おつかれさまです
シューフィッターこまつ@shoes_komatsuです。
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・・
小話です。
先に書いておきますが
オチはありません。
リーボックが炎上してますね。
ポンプフューリー×B'z稲葉浩志さんコラボの
27500円の限定モデル。
1回目と2回目で
大きくクオリティに差があった問題です。
まだ解決はしておらず現在進行形の話。
このモデル
アッパーのデザインが凝ってるんですよね。
アッパーに顔写真がプリントされてるんです。
ファンからするとたまりませんよね。
ところが。
1回目の生産はベトナム製で
高クオリティだったのが
2回目が中国製でひどかった、というもの。
こちらが問題の中国製。
言われればたしかに。
並べるとわかりやすいです。
写真→ベトナム製→中国製。
たしかに不鮮明ですね。
ただ、こんなもんじゃなかったんです。
あとから説明します。
私は被害者じゃありませんが
靴生産に携わってた身からすると
正直わかるなあ、とも思ってしまいます。
簡潔に言い切りましょう。
ベトナムは靴づくりは超うまいです。
日本と同等か、それ以上。
中国は・・・工場によってめちゃくちゃ
クオリティに差がつきます。
どこの工場でつくれるかで
まるっきり別物になるんです。
・・・
1回目の「ベトナム」ロットでは
特に大クレームはなく、
おおむねサンプル通りにできたらしいです。
これが販売前のサンプル。
それが中国ロットになったらこう。
いやー・・
これは炎上するでしょう。
ノリ汚れですが、なんせ靴用なので
シンナーがたっぷりはいってます。
ふれたら一瞬で色は抜けます。
革ならまだしも
ナイロンのパーツはどうにもできません。
クリーム塗ることができませんから。
洗わない手で作業したんでしょう。
ということは作業者の手もボロボロでしょうね。
プライマー（薬品）のあつかいもずさんなはず。
あちこちに飛び跳ねてます。
ということは・・。
工場の中はもうシンナーだらけでしょう。
私も靴修理で吸い過ぎて
字が書けないくらい握力が落ちたことがあります。
神経系統にダメージがくるんです。
キレイな靴はキレイな環境から。
ベトナムの靴工場は写真でしか見たことありませんが
めっちゃキレイなんですよ。
これもヤバいですね・・。
作業の指示系統が完全にアウト。
何か所もあるはずの検品の箇所が
全部これで通ってしまってるって
信じられません。
これはアッパーをミシンで組み立てる
製甲（縫製）の段階のミス。
ここのパーツはゴムなんで
長さを間違えて縫ってしまうと
その場で気づかなくても
木型をかぶせて靴にすると
一気に伸びてそこで気づく、というパターンです。
ふつうここでやり直すんですよ。
しかしこれが通ってしまったということは
・特注パーツがたりなかった
・納期が間に合わなかった
・最後まで気づかないふりをした
のどれかか、へたすると全部ですね。
・・・
ここからはリーボックと切り離した
個人談です。
25年くらい前ですが
日本で革靴・スニーカーの設計をして
中国・ベトナム・マレーシアで生産するという
仕事をしていました。
お世辞抜きにベトナム製でトラブルは
一度もありませんでした。
マレーシアもありませんでしたが回数少なかったんで
運がよかったのかもしれません。
ベトナムは国民性がそうなのか
頭が下がるくらいマジメです。
日常生活はしりませんが、工場では几帳面。
中国は！
・マジで指示通り動かない
・指示ミスは日本の指示が悪いから
・よかれと思って作業しました
が本当に多かった・・。
ただ、マジで工場でバラつきがあるんですよ。
ありすぎるんですよ。
おとなりのアシックスとナイキを（内緒で）
一手に引き受けていた工場なんか
これ日本でも太刀打ちできないぜっていう
ハイレベルでしたから。
工場内もこっそり見させてもらいましたが
ルンバでも置いてるんか、ってくらい
めちゃくちゃキレイでした。
イメージ的には製薬工場とか食品工場とか
そんなイメージ。
ロット数は正義。
多ければ多いほど賃金も上がり
労働者も一気に流れ込みます。
今は知りませんが・・でもたぶん同じでしょうが
靴の工場で働く労働者の8割以上は
地方からの季節工です。
作業に慣れたころにまた地方に帰ってしまう。
だけじゃなく、人づてが強いんで
気づいたら引き抜かれてた、ってことが
日常茶飯事でした。
今回のリーボックも小ロットゆえに
ベトナムで拒否られて
仕方なくやりなれてない中国でつくらざるを
得なかったんだと個人的には推察します。
マルジェラコラボ（47000円）もベトナム製ですし
アリーズコラボ（35200円）もベトナム製。
真っ白のスニーカーも
メタリック素材も
汚れた手であつかったら一発アウトです。
ところで私は中国の某工場で
ライン監視 兼 検品 をやってたんですが
メタリックの革靴つくってたんです。
現存するのでどこのブランドとは言えませんが
当時でも販売価格が5万円超の高級品。
※イメージです
たしか生産数も300足くらいの
超ミニマムロットだったんですよ。
いい感じで生産されて（よしよし・・）と
一瞬安堵したのがまずかった。
メタリック素材は、シンナー的な汚れ落としで
一気に曇ります。
最後の最後で「箱入れ」する前に
使っちゃいけない汚れ落としで仕上げされており──
そこからの記憶がありません。
だから小ロットは超難しいんです。
オチのない話ですみません。
本題終了！
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【今日のおすすめの1足】
安心のベトナム製。
大人な感じの配色が好きです。
「ポンプフューリー94 ウィンター」。
27,500円。
（メンズサイズのみ）
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ポンプフューリーは毎度
アッパーが裂けて寿命なんです。
が、
盤石のコーデュラナイロン採用。
地味にサイドの穴もふさがってるので
雨でもいけますし
秋冬はあったかくていいでしょう。
※過去ご紹介した靴はこちらにまとめてあります。
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