元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアのコマツです。

東京某所で靴修理やってます。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間ほど靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと書いていきます。

167 ユニオン・インペリアルをひたすら褒めちぎる回。

こんばんわ。

靴修理人 兼 シューフィッタ― 兼 靴マニアのコマツです。

ユニオン・インペリアル(日本)!

説明不要でビジュアルが美しいのはもとより、

復元能力がすごい。

そしてかかってる手間のわりに、コスパ

「大丈夫?」って心配する程度にはたいへん良い。

写真のやつで5万弱。

高っ!

って思ったでしょ。

しかし靴修理業で毎日のように

靴の内臓までみれる立場としては、

クロケット(英)のハンドグレードラインと遜色ありません。

これがクロケットのハンドグレードライン。

10万前後。

靴マニア以外(正常な人)なら、違いがわからないでしょ。

それで正常です。

ここからは靴マニアの沼に入りかけのあなたに

お話します。

引き返すなら今です。

ちょっとウォーミングアップがてらに

ソフトな話からいきますか。

予想外なんですが、

なんか最近忙しいんです。

靴修理が。

靴修理界自体はオワコンだと思ってたんですが、

アフターコロナで思いがけず

紳士靴の大修理がどどどどどっと

明らかに増えてきました。

いわゆるオールソールってやつです。

今までは、靴修理が週に200件だとすると、

オールソールはそのうちの1~2件でした。

それが、昨日だけでも4件。

高いんですよ、オールソールって。

なんの製法であれ、

1万5千円以上は確実にしますので。

材料費は4千円くらいです。

他は、時間の拘束代です。

どうしてもつきっきりで集中して作業するので、

時給としてはけっこうな額になります。

で。

まず靴底を分解する際に

出し糸(ロックステッチ)を一本残らず

ウェルト」について考えてみた!紳士靴の製法あれこれ [男の靴 ...

抜かなきゃいけないクソめんどくさい作業があるんですが、

比較的イギリスの靴はラクなんです。

接着剤をほとんど使ってないのと、

出し糸の松ヤニが少なめなので

慣れれば片足10分で糸は全部抜けます。

これが国産のリーガルやスコッチグレインになると・・

たぶん「底に隙間が開いた!」

とかのクレーム防止のためだと思いますが

糸がガッチガチに固まっていて、

両足抜くのに40分くらいはかかるうえ、

ウェルトにもそうとうな負担がかかります。

ユニオンインペリアルは全然ちがう。

ラク

ヒールを外すのも中敷きを外すのもラク

それでいて、普段は絶対に剥がれないような

絶妙な接着の仕方をしています。

当然のように、キレイな修理ができます。

修理はいったん置いといて、別な角度から

みてみましょう。

木型です。

修理のしやすさならジャランスリワヤも同等ですが、

シューフィッタ―の立場からすると、

日本人って足幅は広くても

「カカトの幅」はかなりせまいと思います。

だから、クロケットなんかでもノーマルラインだと、

カカトの内側がボロボロ(隙間でまさつが起きるから)なのは

ざらです。ジャランもそう。

その点、ユニオンはヒールカップがものすごく

小さいんです。

UNION IMPERIAL(ユニオンインペリアル) / UNION IMPERIAL/ユニオン ...

上とまんなかががユニオン、下がジャランです。

カカトの締まり具合がわかるでしょうか。

 

これがクロケットのハンドグレードライン(10万)。

ヒールカップ、小さいでしょ。

履き比べると一発でフィット感の差がわかります。

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ちょっと文章ながくなりましたね。

機会があったら、ぜひユニオンに足通してみてください。

たいていの百貨店には置いてありますので。

それではまた明日!