毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

1051 KOTOKAがなんせすごい靴って話。

 

(HPより。壮観)

 

おつかれさまです

こまつ@shoes_komatsuです。

 

いきなりの極論ですが

痛い靴は靴ではない・・・。

根本のところではそう考えてます。

 

なので革靴はオブリークトウに惹かれます。

ビルケンとかトリッペンとか

ああいう「足なりの形」のやつ。

オーロラシューズもいいですねえ。

 

なのでツイッターで1年くらい前に知った

KOTOKAもずっと気になっていました。

 

「KOTOKA」、知る人ぞ知る

すべて奈良でつくられた革靴です。

 

「奈良でつくられている」ということだけは

知っていたんですが

愚かな私は1年間もまちがえていました。

 

なんかこう、勝手に思いこんでたのが

奈良にKOTOKAの専門店があって

そこで試せるのかな────

でも奈良は遠いな────・・

完全に勘違いでした。

 

正解:

奈良じゃなくても履けるし買えます。

 

もちろん奈良でも買えます。

 

このブログには起承転結など

ありませんので、いきなり書きますが

KOTOKAは、

 

〇ネット販売です。

 

こちらから購入できます。

KOTOKA | 奈良の靴 − KOTOKA などの革靴

 

しかしやっぱり実物を見たいし

履かなきゃダメじゃないですか。

 

常設で、

 

・東京 FANS.新橋店

・大阪 乃屋

・奈良 蔦屋書店

・福岡 ならざき靴店

 

の各ショップ様でサンプルが試せます。

詳細はこちら。

KOTOKA | 奈良の靴 − KOTOKA などの革靴

 

ショップに在庫があるわけではなく

ここでサンプルを試して

各自でオンラインでオーダーする流れ。

 

ということをあとで知りました・・・(汗)。

 

たまたま今全4店舗で

 

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「試し履きキャンペーン」を実施致します!

 

というツイートを見つけたので

「靴が奈良に帰る前に早くいかなきゃ!」

という切迫感とともに

さっそく初日の今日

新橋のFANS.様におじゃましてきました。

 

FANS.様に伺うこと自体がはじめてでしたので

新橋駅で「いろはす」を飲み干し

適度に緊張をほぐしてから

12時10分ころに入店。

 

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新橋駅の「日比谷口」を出て

左を向いたら歩いて一瞬です。

 

※めちゃくちゃ関係のないひとりごとですが

きのうこれ調べながらTwitterしてたので

「みやびあきの」さんと地図の「日比谷」出口が

スパークして「ひびの」さんという

謎キャラが爆誕したわけです。あってはならないミス。

みやびあきの様、本当にすみませんでした・・。

Twitterで名前をまちがえたので切腹した話です)

 

新橋駅の「日比谷口」を出て

左を向いたら歩いて一瞬です。

大事なんで2回言いました!

 

入店!

 

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「おん?」

 

そのときすべてを悟りました。

 

常設だ・・・・。

 

お忙しい中、とてもわかりやすく

丁寧に接客してくださった

島津吉孝店長にも確認しましたが

 

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「常設です!」!。

 

私が早とちりした「キャンペーン」というのは、

(購入しなくても)KOTOKAを履いた感想の

アンケートに記入するだけで

靴を保存する「蚊帳」製のシューズバッグが

もらえてしまう、ということでした。

 

蚊帳(かや)といえばトトロを思い出しますね。

さつきとメイがトランポリンみたいに

跳ねるあのシーンです。

 

先着順ですが頂きました!

 

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いや・・・最高じゃないですか・・・!

こちらも奈良製品です。

ここまで通気性がいいと

カビの生えようがありません。

 

 

〇靴をみていきましょう。

 

サンプルはちょうどよく履き込まれているので

新品より正直です。

 

ぱっと目についたアンクル丈のサイドゴアと

ちょうどいいサイズだった

プレーンの外羽根を試着させて頂きました。

 

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サイドゴア。

 

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外羽根プレーン。

 

はい最高。

 

思ってたより相当上いきましたね。

 

余裕のK点越えで

着地ポーズも完全にきまりました。

 

トップラインが笑っている

(すきまが空いている)のは、

写真を撮るのに無理をして 

足を突き出したからなので気にしないでください。

 

 

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おおおおお・・・・

武骨なのに繊細。

上品でノスタルジック。

 

オブリークトウのうえに

なにより先芯が入っていないので

 

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へたなスニーカーより

ずっと気持ちがいい・・。

トウのボリュームもしっかりあります。

 

しかし先芯がないって

革靴をつくるうえで簡単なことでは

絶対にありません。

 

普通の革靴で先芯を入れずにつくると

木型を抜いた瞬間に

「へにゃ」ってカモノハシの口みたいに

まったいらになります。

 

形も醜いし

ボリュームがゼロになるので

快適どころか爪から出血します普通は。

 

なぜKOTOKAはそうならないのか。

 

 

〇革が本当にヤバい。

 

もちろんいい意味で、です。

 

開発の段階で

あの元レッド・ウィング・ジャパン代表の

鈴木理也(みちや)氏が

関わられていらっしゃるとお聞きしました。

 

ならば納得しかありません。

 

レッドウィングといえば

「先芯を抜く」かたも多いでしょう。

そのためには革にそうとうコシがないと

できません。

 

KOTOKAの場合、すべてのモデルが

アンライニング(内革がない)です。

 

見てください・・・!

