毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

349 超☆絶・革靴マニア向け。裏革の話。

 

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(ヤギ革)

マイベストはキャンバス。

 

こんばんわコマツです。

 

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きょうは

完全に革靴マニアの話なので、

「しまった」

と思ったら【今日のおすすめの1足】まで

スクロールしちゃってください。

 

それにしても、

裏の革って日陰の存在ですよ。

女優さんだと・・

黒木華・・・?

 

好き。

 

裏の革、

英語だとライニングとかいいますね。

 

表の革はちやほやされすぎ。

カーフだー

キップだー

コードバンだー

コードバンが減ってきたから

クロムエクセルだー

ロシアンカーフだー

 

わかるけどさ。 

丈夫ならいいじゃん。

 

・・忘れられない思い出があります。

 

本場イギリスで、靴の勉強してた時代。

学校終わったあとも、やっぱり

今と変わらず(・・・うわあ・・・)

毎日靴屋のぞくんですよ。

 

当時は

「カーフとキップ、見極めなきゃ」とか

青臭いこと考えてたんで、

わからない時は

「これは何の革ですか?」って

地道に聞いてまわってたんです。

つど、

「カーフ!」

「ベビーカーフ!」

「はは・・ブルだよ」とか

靴屋で教えてもらってたんですが、

とある庶民的な靴屋

バイトっぽいおねーさんに

「これは何の革ですか?」って聞いたら、

3秒くらい間をおいて、

「・・・牛!」

って答えられたのが

なんかある意味

「正解じゃん」って思います。

 

さあ、

どんどん脱線していきますよ。

なんかいろいろ思い出してきちゃった。

 

ジョンロブ。

アポなしランチタイムに

ぽつんと店番してた

ジョン・ハンター・ロブさんに

個人ツアーしてもらったとき

(ブログ145・・うまくコピペできない。

冒頭タグの「ジョンロブ」を

タップして、出てくるから)

「アッパーの革は!

どこで!

手に入れてるんですか?」

って聞いたら(1999年)、

ハンターさんいわく、

 

「だいたいは決めてるけど・・・

偵察部隊があって(笑)、

いろんな革屋見てまわるんだよー。

宝物がどこに隠れてるかわからないからねー。

もちろん、

エドワード)グリーンにも

お互い情報共有してるよ

って言ってたのを

今思い出した・・・・。

情報共有してんのかい!

怖すぎるわその偵察部隊。

 

でも、ライニングは

「絶対この業者」って決めてました。

(今はどうかわかりませんが)

 

・・・脱線終了。

 

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んなことより、

はいてる革靴の裏の革、

わかってます?

 

リーガルなんとかコレクションみたいに、

「アッパーが牛革なのに

裏革が合皮」

なんて最悪ですよ。

蒸れるし、劣化するし。

 

裏の革は値段順に

 

・合皮

・豚

・キャンバス(意外と高い!)

・親牛

・馬

・子牛(主にバングラ産)

・ヤギ

・子牛でアッパーのクズ革

 

みたいな感じです。

 

銀座ヨシノヤは

「馬」

(浅草用語では「バ」)

が好きですね。

切断面がキレイですから。

 

ロブとかガジアーノまでいくと

容赦なく裏にも子牛使ってます。

もう手触りがシルク。

で、なにげに丈夫。

 

ヤギは最近めっきり減りましたね。

フェラガモとかが使ってますか。

ぱりっとした独特の感触と

いい感じの高級感。

 

豚革が意外に

虐げられれてる感がありますが、

ニューバランスの3万円台とか

エルメスなんかのハイエンドブランドの

レザースニーカーに

きちっと使われてます。

やわらくて伸びやすいので。

そしてこれも丈夫。

私の履いてる12年くらいのNB576も

一向にカカトの内側、

破れる気配がありません。

 

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裏革の役目は

「コスト」

「見た目」

「機能」

です。

 

ぶっちゃけ見た目なら

メーカーからすると

合皮がベスト。

コストも一桁ちがいますし。

品質はとびぬけてワーストですから

絶対買わない方がいいですが。

 

裏革の「機能」とは。

はて?

通気性うんぬんいう人いますけど、

合皮以外

全部同じ気がする(笑)。

 

蒸れる人は蒸れるっしょ。

そういう人は、

麻混合のソックスでぜんぶ解決します。

履いてみな、トブぜ。

 

レディース:

 

 

 

 野郎:

 

 

 

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個人的には・・・

「裏革なし」が好きです。

私も何足かオーダーメードで

靴、つくりましたが、

全部シカの革で、

アンライニング(裏革なし)。

 

だって・・・・

ここまできていうのもなんだけど、

なんのための裏革?

いらなくない?

 

わかるわかるわかる。

どうどうどうどう。

 

うん、ライニングないと、

月型も先芯も入れないもんね。

・・・それ、必要?

 

わかるわかるわかる。

どうどうどうどう。

 

形崩れるし、

見た目がなんせ悪いもんね。

工業製品としては

大量生産がほぼ不可能だし。

 

じゃあ

スニーカー履けばよくねえ?

わかるわかるわかる。

どうどうどうどう。

 

なのでマイベストは

腰まわりがアンライニングで

甲はキャンバス。

もしくはナシ。

 

以上!

 

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【今日のおすすめの1足】

 

デサント

「デルタトライ」。

 

ユニセックス

 

14612円。

 

 

[DESCENTE]デサントトライアスロンシューズDELTA TRI OP(DN1PGF00BK)ブラック

 

「不快をいかに出さないか」

が、

この靴のテーマです。

 

おおおおおおお・・・・。

 

本来はトライアスロン用ですが

(ベロの穴は脱着を1秒でも

縮めるため)、

普通にビジカジ用で

めっちゃよくないですか?

 

これもオンクラウド同様

「ウィズなし」です。

いい感じのタイト。

 

一応靴紐は通ってますが、

なんせトライアスロン用なので、

基本

ベロとカカトのストラップで

強引に「ずぼっ」と履ける設計。

 

いいじゃないか・・・・!

 

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それではまた明日!