シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ

靴選び・歩行を専門にするシューフィッター。 市販の靴・スニーカーを中心に、 「履き心地」「耐久性」「体への影響」を 現場と実体験ベースで解説しています。 売り場や広告では語られにくい視点が強みです。 対応内容 ・靴・インソールの個別相談 ・買い物同行(アテンド) ・記事/動画での製品解説・監修 ・メディア取材、コメント提供 靴選びで失敗したくない方、 表向きの説明に違和感がある方に向いています。 ご相談・ご依頼は HPよりご連絡ください。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

2289「2万人の足を見てきた」の中身を一度ちゃんと書いておきます

よく聞かれるので、一度だけきちんと書いておきます。


「2万人の足を見てきた」と書くと、

どういう意味ですか?と聞かれることがあるので

一度きちんと整理しておきます。

 

結論から言うと、この数字は

これまでの現場での積み重ねです。

 

ただし、1人に1時間かけて2万人、

という話ではありません。

靴修理の現場での微調整や

相談対応も含めた数です。

 

・・

シューフィッターになって、

もうすぐ15年になります。

資格を取ったのは2011年。

当時は靴修理の現場にいました。

 

この「2万人」のうち、

おそらく8割くらいは

その修理時代のものです。

 

シューフィッターと靴修理を並行していた期間は

約11年。

当時はまだ革靴やパンプスの需要も多く、

修理の持ち込みもかなり多い時期でした。

 

平日でも数十件、土日はそれ以上、

という日も珍しくありませんでした。

 

靴修理というと「直す仕事」の

イメージが強いですが、

実際には「履ける状態に戻す」ことが

ゴールです。

 

そのため、

・幅を伸ばす

・インソールできつさを調整する

(ここまでは一般的なメニュー)

だけじゃなく・・

 

・当たる部分をピンポイントで処理する

・革やメッシュでアッパーの隙間を埋める

・履きグセを見て加工する

といったフィッティングに近い作業も

日常的に行っていました。

 

さらに

・インソールを削って調整する

・縫いをほどいて数ミリ単位で調整する

・パーツを作り直す

・ヒールのバランスを調整する

といった作業も含めて、

「足のトラブルを解決する」ための仕事でした。

 

こうした対応を、1日に複数件。

忙しい日には10件以上行うこともありました。

「靴が痛いんです」という声を聞いたら

嬉々として対応しました。

 

当時は収入的にも厳しかったため、

休日の一部は別の修理店で働いていました。

靴修理のバイトです。

 

そこでも同じように

修理に加えて足や履き方の確認・調整を

行っていました。

 

メニューとして料金をいただくケースもありましたが

実際にはサービスで対応することも多く、

記録に残っていない対応もかなりあります。

 

「修理屋で足を見てもらったのは初めてです」と

言われることも多かったのを覚えています。

 

こうした日々の積み重ねをざっくり計算すると

年間約200日+バイト分30日

=年間230日

 

1日あたり平均して約8件対応したとして

230日 × 8件 × 約11年 = 約2万件。

もちろん正確にすべて記録しているわけではないので、

あくまで現場ベースの概算です。

 

シューフィッターになる以前の

トラブル対応はフェアじゃないので

一切カウントしていません。

 

・・

その後フリーランスになってからも、

フィッティングや相談対応を続けているので

さらに数千件は上乗せされています。

 

この数字は、特別なことをした結果というよりも

「修理の現場で、

目の前の靴と足に向き合い続けた結果」

だと思っています。

 

販売の現場とは違い、

修理は「すでに困っている状態」から

スタートする仕事です。

 

だからこそ自然と、

足や履き方に深く関わる機会が

多かったのかもしれません。

 

というわけで、

「2万人の足を見てきた」というのは

そういった現場の積み重ねから来ている数字です。

今後も変わらず、

目の前の1足・1人に向き合っていきます。

 

・・・・・・・・・・・

それではまた明日!