クレジットカードを投げつけられました。
つい数時間ほど前のこと。
なので今は泣きながら書いてます。
すいません嘘です。
ひとりで爆笑しながら書いてます。
こんばんわー。
靴修理人 兼 シューフィッター 兼
靴マニアのコマツです。
まず、なにが起きたかを説明しましょう。
大人のあれで、少しぼやかします。
夜でした。
マダムがご来店。50代くらいかな?
なんかしらんけど最初から不機嫌だったので、
私の野生のカンで「超ディフェンスモード」に
切り替えました。
でも・・・ダメだった・・・・。
マダム(以下、マ)がビニール袋から
こきたない茶色の革靴をとりだして、ひとこと。
マ:「息子のなんだけど。」
どすん!と置かれたのがこれ。
(写真はネットから)
はいストップ。
ちょっといったんとめて、解説します。
「ジャンカルロモレッリ」という
シリーズで、15000円前後だけど、
2足目半額セールで売られてるやつです。
アッパーは革。
ソールがポリウレタン。
そのウレタン底をうまーく
「レザーソール状」にみせかけてます。
ヒールまわりも
ウレタンのまわりにうすーーーーく
スライスした、
こーいう「スタック巻き」ってのを
張り付けて、いまにも「革ヒールです!」
ってカモフラージュしてます。
これがボロボロ崩れるんですよ(怒)!
マダムがもっててきた靴も、スタック革が
半分以上ふっとんだ状態でした。
対処法はありません。
ということを頭において・・・・
戦闘再開します。
。。。。コマツ(以下、コ)
コ:「カカト・・ですかね・・・?」
マ:「なんとかして。」
・・・ああダメだこの人。・・
完全に八つ当たりに来てる。
あ、ちなみにこういう人、けっこういます。
コ:(冷静になりながら、靴をぐるっとみて)
「カカトのゴムは、すぐ交換できます。
が、
ヒールまわりの革は申し訳ありませんが
そのままになりますが、いかがいたしましょうか?」
マ:「革底でしょ?言ってる意味がわからない」
あーーーーもうだめだ。
ボタンが2つくらいかけちがってる。
冷静に。冷静に。
コ:「このお靴は、革底ではありません。
本体がポリウレタンで出来ておりまして、
できる修理もカカトのゴム交換しか
できませ・・・・」
マ:「そんなことないでしょ!〇〇の本店で
買ったのよ!(以下沈黙)」
沈黙されてもなあーーーー。
どーしたもんかなーーーー。
コ:「ご本人に確認された方がいいと思いますが、
ABCマートでお買い上げになられているはずです。
こちらでは対応しかねますので、お買い上げになった
お店でご相談ください。」
よく言った!よく言い切った俺!
さて、マダムのカウンターです。
マ:「・・・じゃ、ヒールだけやってちょうだい」
え!やるの
ということは一切感情に出さず、
クレジットカードでお勘定。
コ:「10分ほどで出来ますので、お待ちになるか
どちらか出かけられますか・・・?」
といったときにはマダムはどっかに
電話をかけていた。
ま、当然修理すすめますよね。
カカト削り取って、プライマー塗って
サーキュレーター全開で乾燥中。
マダム電話おわった。
なんかこっちにドヤ顔でやってくる。
マ:「ちょっと!もう始めちゃってるの」
コ:「はい。あと5分ほどで終わります」
そりゃそうだよね。会計終わってるんだし、
特に異議?もなかったわけだし。
さあこっからですよ。
マ:「〇〇の本店の〇〇さんに電話したら、
革底なら修理できるって言われたわ?
(またドヤ顔で沈黙)」
めんどくせー。
コ:「でしたらご返金致します。払い戻し
しますのでカードとレシートを」
はい、ここで
全力でカード
投げつけられました(笑)。
いやー冷めるわー。
もうね。家畜以下の相手には事務的対応ですよ。
あとは地面に落ちたカードをゆっくり拾って、
ホコリを払いもせずにレジで秒で返金を済ませ、
コ:「ご期待に沿えず申し訳ありません」
とマニュアル通りの回答。
ふつうここで黙って去ってくんですが・・
なんと、特典ボーナスで捨てゼリフが
ありましてね。
思い出すだけで興奮しますよ(笑)。
マ:「あなたみたいな、何にも靴知らない人に
さわられて、このコが可愛そう!
二度と来ないから!」
・・・・・・・・・・・・・・
うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。
このコって(笑)。
なんか・・・息子さんかわいそー―――!
よかったー。
いやー残念です!!!
二度と・・・来てくれないそうです!
ぷぷっ。
惜しいのは、「そのコ」が本店で
どーいう扱われ方されるのか見たい!
だって、〇〇(百貨店)には
ABCマートないもの。
やすくひきうけた外商の担当者、
どーするんだろう。
「これは当店のものではなく・・」
でビンタでしょ?
「革底ではないので・・」でビンタでしょ?
うははははは。
けっ。
以上です。
・・・・・・・・・・・・・・・・
まー、憂さ晴らしもすんだとこで
「スタック巻き」に手を染めてるメーカーを
実名でさらそうか。
ウンコメーカーです。
注:婦人靴でスタック巻きはOKです。
むしろ王道。
①ABCマートの紳士靴全部。
ABCマートの紳士靴といえば
「ホーキンス」
「ジャンカルロモレリ」
「ステファノロッシ」
がありますが、全部いっしょ(笑)。
②クラークスのこんな感じのやつ。
暗くてわかりづらいな。
革が巻かれてる風なんですが、
おもいっきりダミーです。
③ロックポートのこんなやつ。
いかにも「クラシックです!」からの、
スタック巻きじゃろがい!!!
1年もたんぞ。
④コールハーンのこんなやつ。
2万超えなんですが。
はい、スタック巻き!
なんだろうなー。
わからん。
こんな不良品が数万で百貨店に
並べられてるなんてなーーー。
まーいっか。
どうせ百貨店も数年後には絶滅するし。
それにしても、勉強しない日本人、
なめられてるよね。
・・・・・・・・・・・・・
そうはいっても、見分けつないでしょ。
見分けられなくてもOK
コマツの相談室のかたにも言ってるんですが、
「高級靴を買うときには、
メーカーでどこまで修理してくれるのかを聞け」
と再三再四もうしあげています。
どういうことかっていうと、
良心的なメーカー、たとえば
・リーガル
・オーツカ
あたりは、相当のところまで
修理してくれます。時間はかかるけど。
で。
メーカーで修理できるってことは
街なかの修理屋でも99%廉価で
できます。
それにひきかえ。
・クラークスのハイテクモデル
・ロックポート
あたりは、アフターケアやってません。
3万でも5万でも、1か月で壊れたら終了。
近づかないのが賢明。
婦人靴も一緒ですけどね。
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【今日のおすすめの1足】
こんなぴえんもしくはぱおんな日々を
支えてくれてる足どりが軽い靴。
アグ CA805ジップトレーナー。
16,500円。
高え!
お勧めするんじゃなかったかも・・。
寸足らずなとこがホントにいい!
で、
ソールは(たぶん)ホカオネといっしょ。
とどめに紐なしのセンタージップときた。
これ、数か月前にとった動画ですが、
当時1万ちょいで買ったやつが
今2万オーバーですからねーーーーー。
私の目は・・・正しかった。偶然かもしれんけど。
まー。
もー。
ラク。
でも、正直この時のカラーリングが
最高でしたなあ。
うははははははは。
・・・・・・・・・・・・・・
それではまた明日!