毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

1043 サイドラインは飽きられたのかも

 

おつかれさまです

こまつ@shoes_komatsuです。

 

サイドラインといっても

バスケでもテニスの話でもありません。

靴の話です。

 

花粉と寒さの中

まあまあの頻度で靴屋巡りをしてるんですが・・

まだまだこの時期は収穫が少ないです。

 

とはいえ新作もだんだん入ってきたので

3月になれば少し売り場も

活気づくはず!

 

何店舗かまわりましたが

レザースニーカーでも

「サイドライン」を無理にいれない靴を

今年はとくに手に取る方が多いですね。

 

 

〇靴のサイドラインとは

 

ナイキでいえばスウォッシュライン、

アシックスならタイガーストライプ、

アディダスならスリーストライプ・・

といった、あのラインのことです。

 

 

手元の資料だと1948年に

アディダスがサッカースパイクに

採用したのが最初のようです。

 

もともとは靴の補強パーツでした。

形はさまざまですが

高級革靴の中にも実は入っています。

 

アディダスの場合はより軽量化するために

そしてより頑丈にするために

表に「えいやっ」と出したところ

棚からぼたもち的にCMとして大成功。

 

あわててプーマが追随、

アディダス+プーマを足して

アシックスがタイガーストライプ。

 

もうこのあたりでは補強パーツというより

メーカーのCM合戦という位置づけになり

もはや補強パーツですらない

ナイキのスウォッシュラインに至ります。

 

60~70年代の各メーカーの

「サイドライン入れなきゃ!早く早く!」

という慌てっぷりは

なかなか迫力があります。

 

・・・ちょっとクイズ。

 

この4つの写真、どこのメーカーでしょうか?

 

ちなみに4つとも

今でもものすごく有名どころです。

ラインのデザインは今とは全然ちがいますが。

 

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制限時間1分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終了。

 

わかりませんよね。

初見なら私も①はわかりませんw

 

①オニツカ(現アシックス)

ニューバランス

③サッカニ

④パトリック

 

です。

 

それくらいメーカーが

慌てふためいていたってことです。

ちょうどテレビの普及と比例しているので

「映らなきゃ負け」だったわけです。

 

いやしかしパトリックは

よくアディダスに訴えられませんでしたねw

トレードマークの2本線もありませんし。

 

 

〇常識はあのモデルから覆った

 

サイドラインを入れる常識を覆したのは

これです。

ご存知「エアマックス95」。

 

デザイナーのセルジオ・ロザーノ氏は

「イヤでもスウォッシュラインをこのモデルには

入れたくなかった」と

のちに語っています。

 

正確にはナイキは1987年の

「エアジョーダン2」で

全くスウォッシュを入れないモデルを

販売していますが

 

 

Story of Flight: History of the Air Jordan Brand Part 2 (Air Jordan 2 )

 

・・・さほど売れなかったみたいで

時代を変えるほどには至りませんでした。

 

しかしエアマックス95が爆発的に売れ、

前年のリーボックの「ポンプフューリー」も

また売れ、

これを境にだんだんメーカーのサイドラインが

小さくなりはじめます。

 

一方で2000年あたりから

スニーカーとは正反対の

サント―二などのガチの革靴メーカーが

本格的にレザースニーカーを

つくりはじめます。

エルメスなどのハイエンドブランドも。

 

そしてこの数年はすっかり

「大人が職場でスニーカー」を

履くのが当たり前になり、

 

・パトリックの単色

eccoの単色

コールハーン

 

あたりがよく売れるようになり、

 

カジュアルでも

 

・On

・スタンスミス

・ジャーマントレーナー

 

あとは単色の

 

・HOKA

・K-SWISS

・エアフォース1の白

 

が顕著に売れるようになってきました。

 

逆張りで成功してるのは

ニューバランスの高いモデルか

ポップなデザインにふりきった

オニツカやFILAくらいでしょうか・・・。

 

 

〇そのうちガチシューズも?

 

野球の大谷翔平さんって先シーズンで

アシックスとの契約がおわり

今シーズンからはNBのスパイクを履いてますが

バットとグローブはどうなる?って

軽く話題になっています。

 

サッカー選手も突然まっくろいスパイクを履くと

「どのブランドだ?」って話題に

なるわけです。

 

極端な話ですが

隠した方がもう目立っちゃうんじゃないか?

と個人的には勝手に推測してます。

 

ナイキのジョーダンブランドなんか

ワンポイントのナイキのロゴだけですが

超目立ちますし

わざわざ「ナイキ」って言われなくても

わかります。

Başlangıç noktası İşadamı eşekarısı nike air jordan xxxiv uzman ...

プロ野球もSSKとか履いてると

「どこのメーカーだ?」って私は興味を持って

たまーに野球のスパイクを見に行って

(ほえ~)とひとりで感動してます。

※SSKさんすみません

 

はじめに書いた

アディダスのスリーストライプ」のように

必然から生み出されたデザインは美しい。

 

しかしそろそろその靴自体の佇まいで

「あのメーカーか」ってわかるようになると

楽しくなりますね────。

 

 

本題終了。

 

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【今日のおすすめの1足】

 

PIEVE(ピエーヴェ)

 

22000円。

 

PIEVE: カーフレザー スニーカー

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SHIPS PIEVE: カーフレザー スニーカー シップス シューズ・靴 スニーカー ホワイト ブラック【送料無料】

 

さっきの結論をまさに具現化したのが

ここの靴。

 

ポルトガル製。

革はレザースニーカーには珍しく

カーフ。

 

サイドラインどころか

ベロにしかメーカー名が

書いていません。

 

もうパクりようがないんです!

 

しかしシルエットと

革のクオリティがとにかく高いので

オーラが全然ちがいます。

 

気になる方はSHIPSで実物をご覧ください。

 

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それではまた明日!