こんにちは。
靴修理人 兼 シュフィッター 兼 靴マニアです。
ところでクイズです。
下の4つのうち、
どれが一番さきにこわれるでしょうか。
あ、革質とか
底付けの製法は関係ないものとします。
全部同じ革をつかってると
仮定してください。
フィット感も抜群だとします。
さあ。
これ一発であてたら、あなたは
ヤバい人です。
きっとビジネスの商談でも確実に
勝ちにいってるはずです。
ヒント:
履きこむうちに、「履きジワ」は
どこにはいるでしょうか?
あと10秒かんがえてください。
・・・・。
・・では答えを言いましょう
↓
↓
↓
↓
↓
いちばん先にこわれるのは、
これです。
もう少し近くで見てみましょう。
こんな感じの、みたことあるでしょ?
あなたのまわりにも一人はいるでしょ?
この、「たてにステッチが2本はいってる」
デザインを総称して、
「スワールモカ」とか、
「スワールトウ」とか、
「流れモカ」とか
呼びます。
15年以上流行ってますよね。
これ、絶対こわれるんです。
人によっては、リーガルとかでも新品で買ってから
3か月とかたたないうちに
縫い目がパンクするんです。
写真はUチップのデザインですが、
状況は同じです。
もっと「ぱっくり」いきます。
そして直りません。
ヒントにも書きましたが、
「履きジワ」ってかならず「横」にはいるんです。
革靴だろうが、スニーカーだろうが、パンプスだろうが
いっしょです。
「横に入るシワ」に対し
「たてに入っているステッチ」は
物理的に、必ずパンクします。
一時的にミシンで直したとしても、
1週間もたないと思います。
じゃ、なんでそんなデザインをメーカーがつくるのか。
売れるからです。
なんか、「しゅっ」として見えません?
販売員も売り込みやすいんですよ。
「あしなが効果があって~」(人による)
「幅広なのに足が細く見えて~」(人による)
「スーツにも、デニムにも合うんです」
・・・デニムで履く人はいないでしょ。
ま、
こんな感じでね。売りやすいんです。
スワールトウを自分から進んで買う人はまずいません。
店員に流されるままこれを買う、ということは
優柔不断の裏返しです。
超絶に自分がない。メンタルがよわい。
こういう相手には、商談ならガンガン強気で
いってください。
勝てます。
このスワールトウは、
新品ならまだスマートに見えるんです。
でも、たった1週間はいてみてください。
履きジワがもろに目立って、
それはそれは「イタい」靴になります。
なので革靴慣れしている人は、
「絶対に選ばないデザイン」です。
ひっくり返せば、革靴になれてない
知識不足の人間が必ず買うんです。というか、
自然と買わされるんです。
そして追い打ちをかけますが、
このスワールトウ、
マジで女子ウケは最悪です。
とんがり靴にみえちゃうので。
・・に対して、
ストレートチップなんかは
履きジワと並行に切り返しがあるので、
履くほどシワがいい味になります。
プレーントウもそう。
ファッションブロガーのMBさんも言ってますが、
ファッションに慣れてないなら、まず黒のプレーントウ。
ほかは二の次。
ウィングチップが難しいところで・・・
スワールの次にこわれやすい。
とはいっても、ちゃんとキーパーいれてれば
1年はパンクしません。
私の愛用しているトリッカーズのカントリーも
(↓こんなの)
履きジワからパンクするまで10年以上かかりました。
あ、また話が長くなりましたね。
とにかく。
商談で相手がスワールトウなら、
勝てます。最低でも、負けません。
足元みましょう。
ではまた明日!