毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

127 買ってはいけない靴。①婦人靴(2020年8月版)

こんにちは。

靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアです。

毎日修理やってるので、

「手抜き工事」みたいな靴もたくさんあります。

婦人靴からいきましょうか。

①この値段で内側が合皮だと⁉ コールハーン

コールハーンのパンプスはすべて内側が合皮です。

めちゃくちゃ蒸れます。

臭いも出ますし、大事に履いても劣化で

内側がボロボロになります。

2万オーバーで内側が合皮というのは

私が知ってる限りここだけです。

たいていはヤギ革か牛革、馬革をつかうんですが

信じられませんね・・・。

ちなみに正規品でも全部中国製です。

②修理屋泣かせ クラークス

あのデザートブーツで有名なクラークスですが・・

婦人靴はとことんダメですね。

雰囲気だけは「足にやさしそう」なんですが、

とにかくこわれる。やぶける。

とことん修理がきかない。

たとえば写真の靴だと、まずセンターシームが

パンクします。(修理不可)

底回りに無駄なステッチがぐるっと一周はいってますが

接地面に近すぎるので、1か月もはかないうちに

文字通り「すり切れて」かかとから穴があきます。

これも修理不可。

ソールがどのモデルも一体底で、

やわらかいアッパーに硬めのウレタン底を貼っているので

かなりの頻度で底が剥がれます。

上の写真だと、底が縫われてるかのように

ステッチの柄がはいってますが、ダミーです。

修理は可能ですが、1週間ほどでまた剥がれます。

③手抜きとはちがうんだけど・・フェラガモの黄金ヒール

一昨年あたりから絶賛売り出し中の

「花」みたいなヒール。

このゴムが削れても、修理屋ではまったく直せません。

オリジナルのヒールの上にゴムを貼るなどの

予防策もできません。

9万円出してワンシーズンで終わる靴です。

「美」だけを追求する方だけどうぞ。

④設計しなおしてほしい ポンプフューリーのサンダル

ラストはスニーカーです。

毎年、一体どれだけのお客さんをがっかりさせているか

考えるだけで胃が痛い。

ここがこわれるんです!

かかとの一番うしろのびよーんって伸びるはずの

このゴム!

短すぎ!

弱すぎ!

しかもゴム自体が独特の形してるので、修理屋にある

一直線のゴムでは対応不可なんです。

このモデルを買うときは

「やや大きめ(ゆるめ)かな?」と思うサイズを

必ず選んでください。

以上、買ってはいけない婦人靴4選でした。

 

現場からは以上です!

ではまた明日!