はじめにざっくりですが
「高い靴」の基準は、
紳士の革靴だと3万以上。
婦人のパンプスなら2万以上。
ワークブーツなら3万以上。
って感じ。
(スニーカーは微妙なので外します)
こんばんわコマツです。
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革靴って高いじゃないですか。
使い捨てではなく、
5年とか6年履きたいなら
あたりまえですが
「修理できるもの」がいいです。
さらっと書きましたが、
今まさに買おうとしてるその靴が
「修理できるかどうか」なんて
フツーの人にはわかんないでしょ。
見きわめかた、簡単です。
店員をひとり捕まえてください。
で、
「これ、底が壊れたら直りますか?」
と聞いてください。
そしたらたぶん、
「・・・少々お待ちください(汗)」
みたいな感じで
10分ほど待たされるでしょう。
10分後、やや緊張した面持ちの
店員さんの答えが
・「メーカーで修理できます」→買い
・「メーカーでは直せません」→買うな
・「一般の修理屋さんなら直るかと」
→買うな
ざっくりまとめるとこうです。
100%当たります。
別に壊れたら
メーカーでリペアする必要はありません。
なんでか。
メーカー修理できるものって、
ほとんど町中の修理屋でも直るんです。
これちょっとおぼえといてください。
たとえばABCマートなんかで
革靴でもパンプスでも買おうとして
「修理できますか」って聞くと
90%「できかねます」って言われるはず。
(レッドウィング・ダナーは除く)
そーいう靴は、
半分くらいは
カカトが減ったらサヨナラです。
はい、めちゃくちゃコスパ悪いです。
直るっちゃ直るんですが、
かなり剥がれやすい。
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具体的にいこう。
紳士靴から。
①青〇とかのスーツ屋の革靴
→ヒールの土台がプラスチック。
割れます。
修理できるけど出来上がりは悲惨。
いかにも革が積まれてるように
見えるでしょう?
ちがう。
空洞のプラスチックの表面に
こういう
うっすーーーい革を張りつけてるだけ。
雨に濡れたら、化けの皮が剥がれます。
なんかうまいこと言っちゃった。
あと、平均半年ぐらいで
土台のプラスチックがひび割れます。
そうなると・・・
こういうのを使うしかありません。
ただの分厚いゴム。
雰囲気もなにも消し飛びます。
シマシマ模様がなくなるわけですから。
加えて、よほどいい接着剤がないと
ひじょーにはがれやすい。
②ABCマートの革靴
(ジャンカルロモレリ・
ステファノロッシ・
ロックポート)
なんかも同様。
これは土台がウレタンの一体底。
その上に例のうっすーーーい革巻いてます。
はがれたら終了。
めちゃくちゃコスパ悪いです。
しかしこれが3万越してくるメーカーだと、
(↑ジャランスリワヤ)
あったりまえですが
土台(積み上げとかいいます)は
革を使うので
一番下のトップリフトの交換だけで
ピカピカに直ります。
両足で3000~4000円ってとこですかね。
しかも釘も打てるので絶対外れない。
一度直せば2年は持つでしょう。
新人が担当しても、
まあまあ失敗しない。
それと多いのが
「前底のはがれ」問題。
①②あたりだと、
ステッチがダミーなので
↑こんなふうに
あっさり剥がれます(笑)。
修理方法はただひとつ、
「もう一度接着しなおす」だけ。
ちなみに私の店なら一か所500円なので、
両足だと1000円。
一面が「バゴッ」っと外れてたら
片足につき1000円。
両足なら税込み2200円。
そしたらまあ・・・・
半分くらいのお客は言いますね。
「だったら自分で接着剤買うわ!」
ってね。
全然OKです。
皮肉抜きにどんどんセルフでやってほしい。
ただ・・・そういう方って
100%アロンアルファ使うんです(笑)。
で、意外と全然つかないんです。
そのあと持ってこられても、
アロンアルファが邪魔して
修理屋では直りません。
例外的に、
ABCマートでも
レッドウィングやダナーフィールドなら
8000円~15000円くらいで
オールソールやってくれるはずです。
ABCマートと組んでる提携リペア屋が
国内にあるので。
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次、婦人靴。
パンプスだと
「ヒールの巻き革」がよく破れますよね。
これ、革貼りかえるとき
いったんヒールを外すんです。
外すんですが・・・・
安物は合皮なので
ヒール外す=アッパーも破れる
=終了。(弁償)
破れないにしろ
巻革交換って両足5000~8000円ですよ。
原価が数年前より倍になってるので。
値段告げると、
「じゃあやめるわ(怒)!」ってなるんすよ。
でもこれがルブタンやマノロだと・・
本体が10万前後するので
「安っ!」って驚かれるんです。
しかもヒールも外しやいように出来てる。
中敷きも剥がしやすい。
つまり、リペアの跡がほとんど残らない!
