おつかれさまです
シューフィッター「こまつ」あらため
シューフィッター佐藤靖青です。
このブログはアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。
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革について。
この靴は「本革だからいい」とか
よく聞きません?
個人的には「本革」という雑な表現は嫌いです。
ここに5万円の革靴と
1万円のナイキのバッシュと
4千円のGUの革靴があるじゃろ。
たしかに全部「本革」ではありますが
全部ちがいます。
おなじ漢字2文字って、雑過ぎる。
革ってグレードが200種類あんねん!
ひどい言い方ですが
本当に「クズみたいな革」もあります。
きつい表現ですが理由があるので
あとで説明しますね。
要は「本革=いい!」わけではないということ。
教科書では教わりませんので
軽く読んでくださいませ。
・高級革
・高級じゃないふつうの革
・クズ革
の3種類にわけて解説します。
・・
①高級革
これがたぶん庶民のみなさん(私もだ)が
ほわんとイメージする「本革」でしょう。
靴の値段でいえば、3万円以上。
1万、2万円台では、どんな有名ブランドでも
そこまでの高級革は使えません。
一番流通してるのは「赤ちゃん牛~子牛」の
革です。
カーフ、キップとか呼ばれてたら
まちがいなく高級革と考えてOK。
こんな見た目です。
革の肌目がめちゃくちゃ細かく、
エロいツヤがあるでしょう?
生後6か月前後の子牛の革です。
ちなみに靴はこちら。
リーガルのなかでもトップブランドのひとつ、
「シェットランドフォックス」。
ネットでは45,000円ですが
定価は8万円前後。
【OFF PRICE】【国内正規品】SHETLANDFOX シェットランドフォックス ドレイトン ストレートチップ 546F SF
子牛の革って、実はメンテはラクで丈夫です。
メンテを怠らなければ
10年くらいは余裕で持ちます。
メンテは磨き屋さんに丸投げでOK。
革靴ではよく使いますが、
スニーカーで子牛の革は
まず使いません。
ナイキとかアシックスでは皆無、
あえてスニーカーで高級革使ってるのは
フェラガモとかベルルッティが「遊び心で」
つくってるラインでしょう。


8万と10万、みればわかる高級感です。
高級かどうか、ってのは
「見てわかる」って重要ですね。
子牛だけじゃなくイノシシとか熊とかの
ジビエレザーも高級革ですが、
やはり見たら一瞬で「高級!」ってわかります。
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②高級「じゃない」革。
ぶっちゃけで言えば
「合皮かどうかわからない」革。
ただし丈夫です!
レザースニーカー・
お手頃な革靴がだいたいこれ。
わかりやすいのがエアジョーダンです。
8割くらいが牛革(生後2年以上)なんですが
実は合皮も混じってます。
どこが革で、どこが合皮かわかりますか?
写真だけじゃなく、手に取っても
なかなかわからないんですが・・
合皮はこの部分。


ナイキのスウォッシュラインと
足首周りのパッド(赤い部分)。
ここ、昔から合皮です。
高級じゃない革=大人の牛の革が代表ですが
だからといって価値がないわけではありません。
とにかく丈夫なんです。
手入れも簡単で、私はエアフォース履いてますが
最近は消毒用のアルコールを布にとって
ごしごしこすって終了。
今のバッシュは軽さ=正義なので
100%合皮・樹脂・メッシュがほとんどですが
80~90年代はまだまだ革じゃないと
はげしい試合には耐えられませんでした。
もうひとつ。
上から
テクシー、卑弥呼、GU。
どれも「大人牛の革」です。
言い方悪いんですが、なんとなく
「ペンキで塗った感」があるでしょう?
合皮と見分けがつかないでしょう?
