※今回の元ネタ、
「わたしの図書館」のNAZさんの
オマージュです。
お世辞抜きで森林浴のように
「すかっ」とするから
みんな読んでね。
すごいよ・・・・。
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こんばんわ。
元・靴設計士 兼
現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼
靴マニアのコマツです。
唐突ですが、私は
そもそも接客が大嫌いです。
めんどくさい。
性格的にどうにもならない。
時間のムダ。
なので、
靴修理の現場だと、
先輩だろうが後輩だろうが
接客(受付と引き渡し)は無言のうちに
他人におしつけます。
私は作業のマシーンと化して
後方でほぼ1日を終えます。
毎日ブログを書いたあとに
コンビニの赤ワインを1本飲んでるおかげか
視力だけはいいので(裸眼2.0)、
現場でも受付で
出された靴は確実に見てます。
耳はヒマです。
この前はワイヤレスでクラブハウスを
聞いていて、後輩に怒られました。
でもぶっちゃけ作業側にいた方が、
集中して
「靴のこわれ方」とか
「メーカーごとのクオリティ」とか
「歩き方」がわかりやすくて
たいへん良い。
適材適所。
で、じっくり観察して
「むむむむむ?」
という靴の時だけ、
突然うしろから現れます。
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「むむむむむ?」と思う靴とは、
①超いい靴なのにこんな安直なリペアでいいの?
か、
②シューフィッター×修理人の立場から、
「この人、足ヤバいんじゃないか」
とピキーンときた時。
こういう時は自分なりのポリシーとして
あえて接客します。
でも、後悔することが多々
あるんですよねえ・・・。
こんなセリフをいわれた時。
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パターン①
「いや、もうボロだから
捨てるし、いいんだよ!」
えっ?
じゃあなんで修理屋に来たの?
たとえば、
リーガルの本格グッドイヤーを持ってきて
(底に穴があいてる状態)
「何時間で直る⁉」ってのを聞いた時。
ずいずいっと前に出て、
受付に目配せして、接客します。
「1週間頂ければ、新品より丈夫に直せます。
費用は18000円。
これであと15年は履けま・・・・」
と言いかけたところに
かぶせるように
「いや、もうボロだから
捨てるしいいんだよ!」
・・・「かしこまりました。」
といってすごすご下がります(笑)。
で、最低価格のハーフソールと
最低価格のラバーヒールで直します。
・・・殺意とともにね・・・。
ボロじゃない、みがいてないだけ。
履きジワの加減からも、
ようやくフィットしてきたことは明白。
牛さんがかわいそう。
ぴえん。
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パターン②
「履ければいいから」
これも多いですねー。
ジュゼッペザノッティとか
マノロとかの
「ヒールの巻き革ががっつりえぐれた」
女性陣に多い。
ヒール、細いでしょ。
ゴムも速攻で減る。
そもそも「歩く」靴じゃないので
(「魅せる」靴なので)
ヒールの巻き革も
ハイヒールの歩き方を知らないと
2~3回でこうなります。
「履ければいいから」
といわれて、
反射的に思うんですが・・・
「じゃ、そのまま履いたら?」
(口には出しませんが・・・)
あれ?
なんかまちがえてます?
まー・・・
結局は5000円で巻き革の交換して、
(クソめんどくさい)
せっかく直しても
また3日後にはボロボロにして
持ってくるんですよねーー。
いいけどさ。
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パターン③
「よそではもっと安かったわよ⁉」
ほうほうほう。
そんなこともあるでしょう。
じゃあよそに持ってけや。
で。
だいたい次のセリフはこう。
「百貨店だからって高いの⁉」
えっ・・・そうじゃない?
(ホントは、チェーン店なので
全国一律ですが)
こういう時も、
私がうしろから
すーっと無言で出ていきます。
ひとこと。
「ショバ代です」
感情ナシ。0%。
・・・ガチで話盛ってませんが、
このひとことでトラブったことが
この十数年ありません。
ただ、コツがあります。
相手の眼を
「ドラム缶でもみるかのように」
見ること。
元ネタはこれ(照)。
20代のころハマった、
ハードボイルド小説の
北方謙三の名作。
「檻」。
仕事ってつまらないんですよ。
ならぎりぎりの線で
遊べばいいんです。
このワザ、
後輩にも脈々と引き継がれてます(笑)。
「ドラム缶ってなんすか?」
っていう平成世代には、
「ストロングゼロの空き缶だと思え」
で
なんとなく通じます(笑)。
本編終了!
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【今日のおすすめの1足】
アディダス ファルコン。
7690円~
レディースサイズのみ。
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(どちらも先行予約品です。)
黒は3月4日~発売。
レインボーは3月14日~発売。
強いですね。
アディダス・ファルコン。
きのう紹介したムーンスターの
元ネタはこれだと思います。
3本線がないだけで
こんなに汎用性と
高級感がでるのか・・・・。
ファッションの話はいいや。
完全割愛。野暮。以上。
機能面の裏方がいい仕事してます。
「トルション・システム」とかいいますが、
このまんなかの白いバッテン。
これ、
革靴でいう「シャンク」です。
サルバトーレ・フェラガモが
発明した説が強いですが、
「よく考えた!」と
目からウロコの賜物なんです。
「たった1本の鉄芯」
もしくは
「プラスチックの芯」で、
カカトで踏み込んで→その力を
テコの原理で推進力に利用する。
ドえらい発見なんです。
種明かしは簡単。
ただ、この原理は
スニーカーにも容易に応用できます。
それがトルションシステム。
バネですよ。バネ。
90年代当時、陸上やってた私も
アディダスのトルション、
アシックスのターサー、
ランバード(現ミズノ)の
スーパーアスリートには
ずいぶんお世話になりました。
なんでこんなにバネがきくか
当時はわからなかった。
ターサーなんかは今でもガンガンに
つかってますね。
理屈はいいや。
とにかく履いてみて!
売れてる理由に理屈はいらない。
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それではまた明日!