毎日靴ブログ@元・靴設計士 兼 元・靴修理人 兼 現シューフィッター 兼 靴マニアの こまつです。

東京某所で靴修理やってました。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと毎日書いていきます。修理は9月で退職。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPはこちらhttps://sf-komatsu.com/

1008 RiNGOSEIKA

 

おつかれさまです

こまつ@shoes_komatsuです。

 

 

話はいきなり始まるんですが

 

つい数時間前に

とある革靴好きのrさん

(以下全員、頭文字のみで失礼します)と

お話をしていまして。

 

r「こまつさんに絶対行ってほしいお店があって」

こ「といいますと」

r「銀座にあるんですけど」

 

こ(きらびやかなイメージ)

 

r「絶対見つけられないと思うんです」

 

ん?

 

こ「なんのお店ですか」

r「靴修理と靴磨きとオーダー靴と

 インソール作成と

 カフェです。

 絶対わからないところにあるはずなのに

 通の間では有名なんですよ、しかも」

 

まってまってまって情報量。

 

途中でカフェって言いました?

 

お銀座のおカフェ・・・(滝汗)。

 

こ「予約は」

r「いりません」

こ「ドレスコードは」

r「ありません」

こ「予算は1万円で足りますか」

r「足りまくりのあまりまくりです」

 

カフェの話です。

 

取材の予定はなかったんですが

たいへん面白そうなので

話の流れで行ってまいりました。

 

rさんと私と

流れでなんと

Shoe Place byの天才職人の川崎さんも同行。

Shoe Place by|東京都墨田区押上のオーダーシューズのお店

なにかと縁のある3人です。

 

駅は地下鉄の東銀座。

 

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おお。

はじめて間近で歌舞伎座みました。

10秒で通り過ぎましたが。

 

進みます。

 

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銀座です。

 

銀座なのにかーなーりーのー路地裏。

よくも悪くも銀座っぽくありません。

 

進む。

進む。

戻る。

迷う。

進む。

 

あった・・・・。

 

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いやあ・・これ絶対初見だと

見つけられませんて。

 

リンク貼らせて頂きますね。

アクセスも載ってます。

https://ringoseika.com/

 

東京都中央区銀座1丁目22-14マキエビル1階

が住所です。

 

先に申し上げておきますが

こっから先を読んで行きたいと思った方は

グーグルマップ必須ですし

なにより

グーグルマップを信用してください。

 

それでも

100人中100人が不安になるでしょう。

大丈夫です。

そこは異世界への入り口ではありません。

 

・・と例えたくなるほど絶対全員が

「本当にあった!」と声に出ますから。

っていうくらいには突如出現します。

 

 

〇驚くのはここから

 

まず外観がめっちゃキレイ。

外装のデザインと色合いと

照明のセンスがいいです。

 

なんとなく(おじゃまします・・)って感じで

中へ入ると

 

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木型だ。

 

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靴だ。

 

カフェもやってらっしゃるだけあって

めちゃくちゃキレイです。

 

おっとおきれいなスタッフの女性が。

 

r「コーヒーをいただきたいんですけど」

ス「ではこちらでご注文いただいて

 2階へどうぞ」

 

メニューは

・コーヒー:500円。

・紅茶:500円。

・アルコールもあり。

 

言っちゃっていいっすか?

 

安い!

 

こっ・・こここここここここ

お銀座ですのよ?

10数年前のお銀座での某店の

2000円の珈琲はたいへん苦く感じました。

 

しかし2階への階段がみつからない。

 

はっはーん。

受付で赤いレバーを押すと床が抜けるタイプか。

いやそれだと地下だな。。。

 

ス「こちらです」

 

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うっわびっくりしたあ!

階段出現。

(忍者屋敷か)と思ったのは内緒────。

 

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写真で見るより急勾配で

ひとりしか通行できません。

なんとなく私が前で川崎さんがうしろ。

 

2階っぽい部屋。

開けてみる。

 

暗くて静寂の中に靴とミシン。

 

こ「ちがいますね」

川「ちがいますね」

なぜかひそひそ声。

 

階段が続いているので先へ────────。

 

「あっ!2階はそちらです」

ふりむくと先ほどの女性スタッフさん。

 

さっきの部屋ですよ。

(その先は倉庫だったらしい)

灯りをつけてもらうと。

 

13時からのオープンで行ったのが13時10分。

まだオープンの準備ができてなかったっぽく

運よく新鮮な景色を見れました。

 

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足踏みミシンだー!

 

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カウンターに靴と酒だー!

 

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テーブルと椅子だ────!

 

つーか靴に憑りつかれてる3人にとって

一周まわってものすごく落ち着く。

ホームに帰ってきたみたいな。

 

ごめんもう一回言わせて。

靴と現役のミシン。

ものすごく落ち着く。

 

ふう。

 

いや、めっちゃキレイですよ。

どれだけ掃除してるんだろう?

