毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

1093 カカトの小さい日本人問題。

 

おつかれさまです

こまつ@shoes_komatsuです。

 

4月という季節からなのか

ありがたいことに

新しい読者さんが増えてます。

 

今日は初心に立ち返りつつ

アップデートしながら

足型についておさらいしましょう。

 

ちょっとお行儀よく書きます。

 

・・・

 

日本人の足型は

○○民族とちがう!って言い方、

テンプレ的によくあるじゃないですか。

 

あれちょっとちがいますよ。

 

私は2011年にシューフィッターになってから

ざっとですが

カタカタカタ(電卓を叩く音)・・・タンッ!

1万人前後の足を触ってきてますね。

 

自分でもちょっとひきます。

 

老若男女、外人さんの足もかなり

計ったり触ったりしてきました。

ちなみに業務上なのでフェチではありません。

 

日本人の足といえば、で

すぐ思いつくのは「幅広」でしょう。

 

ちがいます。

 

一番ちがうのは「カカトのボリューム」です。

日本人はカカトが小さい。

 

もうちょっと正確に書くと

カカト以外、日本人と外国人の足型に

令和の今、それほど違いはありません。

 

イメージ的には

「欧米人は足の幅がせまい」って

思い込みがあるかもですが、

個人的には全然そうは思いません。

 

なんていうか・・・大ざっぱに

くくり過ぎ。

欧米人といったってたとえば

NBAプレーヤーの黒人さんなんか

足型のプリントとか見ると

めちゃくちゃ幅も広いですから。

 

それに欧米人とはいっても、

(日本人もですが)人種超えての

ハイブリッドが進んでるじゃないですか。

 

なかにはアングロサクソンなんかの

典型的な「細足」の方もいらっしゃるんでしょうが

どんどん少数派になっていくでしょうね。

 

日本人の話に戻ります。

 

ハイブリッドが進んでいるとはいっても

日本人のカカトが小さいというのは

個人的には厳然たる事実です。

 

・・・

 

数十年単位でいえば

いずれは日本人のカカトも

大きくなっていくとは思いますが

今のところは韓国人や台湾人に比べても

あきらかに小さいです。

 

なぜか。

 

多分に遺伝子です。

 

日本人はずっと草鞋(ワラジ)を

履いてきたんです。

明治時代まで。

 

スタートが弥生時代ですから・・・

(実物みつかってます)

2~3千年はずっと草鞋を履いていたんです。

庶民から皇室まで。

 

100年前とかの日本の風景を撮影した

動画なんかもYouTubeで見れますが

今と歩き方がまったくちがいます。

 

カカトから着地してません。

 

極端にいえばつま先立ちの状態で

立ったり歩いたりしています。

そしてその歩き方が不自然じゃないんです。

 

しっかりつま先で草鞋をグリップしないと

脱げちゃいますし

頭って重いじゃないですか。

その重みをうまく利用して

自然に前進しています。

 

その歩き方で数千年。

そりゃカカトも小さくなります。

 

翻ってアジアでも大陸の方は

基本裸足(諸説あり)か

あったとしても木靴。

 

ヨーロッパでも庶民は基本

木靴が主流でした。

今でいうクロッグですね。

 

あれだと曲がらないし

足の裏を保護するためには

カカトから着地しないと

速攻で足を痛めます。

 

ちょっとイメージしてみてください。

はだしで砂浜を歩くときって

絶対カカトから着地しますよね。

 

でも夏、

浴衣で下駄とか雪駄を履いて歩くとき、

意外とカカトじゃなくて

前重心になるでしょ?

そういうことです。

 

そこで靴との問題が出てきます。

 

・・・

 

シンプルに考えて、

日本人の足なら靴もカカトを

小さくつくらないとダメですよね。

 

でもそんな靴、なかなかありません。

 

コストです。

 

私自身は靴の設計にも10年ほど

たずさわってきましたが

大量生産で靴をつくるときに

カカトのボリュームが大きいほど

つくりやすく、コストも安くすみます。

 

カカトが小さいと

「つりこみ」

(※靴の上の部分を底側にひっぱりこむこと)

が非常にやりづらく、

シワになって不良品になりやすい。

 

ややマニアックな話になりますが

つりこみは世界どこでも

大量生産の場合は

専用のマシーンでつりこみます。

 

時間にして片足で約3秒。

 

ビスポーク(注文靴)なんかは

手でつりこむので

コストはめちゃくちゃ高くなりますが

足なりの本当に小さなカカトが

再現されます。

 

手釣りの場合は・・

片足でも30分以上は

余裕でかかりますね・・・。

 

ビスポークまでいかなくても

1足10万とかの靴を

伊勢丹メンズ館とかで見てください。

 

「パンプスか!」ってつっこみたくなるほど

めちゃくちゃカカトのボリュームが小さく

曲線的です。

 

スニーカーでも数千円の靴と

サッカーや陸上のスパイクを

見比べてみてください。

 

革靴ほどではありませんが

まんまパフォーマンスに直結するので

カカトは小さいはずです。

 

・・・

 

靴より足のカカトが小さいと

当然「カパカパ」して

まず靴ずれが起きます。

 

