元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアのコマツです。

東京某所で靴修理やってます。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間ほど靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと書いていきます。

158 どこまでがメイドインジャパン?「ノックダウン製法」の闇を暴く。

こんにちは。

靴修理人 兼 シューフィッタ― 兼 靴マニアのコマツです。

今回の文章は「起承転結」の

「転」あたりから話をはじめます。

いきますよ。

「日本の工場で職人がつくりあげた、

メイドインジャパンの靴です」って

「わざわざ」うたってる靴があったら、

9割がウソと思ってください。

ムーンスターとかスコッチグレインは例外)

   イタリアンモードにこだわったロングノーズ!カルロメディチ 紳士靴 CJ-3051 ブラック ストレートチップカジュアル ビジネス 送料無料 3Eワイズ 日本製 楽天で購入

たとえばこれも「日本製」というのを

アピールしてますね。

名前は「メディチ」なのに(笑)。

ここのブランド、私が20年くらい前に

実際に直で携わってるので、

裏側の事情は全部知ってます。

日本の大阪とか、

東京なら調布の工場で実際にやってるのは、

パートのおばちゃんたちが

「完成されたアッパー」と

「完成されたソール」に接着剤をぬって

はりつけて、靴箱にいれてるだけです。

ガンプラにたとえると、

「完成して塗装までされた上半身」と

「完成して塗装までされた下半身」を

かちっとはめこんで、箱に入れる。

それくらいの難易度です。

職人どころか、正直小学生でもできます。

たとえばこの写真の靴、設計の現役時代に

たずさわってたと言いましたが、

9割中国製ですが、ちゃんと

日本製を名乗れるんです。

法的には完全合法です。

からくりをあとで説明します。

が、

本当に一から十まで国内で作った靴は、

ことさら「日本製」ということをアピールしません。

ここ、知っといて損はありません。

では、からくりを説明します。

上に挙げた靴はなんなのかというと、

アッパー(靴の上の革の部分)を

中国でつくり、

ソールも中国でつくります。

あとはドッキングして完成なんですが、

それだと「made in china」になります。

あたりまえですよね。

ところが、

わざとアッパーとソールを

別々に輸入して、日本の工場で

「ドッキング」だけします。

すると、法的には

「日本製」になっちゃうミラクルがあるんです。

それが、ノックダウン製法。

(クルマだと、EV車とかがよく

採用してますよね。)

これ、おいしい商売なんですよ。

単純に「日本製」というイメージを

与えられるだけでなく、

めちゃめちゃ利益がでるんです。

メジャーなところだと、

〇ドラス、

〇ムサイズム

なんかがこの方式です。

からくりのミソは、関税。

わかりやすく言えば、

そうですね・・

イギリス製のクロケット&ジョーンズを

まんま輸入すると、1足あたり

30%又は4300円のどちらか高い方の関税が課されます。

税関HP↓

http://www.customs.go.jp/tariff/2010_4/data/i201004j_64.htm

 

イタリア製のルブタン・マノロ・ジミーチュウも

同様。

原価で+4300円アップって、おっそろしい数字なんです。

ざっくりでいうと、販売時には

+3万円以上響いてくるんです。

ただ、それが「靴」という完成品ではなくて

「革でできたなにか」と

「ゴムでできたなにか」を

輸入すると、それぞれの関税は12.5%まで

下げられます。

関税を大幅に削減できて、まんま利益に

上乗せできるんです。

さらに。

靴業界のかたは知ってると思いますが

「特恵国(とっけいこく)」という

ジャンルがあり、

たとえばミャンマーなどの

発展途上国とされる」国から

めちゃめちゃ質のいい革靴を

「完成品として」輸入すると・・・

関税はゼロなんです。

税関HP↓

https://www.customs.go.jp/index.htm

 

〇BCマートの、〇―キンスとか、

〇テファノ・ロッシとかがこれにあたります。

あ、でもこのへんが

アンダー8000円とかだったら「買い」だと思うんですよ。

発展途上国とは思えないくらい

ちゃんとした靴をつくってますから。

問題なのはむしろ

某大国でつくられたノックダウン製法の方が

全然不良品が多いですね。

・・・おっと、だれか来たようだ・・?

それではまた明日!