こんばんわ。
靴修理人 兼 シューフィッター 兼
靴マニアのコマツです。
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本当は「来年の靴業界の展望」みたいなのを
書いてたんですが、
書いても書いても暗くなってしまって(笑)、
きづいたら手元に七輪と練炭があったので
窓からぶんなげて、タイトルも変えて
これ書いてます。
かなりネガティブな内容なので、
苦手な方はここでそっ閉じしてください。
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しかしまあ・・現実的に、
名前出せませんが、もううちの会社はダメ。
もって数年。
ってことを前からうすうす感じてるので
こういうブログ書いたり、
自宅や会社の屋上で筋トレしたり、
ブログの利益で投資したりし始めてるんですが、
こんな時代がくるとはねえ。
サバイバルですよ。
冒険したもの勝ちですよ!
会社がもっても、百貨店がどんどん逝きます。
昔ながらの
「腕はいいけど、口が悪い」職人から
気持ちいいくらいにリストラされてます。
これ・・・賛成。
口が悪いにも2種類います。
「口ばっかりで修理はビビり」か
超少数派だけど
「職人バカで、受付がいっさいできない」か。
前者はもう、自業自得だからしかたない。
来世に期待ですね。
後者はなんだかんだいって
会社は手放しません。
美容師・理容師さんと一緒で、AIが何年たっても
おいつけないのと、私みたいなバカ職人が
まだまだ技を継承できてないから。
今一緒にはたかせてもらってる師匠は、
グッドイヤーのオールソールを
2時間で完璧に終わらせます。
バラシも接着剤の乾燥時間もすべて含め。
オリジナルよりキレイじゃね?レベル。
本人はまったく急いでないし、むしろ
(客のいない早朝にやるので)ゆっくり作業してるのに、
気付いたら終わってるんです。
本人は逆に、「もうおわっちゃった・・・」と
悲しそうにしています。
ウェルトのとヒール回りの車飾りは
ワックスとライターであぶって(消防法違反)
さくっと、まよいなく一発で仕上げます。
そのあと、1日の通常業務。
すごい。
すごいけど・・2年後にはすべて私ができるように
なりますよ。ぐぬぬぬぬ。
アイフォンで撮影してますからね。
コマツも、オールソールは2時間でできますが、
1日の集中力をすべて使うため、他の修理が
まーーーーーーったくできません。
まだまだコスパ悪いですね。
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さー、いよいよ
重い本題いきましょ。
来年は、船をこぎださなきゃ死です。
業界の方、異論ある?
・・・・ほら、ないでしょ。
コマツの「靴修理業界」は
ざっくり半分くらいには減るでしょう。
逆に、少数精鋭になります(断言)。
さらにそのなかでのサバイバル。
地方はほぼ全滅。
ネット修理は流行らないでしょうね。
コスパと手間がかかりすぎ。相性が悪い。
だからこその実店舗なんです。
なので、もしかりに「ここの修理屋はいい」と
奇跡的に思える会社や職人がいたら、
本社あてに「お褒めのメール」を送ってください。
(自慢:コマツは頂いています。自作自演じゃなく!)
それだけで、本人も食っていけるし
かりに独立や異動しても、だいたいは
「引っ越し先」を教えてくれます。
このへん、美容師業界と似てますね。
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革靴業界。
婦人靴はまだ今年と同じだと思います。
2年後に一気に淘汰されます。
紳士靴。
言いづらいですが。
基本的にABCマートだけが残るんじゃないでしょうか。
すでに革靴は絶滅危惧種ですし、
そもそもみんなお金がない。
冠婚葬祭も入学式もないし、
ヨーカドーもイオンも服飾関係からは
じわじわ撤退はじめてるし、
百貨店は論外。
となると、ABCマートしか残れません。
「靴流通センター」とか「SHOE PLAZA」の
チヨダなんかは、良くも悪くも過酷なノルマが
ない分、いつ行っても客いないでしょ。
GUは靴は伸びていくでしょうが、
「ここぞ」っていうときの勝負靴には
選ばれないでしょう。
嗜好品としての「超高級靴」はパイの奪い合いです。
大きな波がふたつ。
ひとつは、4月からのイギリス靴の
関税撤廃の波。
もうひとつは、「革業界」全体がおいこまれてる
「サスティナブル」の波。
牛肉や鶏肉、マグロすら将来的にはそもそも
「コスパに合わず、食べられなくなる」ので
(各自ググってください。かなり現実的です)
ビヨンドミート(Beyond Meat)が上場&黒字化!日本販売間近の植物代替肉 | TokyoVegan
どうでもいいけど、絶対うまそう。じゅる。
大豆肉。
意外と日本人ならすんなりうけいれそう。
まだまだ調査不足ですが、
「焼肉食ったあと、胃薬飲む」よりは
たしかに健全なのかも。。。。。
海鮮は高いし、後継者いないし。
あ、
というわけで
フランスとアメリカの超大手が
逝く可能性、十分にあります。
地球にはやさしいけど、職人は死にます。
2~3年後には、スポーツメーカーしか
革靴をつくっていけないと思います。
古靴業界は潤うでしょうね。
ロレックスのように、ビンテージのほうが
高値がつく可能性が高い。
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書いてて、胃が痛い。
でも、歴史ってこういうもんですよね。
蒸気機関の職人なんて、生き残ったのは
ラピュタのパズーくらいでしょ(笑)。
もうほんとにね、
全人類が自分で自分のわらじを編めば
ぜんぶ解決すると思うんですけど。
ワラでできたあれ、機会があったら
ぜひ一度素足ではいてみてください。
弥生時代(2千年前)からほんの100年前まで
なんであれが愛用されたか、
DNAレベルでわかりますよ。
ひとつ注意。
靴に戻れなくなるかた、たまにいるそうです。
コマツはこれを利用して
「サスティナブル・ワラジ教」の教祖になって
ガンガン稼ぎます!
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【今日のおすすめの1足】
わらじ
1700円。
ふざけてませんよ(怒)。
なんで2千年以上、日本人が履いてきたか。
目からウロコですが、
「サイズが存在しない」。
しいていえば、子供用か大人用かの2択。
レディースとメンズは関係ない。
藁がなければ、布でも紙でも(!)編める。
なんかこう・・・
「100年浮気しちゃったけど、やっぱり
おまえのことが忘れられないんだよ」
(※お好みのイケボで脳内再生してください)
って感じですよマジでガチでほんまに奥さん!!
気の利いたお土産屋さんでもよく見かけます。
そんな草鞋の編み方やらなんやら
どのページひらいてもクソ面白い本がこちら。
「冒険図鑑」
1760円。
1985年初版。
人生のどっかで一度は読んだことある人、
意外に多いと思います。
あ、草鞋の編み方ももちろんのってます。
サバイバル本の元祖ですが、
今でもガンガン売れてます。
面白い。
世代を超えて超実用的!
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それではまた明日!