元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアのコマツです。

東京某所で靴修理やってます。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間ほど靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと書いていきます。

42 グッドイヤー製法は死んだ(前編)

前回レッドウィングとホーキンスのブーツの違いについて書きました。最も違うのが製法なんですが、とばします。とも書きました。

なんで文章を飛ばしたのかというと、タイトルの通りです。

もうグッドイヤー製法の靴を買う意味はありません。趣味なら別です。

レッドウィングはグッドイヤー製法(正確にはグッドイヤーウェルテッド製法)。ホーキンスはセメント製法。でも、もうどっちでもいいんです。軽く説明すると、グッドは靴の中で「すくい縫い」をして、靴の外で「出し縫い」をします。半永久的・・といっては言いすぎですが、5~6回は靴底の張り替えが効きます。

↑これはパラブーツ。(正確にはノルウィージャン製法ですが、グッドとほぼ一緒。)

でも、悲しいかな一体どれだけの人が底の張り替えをするんでしょう。90年代~震災前までは、紳士靴コーナーに行くと必ず、必ず、必ず(3回言った)一番お高いところにグッドイヤー製法の靴があって、販売員からは「一生履き続けられますよ」「一生ものですよ」とささやかれた方もいらっしゃるかもしれません。ま、今でもそうでしょう。ここで修理を生業にしている人間がいうのもなんですが、

「一生ものの靴」なんか存在しません。

一生というのが10年なのか100年なのかで全然違いますが、どんなにメンテして、リペアをしょっちゅうしていても、アッパーの革とステッチの糸、インソールの革の劣化は止められないので、実際には「一生もの=せいぜい20年」がいいところです。」それ以降は履けるっちゃ履けますが・・1週まわって痛い靴(中がささくれて足に刺さる)、汚ない靴、危ない靴(すべてのパーツが劣化するため)と認識した方がいいです。

マイホームに似てますよね。

思ってたより長くなっちゃったんで、次回に続きます。