毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

800 靴は命そのものでしょ【前】

 

かなり怒ってます。

 

こんばんわ

こまつ@shoes_komatsuです。

 

革靴でもスニーカーでも

「買って終了」の人が多すぎる!

 

どっちかっていうとスニーカーはまだマシで

革靴よ。

 

週一くらいで

「まったくメンテされてない高級革靴」が

リペアに来るんだけど、

まじでなに考えてんの?

 

〇何も考えてないんでしょうね。

 

まず写真みてください。

 

ケース①

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靴オタが見れば

一発でわかるでしょうが

とある高級靴メーカーのやつ。

 

今8万円くらいで

革底です。

 

いやもう・・・

どこから突っこんでいいか・・。

頭痛が痛い。

 

丁寧にお客さんにヒアリングしたところで

私の血圧は200を越えました。

 

・そもそもシューツリーを入れてない

・買って半年で底に穴があいた

・雨の日に履いたらなんかシワシワになった

 

とのこと・・・・・。

 

ふ────────────。

 

「でもどうしても履きたい」

とおっしゃるので

正直に値段言いました。

 

・オールソール→15000円

・銀浮き+塩吹き除去→8000円

・シューツリー→6000円

 

足すと税込みで約32000円。

 

最終的にはこちらのお客さん、

・オールソール→15000円

・銀浮き+塩吹き除去→8000円

はやることになりました。

 

でもツリーは買わなかった。

 

ごめんねきつい言葉で。

ダメじゃん。

 

マスク越しできっつい呼吸の中

かぎりなくわかりやすく伝えましたよ

シューツリーの必然性を。

 

結果買わなかった・・・・。

 

これは私の負けでもあります。

正直凹んでます今。

 

たとえば。

あなたの背骨が折れてるとします。

まわりの筋肉や皮膚は完璧にもどります。

 

でも背骨が折れたまんまじゃ

1日たりとて過ごせないでしょう?

比喩でもなんでもなく

おなじことなんですよ。

 

私の血管が切れる前に

再三再四言ってるけど

ツリーがなきゃ靴は死ぬからね(怒)?

 

続けます。

 

ケース②

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わかりやすいように

オリジナルにちかい画像がこちら。

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同じメーカーで同じ色。

デザインだけちょっとちがう。

 

しかし・・・

しかしだ・・・・・。

これはないだろう?

 

はい。

ちゃんとヒアリングしました。

こ「普段はどういったお手入れを?」

男「わからなかったんで何もしていません」

 

わかる。

 

これはなかなかですよ。

「うす茶」は思ってる以上に

ハードルが高いです。

 

こちらの方はオールソールこみなので

たぶん磨くのは2週間あとですね。

淡々と書きますが

 

・リムーバーで汚れをざっくり落とし

・ピンポイントの汚れは防水スプレーで拭き取り

・クレムで仕上げる

 

これで生き返りますよ。

確実に。

 

 

〇傷はつくのがあたりまえ

 

俺はなにを書いてるんだ?

大丈夫か?

靴って・・・履くと傷はつきますよね??

 

「じゃない」かたもゴロゴロいますw

車の板金みたいに

「完全にもとに戻る」って信者が

多少いらっしゃいます。

 

ふ────────────。

 

んなわけないじゃん。

 

くさい言葉ですが

傷跡って味じゃん?

靴なら。

 

傷だらけの靴をメンテするときって

めちゃくちゃ興奮しますよ。

 

その人の・・・

なんんていうか・・生活が

垣間見えますからね。

 

ビルケンにはいろいろ

言いたいことはあるが

磨きのオファーが来たらやります。

 

たとえばこんなふうに。

 

ビフォー:

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アフター:

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ビフォーアフター

ビルケンは楽勝です。

 

そういえば

ビルケン磨きめちゃくちゃ多いな。

これネタでとっとこう。

 

革は死んでるんだけど

私の感覚から言えば

全然ナマモノです。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

明日に続きます。