毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

718 金持ちの履く靴に興味ある?

 

ダンベル何キロ持てる?」のノリですみません。

 

こんばんわ。こまつ(@shoes_komatsu)です。

なんとなくカタカナからひらがなに変えました。

中の人は変わってません。

 

金持ちの基準とは?

シンプルにカードです。

 

さすがに「戦車も買える」

アメックスのなんかすごいカードはみたこと

ありませんが

 

百貨店独自で出してるカードって

あるんです。

グレード別に。

 

まあ・・・

ここからは完全に噂で聞いた話なので

信じるかはまかせますが・・・・

 

百貨店の「すごいカード」というものが

あるんです。

年間〇千万以上買わないと手に入らない、

しかも自分から申請できない。

 

そーいう方々が履く靴と

その振る舞いを書いていこうか。

 

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①おっちゃん方

 

圧倒的にフェラガモのこれが多い。

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ビットモカシン。

10万前後。

 

コーデするのが時間のムダなんでしょうな。

ジョブズ現象。

これの色ちがいを何足も持ってる。

 

意外なことに修理にくるんですよ。

「買えばいいじゃん?」って思うでしょ。

ここでもキーワードは「時間」。

 

カカトが減った程度だと

リペアに1時間。

買うのだと半日かかるじゃないですか。

 

それにスリッポンだと

脱ぎ履きがラク

鏡面の必要もないので手入れもラク

 

しかし底がウレタンなので

加水分解の時はくるわけです。

オールソールは勿論できるんですが…

その時も

 

金「どれくらい時間かかりますか?」

こ「1週間ほどでございます」

金「・・・ちょっといったん考えます」

 

1週間より1日。

ここでも金額じゃなくて時間。

金持ちはとことん時間が最優先。

 

つづいて

 

②ご婦人方

 

なぜかこれも圧倒的。

シャネル。

ハイヒールは全く履きませんね。

シャネルのこれか、

フェラガモのこれか。

たぶん理由は一緒でしょう。

 

シャネルの靴はなんとなく全身シャネルだし

フェラガモも同様。

 

あ、エルメスもたまにくるか。

 

意外にシーズンごとじゃなく

ヘビをロテっていらっしゃる。

 

そーですねえ・・・

カカト2回換えたら

次の靴のハーフラバーを貼りに来るって間隔。

 

「上のお召し物には敏感ですが

靴は安定したいいモノにこだわりますね。」

 

ってフェラガモの人が言ってたので

まちがいないでしょう。

 

③ジュニアたち

 

お嬢さんたちはてんでバラバラ。

 

ただ野郎はだいたいこれ。

サンローラン。

 

なんでかこぞってサンローラン。

 

ぱっと見は格闘家の平本連みたいな感じですが

「ハーフラバー貼ってください」

みたいに敬語が使える。

 

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いやいや敬語が使えるって

当たり前でしょ、って思うでしょ。

 

逆。

 

タメ口の客に金持ちはいない。

成金か。

 

「百貨店の例のカード」のお客さんて

徹底的に礼儀正しい。

絶対敬語。

 

あとだいたいすいてる月曜に来る。

 

まあほとんどは外商経由で

「悪いところ全部直して」ってくるんですが

ご本人登場の時は

ほんと丁寧。

 

・靴置くときにも

「ここに置いていいんですか?」

・靴を見分してるときも

「汚い靴でごめんなさいね、でも愛着があって」

・会計すませたら

「よろしくお願いします」

 

・できあがって渡す時にも

「やっぱりプロですね」

そして100%

「お世話様でした」

これ100%言う!

 

言える?

私も靴屋トロールの時

お店の目が合った全員に

会釈はするし

 

試し履きさせてもらったら

「検討します。ありがとうございました」

とは言えるけど、

「お世話様でした」って

ムズかゆくて言えんな・・・・

 

それをさらっと言えるんだよね金持ちは。

 

それにできあがりもじろじろ見ない。

段差を指でカリカリしたりもしない。

一瞬なかば儀式的に見るだけ。

 

なんなら半分くらいは

「信用してますので、自宅へ送ってください」だよ。

絶対手抜けないじゃん・・・・(冷や汗)

 

言い方悪いけど、

礼儀正しさって「人たらし」なんだよね。

そりゃ信用もお金も寄ってくるわ・・。

 

 

長い話になってしまった。

 

本題終了。

 

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【今日のおすすめの1足】

 

最近リペアにもどんどん

持ちこまれるようになったこれ。

 

バーウィックの

「プレーントウ」。

 

29700円。

Berwick 1707 プレーントゥ バーウィック シューズ ドレスシューズ ブラック【送料無料】

 

アッパーはガラスと言えばガラスなんですが

リーガルの3万円台のガラスみたいに

クリームが浸透するんです。

サフィールのクレムで5分で浸透)

 

またいい艶が出るんだよなあ。

ガラスレザーへの見方が変わった

1足です。

 

で、アウトソールがダイナイトに見せかけての

ビブラム。

 

個人的な感覚だとダイナイトより持ちます。

今のところコストもダイナイトより安いので

リペアもいろんな意味でしやすい。

 

30~40代のがっちりした方に

おすすめです!

 

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それではまた明日!

お・・・お世話様でした。

なんか違うな(笑)