靴の内側に穴が開く人、

素直に手を挙げてください。

 

ほらほらほら・・・

めっちゃいるじゃないですか。

大丈夫です。普通です。

 

カカトが固定されないと

靴の中で足が前後左右に遊ぶので

あちこちが痛くなります。

これがフィットしてないということ。

 

革靴でもスニーカーでも

できるだけカカトを小さくつくっている

メーカーはあるんですが

あんまり注目されないんですよ。

 

靴を売るときに

「ほら!こんなにカカトが小さいでしょ!」

って言われるより

「幅がゆったり!」とか

「革がしっとり!」とかのほうが

ウケるからなんですよね・・・。

 

やや暴論ですが

つま先の幅なんてささいな問題で

カカトが決まらないと

いくら数字上で足囲があっていても

正直ムダです。

 

完全に邪道なんですが

私がお客様の足を測るときって

一応作図はしますが、

あんまりあてにしません。

 

もはや作図の仕方すらもあやしい。

 

作図より手の方がずっと正確です。

手はセンサー。

数字上ではわからない

 

・骨のつきかた

・筋肉・靭帯のかたさ

・皮下脂肪のつき方

・カカトのボリュームの3Dのイメージ

 

このへんを

「手でみる」方がだまされづらい。

手の感触はウソをつきません。

 

靴を店でチェックするときも

気になったら靴の中に

手を入れて3D化してイメージします。

すると数年経った時に

どう化けるかもだいたい見えてきます。

 

靴を買うときにも、

つま先の幅も大事なんですが

目をつぶって履いてみて

「カカトがしっかり食いつくかどうか」に

神経を集中させた方が

フィットする靴をみつけるのに

意外と近道だったりします。

 

周りからは不審に思われるかもですが

そんなもんほっときましょう。

時代はカカト幅なんです!

 

・・・

 

よし。

 

ここから通常モードにはいるか。

コーヒーを飲もう。

ずずっ。

 

靴屋に行ってもそうですが

なんで「足の幅」ばっかり

見たがるんだろう?

 

たしかに幅は大事だけど

街を歩いていると「ゆるすぎの靴」を

履いてる人の方が多いです。

 

たまに見ません?

紐をぎちぎちに縛りすぎて

だらしなく「みにょーん」って余ってる人。

よく自分で踏んで転ばないかって

ある意味感心しますね・・・。

 

つま先があたって痛い、という話も

足と靴を見比べてみると

幅が広すぎて足が前に行ってしまって

つまさきに指がガンガンぶつかっちゃって

という方が圧倒的に多い。

いや・・もう圧倒的です。

 

理由はわからないでもありません。

靴屋の販売員の立場からすると

きつすぎる靴はクレームになりますが

ゆるい分には気づかれないからです。

 

シューフィッターが足を測る場合

足幅や甲の高さだけではなく

「カカトの幅」も見なきゃいけないんです、

本当は。

 

でもこれお読みの方でも

靴屋に行って「カカトの幅」を

見られた人なんて

まずいないんじゃないですか?

 

そりゃそーですよ。

だってカカトが小さいことがわかっても

靴がなければ始まらないし。

 

パンプスはわからんけど

男性なら一度

伊勢丹メンズ館か

阪急メンズ館に行って

ロブとかガジアーノとか

なにも言わず履いてみてほしい。

 

ここまで書いた3460字が

1秒で理解できるから。

 

 

本題終了!

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

【今日のおすすめの1足】

 

コロンビア

「EASTSIDE TRAINER」

 

10450円。

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10%OFFクーポン対象コロンビアイーストサイドトレイナーYU1211-010メンズレディースシューズ

 

白:

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黒:

10%OFFクーポン対象 コロンビア イーストサイドトレイナー YU1211-010 メンズ レディース シューズ

 

くそ・・・ッ!

やっぱり売れてやがる・・。

 

これ、完全防水じゃないんですが

大抵の水とか汚れとか

はじき返すんです。

白とかメンテがめっちゃラク

 

最新号のSHOESMASTER読んで

SHOESMASTERMagazine(シューズ・マスター・マガジン)Vol.392023SPRING/SUMMER2023年5月号[雑誌]

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お!いいのあんじゃん!と思って

某アウトドア店に行ったんです。

履きました。

 

いい。

Image

Image

 

ハーフサイズ大きいです。

NBとかで28㎝の私が

コロンビアだと27.5でジャスト。

 

タン意外に余計なロゴが

入ってないところと、

それでいながらGUにも無印にもみえない

いい感じの素材感。

 

エアマックス1から

スウォッシュとエアを消したら

こうなりました感。

それがいい。

 

天然革にいい感じのナイロン。

雨でもグリップの利くソール。

素材のひとつひとつがいいので

トータルで高見えします。

 

カカトの安定感も気にならないくらい。

 

ガチャガチャしたデザインがきらいだけど

梅雨時どうしようかなって方には

候補のひとつにどーぞ!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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公開を強要は絶対しませんので、ご安心ください)

 

靴のお買い物アテンドもやっています。

こちらもよろしくです。

シューフィッターこまつ

 

それではまた明日~。