中敷き剝がすと・・・
太ネジ1本+サポート釘4本が基本。
コールハーンは地獄。
絶対修理させまいっていう設計でしょ!
くわえて作業工程上、
トップリフトも替えなきゃいけないんで
それ込みの値段です。
ハイエンドブランドなら、
ちょっといいところの修理屋が
メーカー修理よりおすすめです。
あとなんだろうなー。
オールソールか。
意外に知られてませんが、
婦人のパンプスのオールソール案件、
週一くらいできます。
ハーフソール貼らないと
速攻でこうなりますが、
ちゃんとこういう材料があるので↓
こうなります。
両足で8000~1万円くらいですが、
これ実は
型とって
削って貼るだけなので、
純粋な作業時間は
1時間前後とたいへんコスパがいい。
WINWINですな。
やってみるとわかりますが、
意外に新人でも
「えっ」って自分で驚くくらい
簡単かつキレイにいきます。
しかしこれがバキバキに加水分解した
ゴム底の
知る人ぞ知る「リリー」とか
パテントだけとった
国産「シャルルジョルダン」だと、
まあごねます。
決まり文句:
「だって買った時が2万だったのよ!
おかしいじゃない!」
いやー、手間賃考えたら
全然おかしくないけど?
おかしいと思うんなら
材料原価で売るから(2千円)、
自分でやれ、自分で。
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あ、ところで
プロフィールにもさらっと書いてますが、
私自身20代はどっぷり靴の設計やってました。
朝の8時から深夜2時までね。
締め切り間に合わんから休日返上でね。
(遠い目)
あ、ちょっとトイレ。
(げろげろげろげろーーー)
ふうっ。
時効でしょうから書きますが、
「下代ありき」の
〇ドラス・コ〇サ・
スーツ屋の靴は
「半年ごまかせればいい」
設計です。
モノを見る限り
今でも変わってません。
買うだけ損。
逆に「まずクオリティありき」の
ショセ・
リーガルウォーカー・
リーガルのパンプス・
いろんなブランドのグッドイヤー製法は
まあ細部まで「直ることを前提に」
設計してました。
要はですね・・・・
直るかどうかって、
ぶっちゃけ設計図の段階で決まるんです。
こういう時、
ノーサンプトンで勉強しといて良かったなーと
マジで思いました。
「9割の正攻法と、
1割の処世術。」
キリがないな。
またいつか書きます。
本題終了!
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ご褒美タ――――イム!
【今日のおすすめの1足】
何回目の登場だ?
ドクターマーチン・
「チェルシーブーツ」の
「黄色ステッチなし」。
15400円。
Dr.Martens CHELSEA BOOT 2976 R11853001 【メンズ】【レディース】 ドクターマーチン チェルシー ブーツ BLACK 黒 サイドゴア
15400円って、
安いよねえ・・・・・。
15年前の値段だ。
だって公式で買ったら
26400円よ。
(厳密に言えば公式のは黒ソールですが)
あまりに安すぎるんで慎重に調べたんですが、
・・・どうも大丈夫らしい。
レビューの数が603件(!)
で、5段階評価でアベレージが
「4.68」。
これは信頼していい数字でしょ。
(ぶっちゃけ私のブログから買って頂いた方が
2人いらっしゃいます。
どちらからもクレーム来てません)
マーチンのチェルシーはいい。
・ゲリラ豪雨でもないかぎり水通さない。
・底も剥がしようがない。
・意外に減りづらい。
・経年劣化が美しい。
・サフィールのクレム使えば
何とも言えないツヤが出る。
クレムは撥水性もヤバいですからね。
ヘタな防水スプレーより全然マシですよ。
マーチンのサイドゴア、
地味ーーーーーに
通勤で使ってる方、最近見かけます。
かっこよ!
しかも世はアンクル丈じゃないですか。
映えるんだよなーーーー!
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それではまた明日!