こんばんわ。
靴修理人 兼 シューフィッター 兼
靴マニアのコマツです。
職場で、「靴みがき」もやってます。
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昔みたいにお客がどかっとイスに座って、
その足元で作業するんではなく、
靴は脱いでもらいます。
(スリッパをはいてもらいます。)
一番簡単なのが500円。
メンテ込みだと1000円。
鏡面は2000円。
鏡面は、それほど喜ばれません。
はじめから正解があるからです。
1000円のは、カビが生えてるとか、
数年ほったらかしたやつとか。
まあまあ喜ばれますね。
でも個人的に一番好きなのは、
ぶっちぎりで500円のやつ。
ビフォーアフターの落差がすごいから。
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具体的にいこう。
私は接客が大嫌いなので(しゃべりたくない)、
基本黙々と作業やってます。
ただ・・・・
たとえば「カカトの修理」で
こういう靴見ると、
突然うしろから私が登場します。
「500円で・・靴・・磨きませんか?」
(磨きたくてうずうずしている)
OKをもらったら、ひったくるようにして
カカト修理と同時進行で
嬉々として磨きます(笑)。
クリーム、つかいません。
汚れ落とし、つかいません。
ツリー、いりません。
邪道も邪道。
どうやるか。
靴修理用のグラインダーに、
本来「ヒールに色を付けるため」の
高速回転する馬毛ブラシと
(通称:バフ)
専用の棒状のワックスがあります。
これがバフ。
これが修理用の棒状のワックス。
みなさんの知ってるワックスとは
全然ちがうでしょ。
マシーン用に独自進化したワックスです。
バナナくらいの大きさ。
色は
黒・DBR・LBR・無色の4色。
高速回転するバフにワックスをほんのちょっと
つけて、
さきほどの靴をまわすようにバフがけします。
1分後。
まじでこうなります。
落差、すごいでしょ?
500円以上の価値、あると思いません?
これが一番喜ばれるし、
私もうれしい。
なによりラクだし(笑)。
そもそも、
こんな状態になるまで履くって、
絶対一度も靴磨いたことないんですよ。
靴の「のどがかわいたよー」って声が
聞こえるでしょ?
ちなみにここまでくると、意外と
手で几帳面に磨くのはたいへんです。
ヘタすると鏡面より時間かかります。
マシーンの力技で一気に圧力をかけたほうが
はるかにラクで、圧倒的に光ります。
電車乗ってても、こういう靴見ると
磨きたくてしょうがないんですよね・・・。
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一応、
手間暇かけて鏡面も好きです。
95点を100点までひきあげるような。
でももっと好きなのは、
「プリティウーマン」みたいに、
10点を80点まで引き上げる方が
個人的にはずっと好きです。
マシーン磨き、最高。
本編終了。
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【今日のおすすめの1足】
今日はご婦人向け。
エアマックス2016の白。
8970円。
うわ、もう5年たったのか。
でも無数にあるエアマックスのなかでも
「2016」は特筆してこのバランス、
ご婦人がはくと
絶妙にいいんですよ。
(男がはくと、ただの体育バカにみえる)
最新のエアマックス720や
ヴェイパーマックスほどメカニカルじゃないし、
真上からの画像でわかりますが
「カカトは小さく、つま先はひろく」の
三角形の形をしています。
いい靴の絶対条件です。
で、アッパーがニットだから幅がほとんど
関係ない。
フツーに脱力してはくのも良し、
ジムでガンガンに使いたおすのも良し、
春の白ニットに合わせるも良し。
学生みたいにチャラくないのがいい!
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それではまた明日!