牛丼屋ではありません。1907年に銀座に開店した老舗中の老舗であり、現在もなお、国産靴の最高峰のブランドです。自社工場はないので、メーカーとは言わない方が正確ですね。
↑↓紳士靴。国内最高峰レベルのセントラル製靴で作っているはずです。

テーパードヒール・アウトステッチの細かさ・アッパーのミシンの細かさ・・中敷きを見なければ、ガジアーノ&ガーリングとも見劣りしません。これでもアンダー9万。流通量が少ないですが、贅沢な勝負靴を探している方はぜひ一度実物を見て、足を通してみてください。その価値はあります。
↑ちなみにこちらがガジアーノ。お値段は¥20万~。
婦人靴の方は・・いわゆるマダム~シニア向けのデザインです。おばさま方の勝負靴として、グリーンの箱を実家で見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ザ・マダム靴。平均¥3万~というところでしょうか。
残念なことに、時代のせいか売り場がどんどん縮小していますね。百貨店に多く入っているのも原因でしょう。「ヨシノヤフレスカ」というやや若めをターゲットにした、少し値段も抑えめのラインもありますが、やはり苦戦しています。追い打ちをかけているのが、全国民のヒール離れですよね。
販売員さんも高齢の方が目立ちます。
すごくもったいないのが、私が知りうる銀座ヨシノヤの販売員さんはみなさんシューフィッターの資格をお持ちで、あと靴全般の知識量がすごい。マノロ・フェラガモ・ルブタンなどが今年どんな靴を作っているか、あるいはウォーキングシューズもアシックスやヨネックスがどんな靴をつくっているか、もの凄く詳しいんです。
人がもったいないんですが、時代は残酷ですね。こちのブランドも、スコッチグレインと同様にあるうちに買っといた方がいいブランドだと思います。高いだけあって、コー〇ハーンなどとは違い、壊れても「美しく」直ります。
話ついでですが、靴を修理してると「美しく直る修理」と「どう頑張ってもきれいに直らない修理」に真っ二つにわかれます。靴の設計の段階で決まってしまうので、修理屋としてはもどかしい。
「美しく直る靴」なのかどうかは、買う側はもっとわからないでしょう。いい方法があります。販売員をひとりつかまえて、「この靴は壊れたらメーカーさんで直してもらえますか?」とだけ聞いてください。
多少待たされるかもしれませんが、「直る」という答えなら、その店でも、街中の修理屋でもまず間違いなく「美しく」直ります。「確認しないとわかりません」でしたら、その靴は「履き捨て」と割り切った方が無難です。
ヨシノヤの靴は早めに買っておきましょうね。
今回はこのへんで!