毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

336 ガチ回。卵が割れない実験のトリック。足をこわすな!

 

卵が割れなくても

ヒザと腰と足は痛くなります。

 

こんばんわ。

 

元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼

シューフィッター 兼

靴マニアのコマツです。

 

今日はみなさんおひさしぶり

理科の授業です。

 

・・・・・・・・・・・・

 

クッションを売りにしてる靴で、

 

卵を10M から落としても割れない!

とか、

卵の上に衝撃吸収材を置いて

ハンマーで叩いても割れない!

とか、

 

よくみかけるでしょ。

 

アシックス。

ヨネックス。

最近だとリーガル。

 

ハンマー系だと、

アキレスソルボ。

 

あれ、初歩的なトリックです。

 

簡単に鵜呑みにして

足、痛めないでくださいね・・。

 

あの実験自体はヤラセなしです。

 

ただ、卵と足は全然ちがう。

 

ガチンコで説明しましょう。

 

最後にほんとにクッションがいい靴

貼っときます。

 

面倒な方はスクロール。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

トリック①

 

卵は半液体。

でも足には骨がある。

 

 

ソース画像を表示

 

たとえば。

 

生卵の中に

白身のかわりにコンクリ」

が入ってると

イメージしてください。

 

図でいうと、

ブルーの部分(白身)をコンクリと

おきかえてみてください。

 

いいですか?

 

イメージしてくださいね。 

外から卵をむいていくと・・・

 

カラがあって、

うすい卵殻膜があって、

気室があって、

ぶあついコンクリがあって(笑)、

中心が黄身。

 

ずいぶん重い卵ができましたね。

 

なんとなくイメージできました?

 

それでは・・・

 

その中身が

どろどろの白身のかわりに

「コンクリぱんぱんの卵」を

ふかふかのマットレスの上に

わずか15センチの高さから

落としてみましょう。

高さでいえば、

だいたいげんこつ2つ分ですね。

 

(ちなみに15センチは、疲れて

いよいよ足の上がらなくなった

ランナーの地面からの高さです。)

 

 さあ、頭の中で

その特製の生卵を

落としてください。

 

絶対カラ割れます。

 

やったことないけど

絶対われるでしょ。

 

話はシンプルで、

中からの衝撃が大きいから。

 

本当の

生卵の白身は半液体(ジェル)ですよね。

 

白身自体がクッションなんです。

 

白身って、黄身に栄養を与えるほうに

目がいきがちですが、

 

もうひとつの役割は

「カラと黄身(本体)のクッション」

白身の役目です。

 

おやおやー?

中学の理科でならったはずですよー?

 

いうまでもなく

ここでのコンクリ=骨。

膜=筋膜。

 

カラ、割れるでしょ?

 

これがトリックの1。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

トリック②

 

落下の衝撃波はひとつ。

ラン二ングの衝撃波はふたつ。

 

あっ・・・・

あきらめないで・・・!

 

超わかりやすく説明しますから!

 

歩く

走る

の衝撃は、

 

地震によく似てます。

 

ちっちゃい地震があってからの、

でっかい本震。

(余震はどうでもいい。)

 

走って(歩いて)、

片足で着地します。

 

いい?

 

接地したこの瞬間が

「前震」。

 

次の瞬間、

 

体重の2倍以上の重さが

片足にのしかかります。

 

これが「本震」。

 

前震がP波。

本震がS波。

ソース画像を表示

 

前震はあっというまに去っていきます。

 

本震はゆっくりじっくり

まさに「踏みしめるように」

パワーを放出します。

 

生卵でいえば、

インパクトの瞬間が「前震」。

 

「本震」は・・・?

 

ぽーんって跳ね返っていく、

(逃げていく卵)

あのパワーです。

 

ひるがえって、生身の足。

 

「本震」、

逃げ場がないでしょ。

 

足と地面にはさまれて。

 

ここでクッションの差を

測るべきなんです!

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

結論。

 

卵を落としても割れないは、

インチキじゃないけど

まんま

人間の足には当てはまらない。

 

ここからは個人的考察ですが、

リアルを追求するなら、

「生卵」よりも、

「熟れたスイカ」。

ビジュアル的には弱いけどね。

 

硬度と重さ、脆さ、

そしてなにより

構造的にヒトの足に近いのは

 

「熟れたスイカ」です。

 

これを各社の

クッション材の上に落としてみるがよい。

 

たぶん全部割れますが(笑)、

 

「パ―――――ン!」

って割れたらアウト。

 

「ぐしゃ」

で割れたらセーフ。

 

奇跡的に割れなければ、

それが最高の

クッション材でしょう。

 

たぶん、それは単体なら

αゲルです。

 

イカじゃなくてカラーボールですが、

実証実験がこちら。

www.youtube.com

 

