元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアのコマツです。

東京某所で靴修理やってます。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間ほど靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと書いていきます。

78 (メンズ向け)革靴のオールソールはもうやめ。修理屋が言いますが、腕の問題じゃない。

いきなりネガティブな話ですいません。

たとえば、革靴の伝統的なスタイルで、「マッケイ式」っていうのがあるんです。本体のアッパーと、革の底を単純にぶちぬいて縫う製法です。

イタリア製が多い・・なんてのは昔の話。

今じゃ、日本のリーガルも、イセタンメンズも、イギリスの某メーカーだってやってます。

10年前なら、2~3回ならオールソール(靴底ぜんぶはりかえ)できたんです。本体も底も天然革で弾力があったので。

でも先日、お客さんからの依頼でヴィトンのメンズの革底のオールソールやったんです。ヴィトンで修理断られたのでどうしてもやってほしい、という理由でした。

今日、作業はおわって、見た目はかなりきれいに仕上がりました。

まだ渡してませんが、お客さんも必ず満足してくれるでしょう。

でも、もう10年前とちがって、あらゆるパーツが進化している。インソールも、縫いつける新しいソールも。オリジナルはハイテク素材なんです。

具体的にいうなら、そのヴィトンの靴のインソールはカーボン。底はTPU(サーモポリウレタン)。軽くてうすくて、バネのような感触です。

それを原始的な「革」で直すんですから、見た目はよくても履き心地でがっかりされるでしょうねえ。。。

もちろんお客さんには「材料が変わるので大幅にはきごこちは変わります」とは承諾ずみなんですが。

腕が重い。靴が重い。気持ちが重い。

・・ブログも重い(笑)。

ヴィトンに限らず、リーガルでもどこでも、自分の工場でつくったくせに修理はできないと断るメーカーが近年めちゃくちゃ多い。

良くも悪くも、値段のわりに2年もたたずに寿命が終わるデザイン、素材、多いですね。

いち修理職人からひとこと言わせてください。

ちょっと高い靴を買う時には(もちろんレディースも含め)「底がこわれたら、メーカー修理できますか?」と絶対ひとこと聞いてください。

即答で「大丈夫です」なら合格。「状況によります」は99・9%「使い捨て」の意味です。

ご参考までに。