こんちわーーーー!
靴修理人 兼 シューフィッタ― 兼 靴マニアのコマツです。
自分の靴のサイズ。
みなさん把握してますよね。
スニーカーだったら27㎝で
革靴だったら26㎝。みたいな感じで。
そう。
いきなり本題ですが、
革靴とスニーカーって、
だいたい1㎝ずれるんですよ。
スニーカーのほうがだいたいは
1㎝でかいんです。ほとんどの方は。
男女関係ありません。
なんでこんなことが起きるかというと・・
「メーカーが勝手にサイズをつくってるから」
です。
オーダーメイドは別ですよ。
きっちり測って、捨て寸(バッファ)を
プラスして、
その方の好み=タイトが好きか、ルーズが好きか、
足の脂肪のつき方はどうかを巻き尺を
緩めたり締めたりして(業界用語ではコロシ)
つくります。
でも大量生産となると・・・
みなさんのもってるイメージはたぶん
ひっくりかえります。
たとえば26㎝の靴つくるとしますよね。
わかりやすく、木型をいちから
つくるとします。

大きさをどうやって決めるか。
答えは、
「だいたいこんなもんじゃない?」
です(草)。
巻き尺や定規のたぐいは
一回も登場しません。
んで、サンプルを一回つくります。
そして、
26㎝と思ってる人に履かす。
きつい、って言ったらその木型は
26.5㎝として扱い、
ゆるい、っていったらその木型は
25.5㎝として扱います。
あんまりないですがドンピシャだったら
まんま26㎝の木型になります。
それを基準にして、
「グレーディング」(等差倍率)に
のっとって、
たとえば紳士靴ならミリ数にして
「縦5:横4」とか、
婦人ものなら
「縦5:横3」という感じで
各サイズの木型(プラ型)を
木型屋さんにつくってもらいます。
でも、改善方法ってありませんし、
こんなディスったタイトルでも
私もこの方法がベストだと思うんですよ。
だーかーらー、
靴を販売するときに
お互いが苦労するんです。
俺は26㎝だああああ!
と思い込んでる客。
26㎝だけど・・ナイキだからきついかな?と
思い込んでる販売員。
最悪なのは、そこでシューフィッタ―が
登場することです。
巻き尺を使ったり、ペドカルテ(足の輪郭みたいな図)
を作成して、足長がいくら、足幅がいくら、と
もったいをつけて、
「だからあなたはこのサイズでなければ
ならないんです」っていう流れで
買わされて、
数回履いて「だまされた」と後悔します。
あ、ちなみにシューフィッタ―の肩書もってると
販売のノルマは倍になるらしいです。
このケースでは登場人物3人が
全員ミスってるんですが、
このケースだと一番悪いのは
シューフィッタ―です。
プロなのに
足を測って、なぜ「靴を」測らない?
なんでその靴のサイズを信じる?
なんでその靴の幅(2Eとか、3Eとか)を
信じる?
言っててもしょうがないんで、
私自身がやってる靴選びの方法はこうです。
ざっくり26㎝だとしたら、
前後0.5㎝の靴も用意してもらいます。
つまり目の前には3足。
目を閉じて、シャッフルします。
つまり、自分ではサイズ表記を絶対に見ません。
全部はいて、軽く歩きます。
直感で「これ」と思ったら
誰が何を言おうと、それが正解です。
もし全部違和感があったら、
残念ながらその靴には縁がありません。
片足がきつくて、逆がちょうどよかったら
「ちょうどいい方」のサイズが正解。
靴はぶっちゃけ伸びません。逆に、
きつくすることはある程度できます。
最後に、靴の幅をしめす
Eとか2E とか3Eとかあるでしょ。
俺は幅広だから
3Eじゃなきゃだめなんだああああ
とかいうひともいますよね。
確かに靴幅表記はJASで規定されてますが、
「法的拘束力はありません」。
まちがってても罰せられないんですよ。
なので、設計時代に飛びかってたセリフは
「とりあえず3E表記にしとけば売れる」
です。
おおこわ。
それではまた明日!