お世辞なくキレイで清潔ですし

空気もキレイで花粉がない。

 

うう・・・・・言いたくないが

穴場中の穴場です。

靴好きじゃなくても穴場です。

 

ほどなくコーヒーと

お紅茶が運ばれてきまして。

セブンとかの使い捨てタイプではありますが

 

お紅茶おいしい・・・。

 

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しかし私は大失敗をしたのに気づきましたね。

絶対コーヒーの方がおいしそうだもん。

ミシェラドーロコーヒー。

 

ミシェラドーロ独自のテイストは生豆の選定から始まります。世界中の品種から選ばれた優れたアラビカ種とロブスタ種の配合が唯一無二のエスプレッソの原料となります。

 

こ「川崎さん、うまいっすか?(嫉妬)」

川「ふふっwめちゃくちゃ美味いです」

 

r「ここ本当にカフェはお客さんがこなくて。

 前は私ひとりで3時間くらいいたんですよ!

 銀座でこのお値段でこの空間ひとり占めで

 贅沢このうえないでしょう?」

 

川・こ「(重々しく)・・・たしかに!」

 

お客さんが来ないのは微妙な表現ですが

「たどりつけない」と思うんですよね。

いいじゃないですか!

よくないかもしれないけど!

 

清潔じゃなければ穴場とは言わない。

 

しかしこの超絶な贅沢な空間を

知られていいものなのか。

会員制にした方がいいんじゃないのか。

 

だってさ────。

 

いい感じで「がらん」とした空間に

シンプルなテーブルがひとつとイスが3つ。

イスはふわふわ。

形はそろってないが個人的には加点20。

 

知ってしまった以上

ぶっちゃけ知られたくない。

ものすごく悩む。真剣に。

 

「書いていいのだろうか」

気付いたら声に出てました。

 

 

〇そして職人登場

 

「いいです!ぜひ!」

 

と仰っていただいたのが

職人兼店主

安広洋司(やすひろようじ)さん。

 

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お若い。

声に張りがあるのと

めちゃくちゃ立ち姿勢がキレイ。

 

っていうのが第一印象。

 

石川県出身でバッシュ好き。

上京後昼間は一般企業に勤めながら

夜と土日は靴メーカーで修業を10年間。

 

いや今さらっと書きましたけど

すごくないですか?

 

HPに詳しく書かれていますが

バスケとバッシュ好き

革靴業界で10年間修業

2016年に中野で独立、

足の痛いお客様の多さに驚き

「自分のつくるべき靴の理想」を発見

昨年銀座に移転

今に至る。

 

Shoe Place byの川崎さんもそうなんですが

「ザ!職人!」って感じがしません。

軽いっていうことでは全くなく

言葉のひとつひとつは芯があるんですが

 

視野がひろいというだけではなく

「こういうのがあってもいいでしょ?」っていう

頭の柔らかさと

言葉のひとつひとつに感じる

懐の深さがとても素敵です。

 

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こんなこともやってしまうし

イベントがなくても月に一度

理学療法士さんをお招きして

足や歩き方の相談会もやってらっしゃいます。

 

しかしとにかく・・・

(公式HPより転載)

 

個人の好みはあるにせよ

靴が理屈抜きにキレイです。

肝心の靴の写真撮り忘れましたごめんなさい。

 

コンフォートを目指してるはずなのに

鋭さを感じるほどムダがありません。

 

いわゆる大量生産の

「コンフォートシューズ」とは

正反対なのに

 

(イメージ)

本質をとらえていると感じました。

 

もちろんお値段はそれなりにしますし

ヒールもの(パンプス)などは

基本つくっておられません。

 

すべてご本人がおつくりになっているのではなく

オーダーの本番のミシンの過程では

プロの製甲屋さんに頼んでいるなど

効率も考えてらっしゃいます。

靴はまちがいなくいいです。

 

 

そしてカフェの絵もいい。

 

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こ「なぜリンゴセイカという名前なんですか」

安「それは────────」

 

ここで書くのは野暮です。

気になる方はぜひお足を運んで

安広店主にお話を聞いてみてください。

 

日・月・祝日は休業で

この穴場は13時~19時ですので

それだけご注意を。

 

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(残念ながら定休日だったのですが)

歩いて5分くらいのところにある

「てつじ屋」様ともご親交があるので

 

このようなパッドでフィッティングも

されています。

実物をさわりましたが申し分のない

いい感じの硬さでした。

 

おっと「かかピタッ」も

販売していらっしゃいます!

