダこわれても道具がこわれても

それでレギュラー交代なんてことが

日常的にあるから

イチローなんかは試合だけではなく

練習ひとつが終わるたびに

スパイクやトレシューを磨いてたのは

よく知られた話ですよね。

 

ご相談者の内容と紙一重

そういうことなんだと思います。

フィットしていない靴が悪いんじゃなく

微妙なところへ向ける意識が

どっかのパフォーマンスに出て

その積み重ねが気づいたら

すごい差になっていたっていう。

 

仕事用の革靴に置き換えてみましょう。

 

まずはフィットした靴を失敗しながら

さがしあてる。

パフォーマンスが少しずつ変わってきますよね。

 

次にその靴を手入れして大事な場面に臨む。

それが成功したら人に見られるようになる。

 

見られれば見られるほど

絶対に人間は魅力的になります。

 

女優や俳優がなかなか老けないって

見られる職業だからって

よく言うじゃないですか。

あれ事実ですよ。

 

きたない靴を履いて許されるのは

キアヌリーブスくらいですね。

 

 

〇闇の方々も身体が資本なので

 

893の組長やマフィアのボスの靴が

汚れていたりフィットしていないという話を

私は聞いたことがありませんし

 

日本で一番スニーカーをキレイに

そして丁寧に履いてるのって

渋谷あたりの反社の人たちのような

なんとなくの確信があります。

 

身だしなみがキレイじゃないと

舐められるし

腰が曲がっていては組織だって

分裂するでしょう。

 

バタフライ効果といわれるかもですが

結局そういうところにまで

たどり着くんだと思います。

 

私からの回答はこんな感じです。

 

・・・・

 

ご相談者様の文面から察するに

まず機能があってフィットして、

その上で見た目、

という順序だと勝手に推察致しましたので

ぜひフィットした靴を一度探し当てて

履いてみてください。

人生変わりますよマジで。

 

 

そんな「人生を変えてみたい」靴を

お探しの方は

こちらのホームページからさくっとお聞きください。

爆速でお答えします。

メール相談サービス

 

靴のお買い物アテンドもやっています。

おかげさまで週末のご依頼もふえてきました。

すごい。

シューフィッターこまつ

 

 

どちらも年中無休でやっていますので

まずはお問合せ(無料)からでもどうぞ。

 

 

本題終了。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【今日のおすすめの1足】

 

きれいな革靴を履いてる人は

きれいなスニーカーを履いています。

 

某フェラガモで敏腕販売員として

名をはせていた方が通勤で履いていたのが

フェラガモのスニーカーではなくこちら。

 

スペルガ

「2750 COTU」

 

ユニセックスで6732円。

 

 

 

SUPERGA(スペルガ)シューズ S000010 コットンキャンバススニーカー(ローカット) 2750-COTU CLASSIC

 

 

 

実話ですがその方は職業柄

重度の外反母趾+内反小趾で

毎週フットケアに通い

月一で整形に通っていました。

(たぶん今でも)

 

オフの日はそれなりにお値段のする

インソールをナイキに入れないと

買い物にも行きたくても行けないらしい。

 

なんかこう・・・

説得力があります(汗)

 

インソールを入れなくても唯一履けたのが

このスペルガで、

色ちがいをくりかえし購入されていました。

 

マジの蛇足ですが

これで足のトラブルが改善されるわけではありません。

あくまで中継ぎです。

 

しかし悪い意味で

「スニーカーといってもほどがあるだろう!

キミい!」という会社が

うようよあるのも事実です。

 

アパレルの販売員さんが

立ち仕事でよく履いているのを目にしますので

ちょっと気を使わなければいけない方はぜひ。

 

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それではまた明日!