こんちはーーーー!。
靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアです。
仕事柄、毎日靴を分解しているので、
現場からのガチな意見として、
値段とクオリティがあってない紳士靴を
今日は4つほど紹介します。
①なんで最後に手を抜く? マドラス イタリー
(¥37,000)


日本のマドラスがイタリアで生産している
最上級シリーズです。
たしかに素材とつくりはマドラスと思えないほど
いいです。一見。
問題は、ヒールの「積み上げ」とか呼ぶ
カカトの材料です。
靴を作ってるか、靴修理やってる人間にしか
見抜けませんが、この積み上げが
「革」ではなくて
「革クズとパルプをミキサーして再形成した」
俗にいうナンポ―という素材です。
なんせパルプを含んでいるので、
メリットとしては軽い。
コストも相当安い。
致命的なデメリットとして、「水にぬれるとふやふやになる」。
半分パルプなんですから、当たり前ですよね。
通常、ナンポ―をつかう革靴の値段はだいたい1万円くらいです。
せっかくアッパーにいい素材使ってるのに、
雨が多い日本で履くと、たぶん2年もたないでしょう。
批判覚悟でいいますが、
マドラスの靴には「必ず」どこかに手抜きがあります。
スコッチグレインやリーガルより
「ほんのちょっと安い」ですが、
手を出さないのが賢明です。
②設計ミスをいつまで直さない? キャサリンハムネット
(¥23,000)

これ・・・意外とはいてる人、多いんじゃないでしょうか。
みためがしゅっとしてるわりに
幅がスーパーワイドで
ヒールも高いのでリピーターが多いです。
このヒールの高さが問題なんです。
ヒールが高いわりに、ソールが薄いのはわかりますよね。
どうなるか。
ヒールの根元から、ソールが真一文字に
ぱっきり割れるんです。
そしてこうなったら1万円以上かけて
オールソール修理をするしか方法がありません。
なにが問題かっていうと、
10年以上前から一切この設計ミスが直されてないことです。
ついでに、キャサリンハムネットも
ヒールの積み上げがナンポ―ですので、
雨に当たると強度がいっきに落ちます。
③なぜその革をつかった? スコッチグレインの
「アシュランス」のこの色。(¥35,000)

ちょっと近づいてみてみましょう。

わかりづらいんですが、とにかくクリームが入らないんです。
公式サイトでは

↑このクリームでOKと書いてありますが・・・
ダメです。
スコッチグレインは本当に誠実なメーカーなんですが、
この謎の革だけは、大失敗です。
というか、アッパーの革質が全般的に
いちじるしく落ちています。
クリームが入らないだけでなく、
うっ血したような妙な色ムラも
全然「味」になりません。
ふだん靴みがきだけも店でやってるんですが、
この靴を困り果ててもってこられる方、
めちゃくちゃ多いです。
そしてこちらも何もできないんです・・。
④売る方も買う方もダメ! スケッチャーズ マックスクッション
(定価¥10,000くらいが、¥8000くらいでよく売られてる)

いうまでもなくホカオネのパクリです。

たちの悪いことに、最近だと
スポーツオーソリティやABCマートだけでなく、
伊勢丹とかにもちゃっかり置かれてるんですよ。
たとえ丸パクリでも
本家より優れていればいいですよ。
「マックスクッション」と銘打っておきながら、
そんなにやわらかくない。
通気性もほとんどない。
ホカオネだけじゃなく、ナイキやニューバランス、
アシックスやブルックスなんかが本気で
厚底にアタックしているところに
上っ面だけで騙せればいいやっていう姿勢、
本当にダメです(怒)。
以上、買ってはいけない靴4選でした。
ではまた明日!