 ↑電車の中で再生しないでね。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

もうひとつ大事なこと。

 

衝撃吸収材は、単体では

生きません。

(重すぎる・もろすぎる)

 

何に、どれだけの量をサンドイッチするかが

本当の力量です。

 

参考までに、

私の感覚のランキングでいうと、

(78キロ・ぽっちゃりマッチョ)

 

歩くなら

ベスト3はこれ。

 

3位:ナイキリアクト

2位:リーボックDMX

1位:ホカオネ

 

 軽くランニングするなら、

ベスト3はこれ。

 

3位:ナイキリアクト

2位:ホカオネ

1位:アシックス・ターサー

 

想像を駆使して、

体重50キロ前後の女性が

ふだん履きとして

足にやさしいベスト3はこれ。

 

3位:オンクラウド

2位:ナイキリアクト

1位:ホカオネ

 

軽くランニングするなら、

ベスト3はこれ。

 

3位:ホカオネ クリフトン

2位:ニューバランス ハンゾー

同率2位:ブルックス ゴースト

1位:アシックス・ターサー

 

なんでこんなに順位かわるのかというと、

「体重」です。

 

うん、話が長いな。

 

卵と関係ないし。

ショップで履けばその場でわかります。

 

本編終了!

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

ご褒美タ――――イム!!

 

【今日のおすすめの2足】

 

話の流れで、

アシックス・ターサーエッジ。

 

9350円。

 

ユニセックス

 

 

 

 

 えっ。

 

ターサーを知らない・・だと・・⁉

 

はあああああああああ・・・・。

(深いため息)

 

ひとこと。

 

ターサーとは、 

アシックスの生み出した

モンスターシューズ。

 

「ターサー○○」と名付けられたら、

すべてが例外なく

まさにモンスター。

 

履きゃ2秒でわかる。

 

フルマラソンを10回以上走っても

たぶんびくともしないでしょう。

 

クッションと、

バネと、

通気性の鬼。

 

地味に1980年代から

現在まで続いてます。

 

完全にキメラ

(突然変異種)。

 

・マラソンシューズって

 軽いけど

 すぐ減るじゃないですか。

 たとえナイキの厚底にしても。

 

・トレーニングシューズって、

 ちょっと重いじゃないですか。

 ゲルカヤノで片足300グラム切るかどうか。

 

その中間であり、

そしてケガもさせずに

(体重70キロ以下にかぎる)

型落ちなら手ごろな値段であり、

バカみたいにタフ。

精密機械のように、必要最低限のαゲルを

時代に応じて使っています。

 

私も陸上の現役時代、

(短距離専門でしたが)

大切に大切に

4足履きつぶしました。

 

どれも最高でした。

 

ターサーをどれほどの名門が

パクったことか。

 

そしてパクリきれなかったことか。

 

・ナイキジャパンの「瞬」と「速」。

・ミズノ(旧ランバード)の

 「スーパーアスリート」シリーズ。

アディダスのアディゼロシリーズ。

 あるいはトルションシリーズ。

・NBの「RC110」とかのレーシングシリーズ。

 

これらすべてが

ターサーに敵わなかった。

 

ホカオネとはまた違うんです。

 

断言できませんが・・

たぶんホカオネがターサーの

逆張りをしたんでしょう。

「軽いけど、ボリュームで圧倒する」

っていうね。

 

ビジュアルは見事に真逆ですが、

狙いどころは実は一緒です。

 

私の語彙力ではおっつかない。

 

たいていの大型スポーツ店に置いてます。

 

 

でも、

きっとみんな買わんよね。

ビジュアル的に。

 

わかる。 

 

それは、アシックスの怠慢。

 

だからホカオネも貼っときます。

 

クリフトン7。

 

13800円。

 

 

 

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足なりのバナナラスト。

 

 

 

 

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真夏の東京でもビジカジでいける。

 メンズ

 

ホカオネオネ クリフトン7 1110508 BBLC ランニングシューズ メンズ HOKA ONEONE

 

 

 レディースは・・

17600円(定価)。

 

ホカオネオネ(HOKAONEONE) ランニングシューズ クリフトン7 1110509-BBRNZ ジョギングシューズ (レディース)

 

おっと。

たいしてかわらん

ひとつ前のシリーズはちょっと安いな。

 

色もいい。

 

クリフトン6。

16335円。

 

ホカオネオネ HOKA ONE ONE レディース 陸上/ランニング ランニングシューズ CLIFTON 6 1102873

 

これ、うちの家人が1年前から

ほぼ毎日履いてますが

全然へたらない。

どころか・・・

「もう一足買え」プレッシャーが(滝汗)。

 

「もうもとに戻れない」そうです。。。

 

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それではまた明日!