中~高年齢層向けのウォーキングシューズに、必ずと言っていいほど紐の横にファスナーが付きだしたのはいつ頃からでしょうか。
各メーカーが揃って「サイドファスナー」って呼んでるみたいですが、なんか個人的に嫌なのでここでは「横チャック」で押し通します。どうでもいい話ですが。
横チャックなしだと、それだけで売れないんでしょうね。ビジュアルもBOA(ブログ㉑)に比べて一目瞭然ですし。私が20代の頃=20年前くらい レザースニーカーの開発・設計してた頃から「横チャックは絶対正義」みたいな空気になってました。
いや、全然いいと思うんですよ。楽だし、売れるし、売りやすいし。ただカッコ悪いだけで。
でも、手の平ひっくり返しますが、かつてめちゃくちゃに美しいモデルがあったんです。それがトキオ・クマガイ(熊谷登喜夫 1947生-1987生没)。
このモデル、1985年です。どうですかこの美しさ。
個人的に所有している昔の雑誌から切り抜きました。昭和61年のなんで、約35年前ですか。フランスで活躍されて40歳で夭折された靴デザイナーですが、おそらく靴紐の横にファスナーをつけたアイデアはこの方ではないでしょうか。
たしかに靴は売れてなんぼですが、最近の横チャックの暴走ぶりには閉口します。履いている方も、まあまあの確率でチャック全開ですし。
熊谷登喜夫が今生きていたら、どんな靴を作っていたのか・・・横チャックはとっくの前にやめて、もっと斬新ななにかを取り付けたか、逆に靴ではなく服をデザインしていたか、もはやデザイナーに留まっていなかったか・・。
また全然話変わりますが、昭和の時代の靴雑誌、中身けっこういろいろ面白いんですよ!
それはまた次回。