シューフィッターこまつ@毎日靴ブログ

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

1568 靴学校でなにしてたの

 

おつかれさまです

こまつ@shoes_komatsuです。

 

まあまあどうでもいい話です。

 

たまにお客様に聞かれるんですが

「イギリスで何をされてたんですか?」

という質問にお答えします。

 

基本ビール飲んでましたが

靴学校にも通ってました。

1999年~2000年の約1年間です。

 

「靴学校って何?靴職人になるため?」

ともよく聞かれますが、

別に職人になっても、ならなくてもいいです。

 

私は職人を目指していたわけでもなく

学校に通いながら決めよう、と

かなり呑気に考えていました。

 

ただ、靴のことを教えてくれる場所って

なかなかないんです。

メーカーではそんな余裕もないし

職人さんに弟子入りを志願しても

ある程度下地ができてないと無理でしょう。

 

で、靴学校。

 

あれだ・・車の教習所に一番近いです。

 

座学と実践が半々。

靴学校の場合はたいていのところは

目指す道によってカリキュラムが選べますが

基礎を習うところは同じ。

 

一度もミシンを踏んだことがないとか、

革を切ったことがないとか、

靴の作り方のイメージがわかないって方は

最短距離が靴学校です。

 

・・・

 

「靴=イタリアですよね。

なんでイギリスだったんですか?」

的なことも聞かれますが、

当時は一番安かったから。

 

意外かもしれませんが、国内より

安かったんです。

 

ただし、私が通っていたノーサンプトンの学校は

今はないっぽいですね・・。

学校はありますが

靴コースが消えてます。

 

イタリアはどちらかというと

婦人靴が強いですね。

マノロ・ブラニクもジミー・チュウも

イギリスのブランドですが

生産はイタリアの工場です。

 

日本だと浅草の「台東分校」が有名ですが

1999年当時の入学の倍率がめちゃくちゃに高く

あきらめました。

今ではそこまででもないはずです。

 

靴学校で有名どころだと

・ARS(イタリア)

・コードウェイナーズ(英)

・セント・マーチン(英)

ですが、お値段・・・・。

 

ということで、今はないっぽい

(あったらすみません)

トレシャム・インスティチュートの

「フットウェア・コース」の外国人枠に

潜り込みました。

 

午前中が座学で、午後から実践。

 

一番初めは・・なんだったっけ・・

たしか型紙です。

プレーンパンプスから。

 

理論を学び、作図して、即実践です。

はじめは革がもったいないので

合皮を使いました。

 

全然形にならん・・・・笑

 

回数をこなせばだれでもできるんですが

ここでイヤになる人たち

まあまあ多かったです。

 

そのうち革を触らせてくれるようになり、

(各メーカーの廃棄前の革でした)

裁断、製甲(縫製)、底付けまで

まんべんなく習いました。

 

先生も各過程でバラバラ。

その道の元プロです。

 

生徒によっては必要なカリキュラムだけ学んで

去る方も多く、というかそっちの方が多く、

フルに1年は少数派。

 

入学式も卒業式もなく

めっちゃドライで好きでした。

 

・・・

 

私は在学中から

(俺は靴職人向きではないな・・)と

うすうす気づいてたんで

マシーンメイキングに打ち込んで

習いましたが、人によっては

昼は靴学校、夜とか週末に

地元の職人さんのところで習って

その後各国で靴職人になられた方も多い。

 

尊敬しかありません。

 

私はマシーンで

「ガシャーン!ダダダダダダ!」って

一気に作り上げる魅力にハマりました。

 

革の裁断機とか面白いんですよ。

 

ナイフ(日本だと革包丁かカッター)で

1足1足切り抜いて

パーフォレーション(親子穴)を

丁寧に開けていくのが醍醐味ですが、

マシーンだと1秒。

 

そのかわり油断すると

指の1本や2本は簡単に吹っ飛んでいきますが

あの独特の緊張感はたまらんすね。

 

底付けのマシーンも

ひとつひとつがバカでかく

音もうるさく、その分パワーもあって

愛らしかったです。

 

そういえばフィッティングの授業は

一回もありませんでした。

リペアもありませんでしたね。

 

帰国してからこのへんで

苦労することになるんですが、

それはまた別の機会に。

 

最近の読者さんから

「どこの靴学校がおすすめですか」的なことを

たまに聞かれますが、正直予算です。

 

海外だとイギリスなのかイタリアなのか

ドイツにもあるはずですが

かなり方向性が限定されて予算もすごいので

全国に無数にある「靴教室」で軽く慣らしてから

考えるのがベストかと。

 

 

本題終了!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【今日のおすすめの1足】

 

そんな靴学校のほとんどの生徒は

じつはこのメーカーの即戦力でした。

 

ドクターマーチン「TATE」。

22000円。

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厚底サンダルは疲れるんですが

マーチンなら超厚底じゃなければ安心。

 

はじめて私が買ったマーチンも

そういえばサンダルでした。

地味にサンダルも得意なんですよね

ここのメーカー。

 

まだマーチンが工場の大半を

アジアに移転する前

トレシャム=マーチンの労働力の

即戦力生産地点でした。

 

どっちをみてもタトゥーだらけ。

いかついおにーさんやおねーさんが

正直だるそうにミシンの練習をしていました。

 

なのにティータイムだけは絶対に確保して

コーヒーではなく

紙コップに入ったミルクティー。

 

懐かしいですね・・。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

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20日()新宿

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それではまた明日!