こんばんわ。
靴修理人 兼 シューフィッター 兼
靴マニアのコマツです。
きのう(2月16日)ニュースでアディダスから
売却が発表されました。
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個人的感想ですが、
正解。
リーボックはここから
また化けます。
それを説明していきましょう。
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もともとイギリス発祥なんですよ。
(1895年)
だから、クラシックモデルだといまだに
ユニオンジャックついてるでしょ。
【公式】リーボック Reebok クラシックレザー / CL LTHR レディース メンズ 49799 クラシック シューズ
創業者は「リーボック」さんじゃありません。
フォスターさんって人です。
リーボックって動物のガゼルの現地名なんですって。
へーー。
エアロビクスシューズが80年代に
売れたときあたりから、
アメリカに本社をうつしてます。
初期のB’zも黒いの履いてましたね・・・。
1989年に「ザ・ポンプ」で世界の度肝を抜きます。
「こんなガンダムみたいな靴で
本当にバスケットボール
できるんか⁉」
と思ったのは私だけじゃないはず。
できるんですねー。
なので、
1992年にシャキールオニールと契約。
リングをよくぶっ壊してた、あの人です。
勢いは止まらず、
1994年に名作・インスタポンプフューリー発売。
ここがターニングポイントでした。
その後、低迷期間に突入し、
2005年にアディダスに買収。
2009年に「履くだけのジム」=「やせる靴」として
「イージー・トーン」を発売。
大成功・・・にみえました。
ヒップで28%、ふくらはぎで11%、太ももで11%
負荷がかかる(やせるとは言ってない)と謳い
統計が取れないほどの爆発的ヒット。
これが仇となる。
ウィキペディアから引用:
アメリカ連邦取引委員会(FTC)は、リーボックが2009年から展開した「イージートーンを履いて歩くと、他の運動靴と比べヒップが28%引き締まり、ふくらはぎの筋肉が11%多くつくことが証明された」という広告には科学的根拠がなく、機能を過大に表示していると指摘し、2011年9月にリーボックは2500万ドル(約19億円)を支払うことで和解した。 リーボックはイージートーン製品を購入した人への返金に応じている。
要は、「やせないよ」ってことですね。
加えて日本でも独禁法にひっかかる。
公正取引委員会は2012年3月2日、独占禁止法違反(再販売価格の拘束)を認定し、再発防止を求める排除措置命令を出した。 同社は2010年3月から2011年4月にかけて、小売店や卸売業者など全国800社に対し、値引きして売らないように指示し守らない業者には在庫を返品させたり出荷を停止していたケースもあったという[4]。
この騒動以降、
目立ったヒット作もなく、
アディダスにも見放され、
今に至ります。
普通のメーカーならここで終わるでしょう。
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あくまで個人的な
リーボックウォッチャーの勘ですが、
これからが、リーボックの
ターンです。
具体的にいきましょう。
そもそも。
世界的に流行ろうが何だろうが、
意外に地域密着型。
20代の時にイギリスで過ごしていた時は、
「おまえら全員グルか⁉」って思えるほど
老いも若きも
ユニオンジャックの入った
「クラシックレザー」を履いてました。
もうその時ポンプフューリーもあったのに。
(ちなみに当時私はDMX RUNを愛用)
現地人に
「なんでローテクばっかり履くの」と聞くと、
「・・・いや、だってそれ、
そんなマッチョなの履かんよ」
とのこと。
そういう現地の圧倒的支持がひとつ。
日本でいう、結局
アシックスかミズノかヨネックス
に似てますね。
さらに歴史的に見て、このメーカーの
発狂度合いが突出してます。
普通は。
エアロビシューズで成功したら
AVIAみたいに閉じこもりますよ。
そこに容赦なく「ザ・ポンプ」という
モビルスーツを導入。
もともとバクチ好きなんですね。
このときの他メーカーのあわて具合、
ウケますよ。
ナイキが数か月後にだしたのがこれ。
モビルスーツやないかい・・・。
ナイキもポンプをもちこみ、
「ポンプ」の訴訟問題で
ごたごたしたみたいですね。
勝ち負けは知りませんが、
リーボックはシャックを勝ち取り、
ナイキはひたすらマックスエアに走りました。
これが靴の進化です。
さらにナイキは21世紀の今でこそ
庶民用のジムに力をいれてますが、
そもそもそこはリーボックの土壌。
もうリーボックは先に行ってます。
今、リーボックといえば。
スポーツメーカーのどこもが嫌がる
絶対的スポンサーなんです。
40代以上のおっちゃんにとっては、
「アルティメット大会」
といった方がわかりやすいですかね。
グレイシー一族から始まり、
グレイシーがいなくなっても続いてます。
アメリカですよ。
血が流れたら、YouTube同様
地上波NGですよ。
そこにずーーーーーっとスポンサーとして
君臨してるんです。
着眼点がヤバすぎる。
ナイキなんて絶対にこんな役、
引き受けませんから。
そして今回、リーボックの身元引受人が
ノースフェイスに決まりそうですね。
これがまた面白い。
なんでアウトドアの会社に?と一瞬思いましたが、
そもそもノースフェイス自体が2000年に違う会社に
「2500万ドル」で買収され、現在は
「20億ドル」の収入に至ってます。
100倍のリターンって・・・・。
頭のいい経済ヤクザなみじゃないですか。
そこの舎弟にリーボックが入るわけです。
アディダスの支援を得た、
莫大なデータとともに(怖)。
ノースフェイスって、もうカジュアルでしょ。
リーボックも、たとえば
「ガチンコの厚底ランニングシューズ」に
参戦するほどのスタンスじゃない。
「日常こそ戦場」
ということを、ナイキと同様に知っています。
どーなりますかね。
極端な話、サイズだのウィズだの、
健常者だの障害者だの
関係ない靴出してくる期待、ありますよ。
・・・ちょっと興奮してしゃべりすぎましたね。
また進展あったら話します。
本編終了。
刺激を与えてくれたのはこの本。
遅れましたが先週読破しました。
もう1年たったかー。
YouTubeでもやってます。
オトナなら、
小林よしのりの「コロナ論」とあわせて
必読書ですよ・・・・。
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【今日のおすすめの1足】
ちょっと興奮しちゃいましたねー。
猫吸ってきます。
すーはーすーはーすーはーすーはー。
ふうーーーー。
・・・落ち着きました。
せっかくなんでリーボックで締めましょう。
もうなんども紹介しましたが、
いいものはいいので
また紹介します。
DMX RUN。
9680円。
23~30㎝までのユニセックス。
1997年の復刻。
ウィズ・甲の厚薄、関係ない。
体重・・・
40キロでも110キロでもOK。
ギミックでもなんでもなく、
ド正直に
エアがカカトに4つ、つま先に4つついていて、
ふまずのチューブで自由自在に
エアが移動します。
つくりは繊細なのに、丈夫。
・・伝わんないだろうなあーー。
それくらい独特。
でもクセはない。
買ったら、必ずリピーターになるとだけ
断言します。
私は時代をわけて都合3足買いました。
ちなみにですが、人によっては
(特に体重のない女性)
この「移動するエア」が不安定で、
コケる人も当時いました。
・・・察した人、いるでしょうか?
これがのちの「イージートーン」です。
たしかに科学的には盛ってしまって
ペナルティを払う結末にはなりましたが、
「転んでもただでは起きん」的な精神、
私は好きです。
イージートーンもそれ自体でやせはしないけど
ヒザにはめちゃめちゃいい靴ですからね。
ガチンコで走っても、いまだに
ヒザをぶっ壊さないシューズとして履けます。
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それではまた明日!