大人牛の革って、安いんですが
(とはいえすさまじく高騰中ですが・・)
肌目が粗い・キズが多いということで
ほとんどが表面に顔料を塗られます。
厚化粧ということですね。
なかなかクリームが入りづらいのと
どうしても安っぽさがぬぐえないのが
難点ですが、でかいメリットは
やっぱり丈夫。
仮に色ががっつり抜けても
プロの靴磨き・靴クリーニングに頼むと
本体のベースに穴が開くレベルじゃなければ
復活します。
ただこのレベルだと
「革だから足になじみやすいか」
と聞かれると、
ぶっちゃけめちゃくちゃ差があります。
しかし判別は簡単で、触った瞬間に
なんとなくソフトと感じれば
意外にすぐ足になじんで、その状態が続きます。
「硬!」と感じたら要注意。
うっすーくスライスしたバラ肉のような本体に
顔料てんこ盛りの革の可能性大。
革でも全然なじまないのはこのあたり。
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③クズ革
名前の通り、裁断した革のクズを
ミキサーにかけて粉にして
樹脂で固めたものがクズ革です。
革とよぶのもおこがましい。
再生革・リサイクルレザー・エコレザー・
アクションレザーという名前ですが
国内で「レザー」「革」と名乗っての販売は
JISでかなり前から禁止されてます。
赤信号を余裕で渡るような、
オンラインカジノみたいに
「グレーだと思った」みたいな感覚で
レザーと名乗ってる商品が多い。
グレーじゃねえ!
真っ黒なんだよ今!
どこの商品とは書きませんが
たぶん誰でも一度は聞いたことがあるブランド。
素材説明をコピペしますね。
革の端材を使うんだから、エコじゃんと
一瞬思うじゃないですか。
逆です!
リサイクルレザー、再生革は
数年で加水分解します。
Xのポストより引用。
こんなふうに加水分解するじゃないですか。
捨てるじゃないですか。
燃やす/埋め立てるじゃないですか。
そっちの方がよっぽど石油使うし
革をつくるよりコストもかかるし
全然環境によくないんすよ。
まさにクズ革なんです。
・なじまない
・クリーム入らない、補色もできない
・風合いが出るわけがない
革のよさはひとつも残りません。
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ざっくり革を3種類に分けました。
最後のクズ革とか、意外とレビューで
「本革に負けない見た目」
「原料が革なので、もはや本革」
とか書かれてたりしますが
最下級レベルの合皮の品質です。
合皮もいいんですよ。
私は財布とか名刺入れなんかは
1年に1回取り替えるルーティンなんで
ハイテク合皮の製品を使ってます。
靴・サンダルとかのハイテク合皮は
ニューバランスでもビルケンでも使ってますが
めっっっっちゃ長持ちしました。
超高級腕時計のバンドにも使われてますよね。
ただ手軽に手に入るものなら
革がいいですね。靴はなおさら。
「革だからなんかめんどくさい」は
だいぶ誤解です。
よい革ライフを。
本題終了。
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【今日のおすすめの1足】
徹頭徹尾、革!
アディダス「スタンスミス・LUX」。
19,800円。
アディダス スタンスミス レザー 天然皮革 adidas STANSMITH LUX メンズ レディース スタンスミスLUX
今でも仕様がかわってなければ
ソール以外、全部革ですし
革のクオリティも高い。
限りなくキップに近いレベルで、
この革で革靴をつくったら
たぶん2~3万円のクラスになるのでは。
ノーマルのスタンスミスも基本的に
天然革に戻りましたが、
内側のヒールカウンターと
カカトの色がついてるパーツはいまだ
ビニールです。
ここから加水分解して
バキバキに割れる=寿命なんですよね。
LUXの場合、カカトのパッチはスエードで
カウンターライニングは豚を使ってます。
カウンターライニングに豚革って
めちゃくちゃシワが寄るので
つくるサイドのストレスはヤバいと思いますよ笑
しかしオリジナルバージョンの
倍~3倍は持つでしょうね。
なんせ革もソフトでストレスがありません。
※過去ご紹介した靴はこちらにまとめてあります。
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【お知らせ】
・ズーム相談(1日2名様限定)
ちょっと今混みあってますので
可能なら1週間くらい前にご予約ください。
このへん子供靴の3300円もひとしく
優先順位は決めています。
・ライン相談(1日1名様限定)
2~3日お待ちいただいてます。
正直いけそうなら2件とかやってますので
困ってる方、まず質問投げてください。
・お買い物フルアテンド(月10名様限定)
春休みに合わせて3月まで
ご予約が増えてます。
こちらからどうぞ!→お買い物アテンド
GWに合わせたお問い合わせも頂いてますが
4月以降はちょっと待っててください。
こちらも予定が立っていませんので・・。
4月以降の受け付けはHPか公式ラインで
「受付再開」のアナウンスをしますので
少々お待ちください。
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それではまた明日!