毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

177 「シダス(SIDAS)」。インソール界の絶対王者。高いけど圧倒的に良い。

「シダス」、知ってる人はガチンコで知ってるんですよね。

販売してるこっちが勉強になるくらい。

仕事をリタイアされた方々も意外とご存知のかた、多いです。

(80年代まではコンフォマーブルという名前でした)

・・・・・・・・・・・・

こんにちは。

靴修理人 兼 シュフィッター 兼 靴マニアのコマツです。

修理もやってるんですが、

インソールも店頭で売ってます。

いろんな会社の、いろんなインソールを。

スポーツよりのソルボ(990円)から、

使い捨てのアシート、

ビジネスよりのクラブ・ヴィンテージまで。

これはクラブ・ヴィンテージの羊革タイプ。

1800円。安定して売れてます。

めちゃめちゃ汗吸うんです。

   クラブヴィンテージ CLUB VINTAGE COMFORT プレジデント メンズサイズ 楽天で購入

脱いだ時の見栄えもいいし。

しかし。

同じくクラブ・ヴィンテージの立体タイプ。

3,300円。

これはあんまり売れない・・。

アーチがついてラクに見えますが、

とにかく硬いんです。

あと、かなり厚みがあるので

てきめんにサイズがきつくなるし、

「カカトが浅くなる」ので、脱げやすくなります。

つけ加えると、

羊革は汗を吸う反面、

自らを犠牲にするので、意外と寿命が短い。

持つ人で半年。

早い人なら1か月おきに買い替えます。

足の蒸れがイヤな人なら

コスパ的には圧倒的にアシートの方がいいんですが、

(10足入りで1000円弱。ネットだともっと安い)

アシート に対する画像結果
   アシートコバシ アシート Oタイプ 男性用26cm 楽天で購入

見栄えとかもあるので、好き好きですよね。

・・・・・・・・・・・

さ、本題いきますか。

フランスのメーカーで、「シダス」ってのがあります。

外人さんの発音だと、「サイダス」ですね。

いろんな種類ありますが

写真のモデルで・・・

店頭だと¥8,000~(!)

8千円あったら、あんなことやこんなこと、

えっ・・・!そんなことまで

って出来る金額ですよね。

池袋の風俗を連想した方は反省しなさい。

靴1足買える値段です。

それがほぼ毎日最低1個は売れてます。

あ、ちなみに会社からのノルマはありません。

購入されるかたも

お金があるかどうかは関係ありません。

就活中の5000円くらいの靴に「カード3回払いで」

って感じで買われる若い人もいます。

まさに履く「ドラッグ」。

ただし、副作用はありませんので、ご安心ください。

(シダスのHPで取扱い店舗がわかりますが、

http://sidas.co.jp/shop/

機材が揃ってるとこだと15分くらいで

これを変形させてオーダーメイドにすることも可能。

相場は15,000円くらいです)

・・・高い。

値段の理由はひとこと。

「足の裏と、関節の痛みに最速で効くから」です。

ただ、値段のわりに実際売れていて、

単純計算で年600ペア売ってますが、

返品の確率も極端に少なく、1年に1~2回くらいです。

あとでしっかり解説します。

・・・・・・・・・・・・

私は靴修理やりながらも、10年選手の

シューフィッターでもあるので、

靴のダメージからその方の足の状態がみえます。

これはガチです。

具体的にいうと、

「カカトがノミで削り落としたように削れてる」

=確実に前傾姿勢。ヒザ開いてる。

カカトとその靴のカカトのボリュームが合ってない。

「新しい靴なのに、不自然なまでに母指球が削れてる」

=外反拇指もしくは内反小指。

みたいな感じですね。

痛みってガマンできないので、

修理ついでに足の痛みの相談もけっこうあります。

「足癖が悪くて、いっつもこんなに減っちゃうんだよね~」

と自己申告されるかたもかなりいます。

で、まるっと解決するのが8,000円オーバーの

シダスなんです。

値段も値段なんで、フェアに

メリット・デメリットを言いましょう。

・・・・・・・・・・・

まずはデメリットから。

1.値段。

そりゃそうです。これをさくっと買う方は病んでます。

(あとから値段の理由いいます。)

2.どんな靴にも合うわけじゃない。

そんなインソールはこの世に存在しません。

特に6センチ以上のヒールにはムリです。

10万円インソールのLOFEだって

「合わない靴もあります」って保険かけてますから。

3.色。 

今のところ黒のみ。ダサい。

以上。

じゃ、メリットいきますか。

・・・・・・・・・・・

1.足が痛い人にはほとんどドラッグ。

特に外反母趾のかた。もしくはなりかけのかた。

外反母趾そのものは、見た目は別として

痛くなければそんなに重大なものではありません。

ただ。

それに伴う「前傾姿勢」によって、

ヒザと腰がやられます。

まっすぐな関節に対して、

立ってる間、ずーーーーーっと

「ナナメの力」がかかるわけですから。

まして痛みのもとは神経。

コンマ何ミリでも痛みはごまかせないんです。

ただ、逆に言えば・・・・?

コンマ何ミリ修正すれば痛みはウソのように消えます。

なんでシダスが高いかっていうと、

裏に絶妙に計算されたカーボンがついてるからです。

カーボンの力で、なにも意識しなくても

勝手に前傾姿勢が修正されます。

コマツも、値段が値段だけに

押し売りは絶対しません。

売り上げには大いに貢献しますが、

自分で真剣に考えて、

「この人に履かせればラクになる」っていう人だけに

サンプルを試してもらってます。

で、たいていの方はびっくりしたあと、

値段を聞いてもう一度びっくりして、

それでもなお買います。

「履くドラッグ」とはまさにこのこと。

2.きつくならない

インソールを入れる=きつくなる

という常識をひっくり返したのが

シダスの「シティ+」シリーズです。

カーボン部(カカト~土踏まず)で1.8ミリ。

パスモ2枚分。

つま先の厚みは公式発表だと1.8ミリなんですが

体感的には1ミリ弱の薄さです。

ほとんどの人は、きつくなったことすら全く感じません。

3.使いまわしできる

カップインソールなので。

4.耐久性・吸水性がなんかすごい

表面に使われてる素材は合皮ですが、

コマツの人脈を駆使して調べたところ

天然革より全然高い素材でした。

合皮の商品名までは言えませんが、ヴィトンの

モノグラムシリーズと同等のレベルとだけ言っときます。

企業秘密なんでしょうが、蒸れません。

「蒸れづらい」じゃなくて

「蒸れない」んです。

メンテしなくても毎日使ったとして、

ファブリーズでもかけとけば

4年くらい普通にもちます。

・・・・・・・・・・・

紹介はこのへんにしときましょう。

ただ、デメリットになっちゃいますが

上で紹介したのは商品名だと

 

「シダス シティ レディ+」

の話です。

公式HP貼っときますが、ここからは

このふたつは買えません。

https://sidas.co.jp/

楽天で買えます。

   シダス【SIDAS】レディース シティプラス レディ 3102021 1605 CITY+ LADY インソール 中敷き ウォーキング シューズアクセサリー 靴 女性 ウィメンズ 楽天で購入

店頭より圧倒的に安い5,702円。

大事なこと書きます。

商品名は「レディ」と名前がついてますが

フランスの「レディ」=標準サイズが26㎝なので

日本男児、革靴でアンダー27㎝ならMサイズで全然大丈夫です。

女性なら、23㎝なら「XS」でもやや大きいかも。

問題ありません。

先端は100均のハサミで簡単に切れますから。

さくっと足、ラクにしていきましょう。

それではまた明日!