これです。
時代をまたいで同じモデルを3足買った靴です。素材次第では4足、5足目も全然買います。天然革ベースが欲しいのですが、ナイキIDでは合皮しか扱いがなく、断念しました。
初出が1991年。約30年前です。ナイキがエアが流行りだして、スウォッシュラインと「NIKE AIR」の文字をベタベタに貼りだしたころ、キメラ的に唐突に発売されたのがこれです。写真のはランニング用ですが、少し遅れてバスケ用、クロストレーニング用が相次いで発売されましたが、記憶の限りだと当時は全部売れてなかったと思います。
ぱっと見、どこからみてもナイキってわからないんですよ。ビジブルエアでもないんですが、実際にはこんだけエアが入ってます。
これはたぶんジョーダン11だと思いますが、エアの大きさはまさにこれです。ナイキの規格でいう「フルレングスエア」。
後発モデル(シリーズ3作目 エアハラチライト)もめちゃめちゃ売れましたが、スウォッシュラインが驚くほど控えめ。
シリーズ4作目のエアハラチプラス(1993年)。1stと同様にトレーニングの時に使いましたが陸上部の同僚からは「エアメロン」と呼ばれてました。紐がなく、リュックみたいなカチッとするバンドで止めるシステムでした。スウォッシュラインがソール裏以外入ってなかったと思います。
肝心の履き心地は。
微妙。
エアって何?っていう感じ。もっと「ぼよーん」ってするもんかと思ってた。
フィット感も「厚ぼったい靴下履かされてる感じ」以外表現のしようがなく・・意外と通気性も悪くて蒸れる。。
なんでかっていうと当時はガチンコの陸上部だったので基本はアシックスのターサーとか↓
ランバード(現ミズノ)のスーパーアスリート↓
のような、とにかく薄底で軽くてバネが利いた、そして冬なら足が凍りそうなほどの通気性のいいモデルが陸部の主流で、あと高校生で体重も軽かったので、ナイキのよさがさっぱりわかりませんでした。スラムダンクが流行ってたんですが、バスケ部の友人も「ナイキの良さがわからん・・・」と悩んでいました。
それから10数年たち。
20代後半で、靴の設計で食っていけなくなり、1年ほど佐川急便で働きました。重い荷物もってダッシュするわけですよ。その時ようやくわかったんです。
「体が重くないとナイキの良さがわからない」
体重が65キロくらい+荷物が20キロ=85キロでダッシュをした時に、ターサーでは関節が壊れます。海外の短距離走者なんて、オーバー70キロとか80キロなんてあたりまえでしょう?最盛期のウサイン・ボルトなんて93キロです。カールルイスでも88キロ。だから、こんなのつくってたんですね。
なもんで、佐川時代はアシックスを半月で捨て、エアハラチ→エアマックス95→リーボックDMXの3足でまっとうしました。
このモデルの大きな功績がもうひとつあります。
「かかとを踏みつぶしていい」
みんなやってますでしょう?靴履くとき、かかと踏みつぶして履いてるでしょう?子供と年配の方は特にそうですよね。でもこのモデルがパイオニアになって「踏みつぶしてもなにやってもいいよー」という昨今のスニーカーが生まれているんです。今ABCマート行っても、子供靴のナイキのダイナモをはじめ、かかと踏みつぶしOKの靴、かなりあります。個人的には①靴紐②かかと芯③先芯(つま先のかたい芯)は絶滅してほしいので、いい時代がきたなーとにやにやしてます。
今回はこのへんで!