元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアのコマツです。

東京某所で靴修理やってます。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間ほど靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと書いていきます。

40 銀座かねまつ・POOL SIDE

↑このふたつ、同じ会社です。意外と知らない人が多いので。㉟の銀座ヨシノヤと同系列に見られがちですが、もっと強かなブランドです。

ヨシノヤが1907年開業で、かねまつは戦後の1947年開業なので、老舗とはいってもかなり後輩ですね。ちなみに「ダイアナ」も意外と戦後まもなくから開業しています。

まず、百貨店に入っているような「銀座かねまつ」ブランドは、使用している革、底材、職人の腕は「銀座ヨシノヤ」と双璧ですが、紳士ブランドが存在しません。それだけでコストが全然違います。

さらに基本5㎝前後のハイヒールが主体ですが、木型づくりが本当にうまい。「かねまつが痛くて履けない」というご相談はまあ少ないです。それだけ販売員も鍛えられている証拠です。かといってデザインがダサくもない。まあ・・マノロっぽかったりレネ・カオヴィラっぽいデザインはご愛嬌です。パクリのセンスがうまいです。パクリのセンスの良さでは、いつか書くであろう「SAYA」と共通しています。

かねまつの妹分にあたる「POOL SIDE」は、ルミネでよく見かけますね。かねまつより価格を抑えて、ちょっとヒール慣れしたアラサーをターゲットにした感じでしょうか。推測ですが、コストを考えると「かねまつ」の木型をそのまま流用していると思います。こちらも「痛い」というご相談が極端に少ない。

なによりも、「かねまつ」も「POOL SIDE」もかなり中身がしっかりしています。(最上級ではないけど)いい革、いい底材、しっかりしたシャンク、中に鉄芯が入っているから折れないヒール・・

はっきり言うと婦人靴では修理しやすいメーカーの3本の指に入ります。メーカーのアフターケアも相当なところまでやってるみたいです。街中の修理屋だと、たとえば中敷きの交換とかはできますが、メーカーのロゴが無くなっちゃいます。海外のメーカーは意外と冷たいところが多い。外車と一緒で取り寄せるのにめちゃくちゃ手間暇かかるのでしょうが、こういう時国産のメーカーは早いですね。

話の流れで言うと、「修理しやすい」国産の婦人靴だと「ヨシノヤ」「かねまつ」「POOL SIDE」「アシックス」あたりです。あ、4本の指になっちゃいましたね。

「修理しづらい」のは、〇イアナ、〇ボキゴシの〇AYAと〇ークス、百貨店でよくセールをやってる〇ールデンフットあたりは手ごわいor修理できないものが非常に多いです。

最後に、これは全くのカンなのですが、ヒールがどんどん絶滅に追いやられても、「かねまつ」はかなり最後まで残る気がするんです(POOL SIDEはZARAに食われ気味ですが)。何もハイテクなことはしてませんが、「なんかいい」と思えるブランドなんです。相関関係はわかりませんが、「かねまつ」「POOL SIDE」を修理に持ってくるお客様も温厚な方、かりかりしていない方が多い印象です。やっぱり履きやすい靴は性格に現れるんでしょうか・・・

では、今回はこのへんで!