元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアのコマツです。

東京某所で靴修理やってます。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間ほど靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと書いていきます。

17 リーガル 03AR BD ブラック スワールトゥ

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17回目にしてようやくのリーガルです。

なんでわざわざ品番をつけたかというと、たぶん紳士靴で一番修理に来る靴だからです。悪い方の意味ではありません。世の中で一番売れてるクラシックな紳士靴だからではないでしょうか。

実勢価格が2万3千円くらい。一日一回は修理の店頭で見かける気がします。ストレートチップでもなく、プレーントウでもなく、この形。スワールトウとか、昔の職人さんだと「流れモカシン」「流れモカ」「スワロー」とか呼ぶ人も多いです。

つま先の切り口が3つに分かれているのがツバメの尾?に似てるかららしいです。しかし、まあこの流れモカ、この20年くらいず―――――――っと売れてますよねー。

考えるに、販売の現場だと「一番売れてますよ」「美脚効果がありますよ」、製造メーカーからすると「売れ残ることは無いでしょ」といったところでしょうか。革の取り分もいいので、コストも安いし、U字のモカシンよりあらゆる過程で作りやすいです。

修理の現場からすると・・・私なら買いません、とだけ申し上げます。

クラシックな靴って長く使うモノじゃないですか。リーガルに限らず、このデザイン、どうやっても長持ちしないんです。具体的に言うと、足の曲がりとデザインのステッチがクロスして、甲のミシン目がパンクするんです。パンクすると、縫うには縫えますが応急処置程度の強度しかありませんし、そもそも履きジワとデザインが真っ向勝負しちゃって、たった1~2か月で汚い履きジワが入ってしまうんです。履きジワも治らないもんだから、極端な例えだと「トンガリ靴」にどうしてもなります。(電車でよく見かけませんか?)

この靴、カカトと底は何回でも交換できるんです。メーカーでもできるし。街中の修理屋でもできます。でも、いかんせん上(アッパー)が直らない。

全部言ってしまうと、革も牛革は牛革なんですが、「ガラス加工」という合皮に近い革なので、まったく味が出ません。ただ、メンテはほぼ不要ですし(水拭きか、100均のツヤだしスポンジでOK)、メーカーも採算が大きく取れます。

でも、買った瞬間が一番良くて、味が出ない靴は、私は個人的にあまり好きにはなれません。

じゃあ具体的に何がいいのさ?というのは次回お話いたします。

 

今日はこのへんで!