 

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ゴア周りやカウンター周り以外

一枚革なんです。

 

そしてこの革の厚みよ・・。

厚くてコシがあるのに、

全然痛くありません。

 

鞣したあとに、表面全体にロウを

3~4回に分けてアイロンがけして

コシと防水性を両立させています。

 

完全防水ではないにせよ、

大抵の雨ははじきますし、

(※防水スプレーはむしろNG)

アンライニングなので

通気性もとんでもなくすばらしい。

 

中底ももちろん革なので

はだしでもいけます。

 

なにより「これが革!」というオーラは

ちょっとレベルがちがいますね。

上の写真の革の断面を見てわかる通り、

「茶芯」です。

 

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エイジングも一目瞭然。

色はちがいますが

言葉はいらないでしょう。

 

ああそうだ・・

 

一瞬話それますが

ブラウンの方がオブリークの木型で

黒の方がラウンドで「やや狭」。

せまい足の方でも寄り添ってくれます。

 

革に話もどしますが

アンライニングなのでサイズ感は

わずかに大きめです。

内側の革の厚みがないので。

 

私の場合ほとんどの革靴が26.5ですが

KOTOKAは26でジャストでした。

馴染むことを差し引くと25.5かもしれません。

 

なのでご購入を検討される方は

面倒でも必ず実物を履いてください。

セメント製法とステッチダウン製法でも

ちょっとサイズ感がちがうはずですので。

 

(左:セメント 右:ステッチダウン)

 

〇ソールはやはり

 

最近なにかと縁のある

ビブラム「ガムライト」。

 

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このソールパターンははじめて見ました!

 

ガムライトは

軽くてクッションがあるのに、粘りがあるので

 

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思いのほか削れづらい。

 

リペアもしやすく

新橋のFANS.様でしたら在庫状況にもよりますが

オールソールの際

ケープタウン」も選べます。

 

 

〇メンテはブラシのみ

 

公式より引用:

 

日々のお手入れはブラッシングで十分です。

 

履いた後に毛足の長めのブラシ(馬毛がおすすめです)で靴のホコリを払ってください。ほんの数十秒でできる簡単なお手入れですが、履く度にブラッシングをすることで、長期間で大きな違いが出てきます。

 

よほどのときのみ

モウブレイの乳化性の

「無色クリーム」を少々。

ニュートラル シュークリームジャー スムース革 保革・補色・艶出しクリーム 【 シューケア 革靴 手入れ 】 M.MOWBRAY モウブレイ おうち時間 在宅 巣ごもり

 

こんなに簡単でいいのだろうか・・。

しかしあの革なら納得です。

 

 

・・・・・

 

ということで、リピーターが

めちゃくちゃ多いとのこと。

 

でしょうね・・・。

 

「最近は購入されるお客様の半分くらいが

女性のかたですね!」と

島津店長もおっしゃっていました。

 

わかります。

 

・ミニマムなデザイン

・ひたすらクオリティの高い素材

・ケチのつけようがない履き心地

 

あらゆる意味で「いい靴」の

ひとつの最高到達点ですから。

実物を手にしたら一撃でわかるはずです!

 

 

本題終了。

 

島津店長、FANS.新橋店のみなさま、

お忙しい中

本当にありがとうございました!

 

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【今日のおすすめの1足】

 

KOTOKA、

なんとふるさと納税もやってます。

 

 

【ふるさと納税】KOTOKA コトカ 足なりダービーKTO-3011 レッド(婦人靴) 【ファッション・靴・シューズ・雑貨・日用品・婦人靴 ・牛革】

 

【ふるさと納税】KOTOKA コトカ 古都ラインKTO3001 チョコ(紳士靴) 【ファッション・靴・シューズ・KTO3001・紳士靴・レザーシューズ・ビジネス・カジュアル】

 

ふるさと納税でも6万ですか・・。

リピーターのかたには本当に

どこまでも気を利かせてくれますね。

 

 

 

KOTOKAは私の中では今のところ

今年新しく知った靴のなかでは

暫定1位です。

ぶっちぎりです。

 

まだ2月なので早いかもですが

たぶん今年の終わりにカウントしても

絶対3位以内には入ります。

1位のままぶっちぎるかもしれません。

 

本当に楽しみなメーカーです。

新橋に靴を見に行くなんて

考えもしなかったのに、

人生ってわかりません・・・・。

 

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それではまた明日!