こんにちは。
靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアです。
毎日修理やってるので、
「手抜き工事」みたいな靴もたくさんあります。
婦人靴からいきましょうか。
①この値段で内側が合皮だと コールハーン
コールハーンのパンプスはすべて内側が合皮です。
めちゃくちゃ蒸れます。
臭いも出ますし、大事に履いても劣化で
内側がボロボロになります。
2万オーバーで内側が合皮というのは
私が知ってる限りここだけです。
たいていはヤギ革か牛革、馬革をつかうんですが
信じられませんね・・・。
ちなみに正規品でも全部中国製です。
②修理屋泣かせ クラークス
あのデザートブーツで有名なクラークスですが・・
婦人靴はとことんダメですね。
雰囲気だけは「足にやさしそう」なんですが、
とにかくこわれる。やぶける。
とことん修理がきかない。
たとえば写真の靴だと、まずセンターシームが
パンクします。(修理不可)
底回りに無駄なステッチがぐるっと一周はいってますが
接地面に近すぎるので、1か月もはかないうちに
文字通り「すり切れて」かかとから穴があきます。
これも修理不可。
ソールがどのモデルも一体底で、
やわらかいアッパーに硬めのウレタン底を貼っているので
かなりの頻度で底が剥がれます。
上の写真だと、底が縫われてるかのように
ステッチの柄がはいってますが、ダミーです。
修理は可能ですが、1週間ほどでまた剥がれます。
③手抜きとはちがうんだけど・・フェラガモの黄金ヒール
一昨年あたりから絶賛売り出し中の
「花」みたいなヒール。
このゴムが削れても、修理屋ではまったく直せません。
オリジナルのヒールの上にゴムを貼るなどの
予防策もできません。
9万円出してワンシーズンで終わる靴です。
「美」だけを追求する方だけどうぞ。
④設計しなおしてほしい ポンプフューリーのサンダル
ラストはスニーカーです。
毎年、一体どれだけのお客さんをがっかりさせているか
考えるだけで胃が痛い。
ここがこわれるんです!
かかとの一番うしろのびよーんって伸びるはずの
このゴム!
短すぎ!
弱すぎ!
しかもゴム自体が独特の形してるので、修理屋にある
一直線のゴムでは対応不可なんです。
このモデルを買うときは
「やや大きめ(ゆるめ)かな?」と思うサイズを
必ず選んでください。
以上、買ってはいけない婦人靴4選でした。
現場からは以上です!
ではまた明日!