 

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サポーター かかと用 かかピタッ 1足分 靴擦れ予防 足抜け対策

 

ついつい時間を忘れるほど

長居してしまったので

私は試していないんですが・・・

売れています。

 

 

〇裏側をちょこっと

 

まったりしてる時間でも

実は私は気になっていたんです。

 

靴修理もやっていらっしゃって

おそらく雰囲気的には忙しいはず。

 

靴修理=フィニッシャー=すごくうるさい

 

私はもうリペア会社を完全に辞めれたんで

そろそろ「グラインダー」じゃなくて

「フィニッシャー」って呼んでいいでしょう。

気にしないでください同じ意味です。

 

どこの家にでもあるこれです。

 

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タンスと同じくらいの大きさなんで

ちょっとさがせば見つかりますよ。

 

しかしこれが猛烈にうるさい。

トップガンの離陸の音か!っていうくらいには

本当に轟音です。

 

そしてちょっと掃除を怠ると

革クズとゴムのクズで臭くなりますし

掃除を怠れば火事になります。

 

わたしが銀座でお紅茶を嗜んでる間────

匂いもせずうるさくもなく

(どうやってるんだ?)と内心思ってました。

 

許可頂いて撮影しましたが

お店の奥はこんな感じです。

 

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いやめっちゃキレイ。

 

「使ってないからキレイ」ではなく

実はフィニッシャーはもう2台あったんですが

靴修理警察24時の私の目はごまかせない。

 

3台を・・・ひとりで使い分けてるだと?

しかもゴミも整理整頓されとる。

 

ヤバいですね。

たいへんにヤバいですね。

 

冷静に聞いてください。

 

この写真、帰り際に

一応許可は取りましたが

完全にゲリラ的に撮った写真です。

 

ほかは個人情報ありまくりでしたので

撮ってませんが

まあ・・・本当にキレイ。

 

「使ってなくてキレイ」じゃなく

「けっこうフル回転してキレイ」なんですよ。

通の間で話題にもなるわけだ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

rさんがコーヒーを飲みながら

仰っていました。

 

「ひとつのものにとらわれるより

いくつかの全然ちがうことを

かけもったほうが世界が広がるんじゃない?」

 

たしかに。

RiNGOSEIKAの安広洋司さんの場合

靴づくりという概念の軸はブレずに

 

・コンフォート

理学療法

・アート

・カフェ

 

をやられていて、

しかも疲れた顔をしていませんでした。

 

気の利いたオチはありません。

 

今、私もアゴに右手を添えて

気付いたら5分くらい考え込んでいました。

 

なにかを感じたい、

なにかに没頭したい、

ひとまずぼーっとしたい方には

マジでいい場所です。

 

うわー・・・・。

バレてほしいような

バレてほしくないような・・。

 

靴関係なくても

銀座で優雅な雰囲気を500円でほしかったら

マジで穴場です。

 

入りづらかったら

「こまつのブログを読んできました」で

入りやすくなるかもです。

 

なぜなら────────

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

店主の安広洋司さんがわざわざ手を止めて

2階までご挨拶に来てくれた(!)とき

 

なんか流れで自己紹介する感じになって

(ふだんは絶対こうなりませんたぶん)

こ「ブ・・ブログを書いてるこまつと申します」

安「あ!読んでます!」

 

と答えられたときの私の気持ちを

答えてみよ。

 

銀座ってなんかこわくて(震)

そもそも近寄りがたく

さらに輪をかけて「おっと敷居が高そうだ」と

警戒してるところの店主が

 

「ブログ、読んでます!」って言われた時の

私の気持ちを答えてみよ。。

 

赤面しかないぞ!

 

・・・・というのは冗談で(赤面)

場所さえ把握してしまえば

カフェは本当~に純粋にカフェとして

リラックスできる空間ですし

 

リラックスできたからこその

私の勝手な妄想ですが

素人でも他業種の方でも

 

「靴」

 

に関する

オープンなサロンにもなりうると

カンで思ったんですよね。

 

革靴だろうが

スニーカーだろうが

素材だろうが

供給状況だろうが

 

それも含めて

「靴」です。

 

逆に苦しくて「靴から抜け出したい」

と思ってらっしゃる方(過去の私です)にも

引き留めるんではなく

ソフトに他業種に移れる場にも

なりうるんじゃないかと。

 

かつての「シューフィル」の

「馬道交差点」の6階にあった

事務所がそうであったみたいに。

 

行けばびっくりする出会いが

いつもそこにはありました。

 

私の場合は有料相談か

お買い物アテンドでしか

リアルに接することができないんですが

シューフィッターこまつ – 全国どこでもシューフィッターサービス

 

いろんな人がリアルにさくっと

集まってライトに情報交換したりとか

 

あるいは

なんにもわからない方がさくっと寄って

なんとなく靴についておしゃべりする空間って

すごく素敵だと個人的には思うんです。

 

もしあまり靴に詳しくなくて

なんなら苦い思いをされた方でも

普通に穴場としておすすめです。

 

その場で靴磨きも

フィッティングの相談もできますし。

シンプルに靴の相談もできますし。

 

今、現実にそれができます。

 

東京じゃなくても

銀座じゃなくても

そういう未来があるって希望を

具現化されてます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

うっわ5000字超えたか!

 

今日は刺激が多すぎたので

全てをうっちゃって寝ます。

 

 

おやすみ────────☆