元・靴設計士 兼 現・靴修理人 兼 シューフィッター 兼 靴マニアのコマツです。

東京某所で靴修理やってます。イギリスのノーサンプトンで靴のあれやこれやを学んで、20代の頃10年間ほど靴の設計の世界にいました。30代からリペアの世界へ。靴フェチではありませんが、革靴からスニーカーまで、高いのから安いのまで、めったやたらと書いていきます。

8 クリスチャン・ルブタン

赤いやつです。

初めて見たのは「セックスアンドザシティ」のどっかのシーンだったと思います。その時は ふーん としか思わなかったのですが。

次の月あたりから、修理の店にめちゃくちゃ来るようになりました。みなさん言うことは一緒で「赤いハーフラバーはありますか?」です。あれから10年くらいたった今でも、たまにこの質問をされます。

ある程度知名度のある修理屋なら、赤いハーフラバーは在庫があって当然ではないでしょうか。なければ高級靴を触ってクレームが怖くて腕に自信のない店なので、避けましょう。でも、気持ちはわかるんです。だってラバーを貼る時、本体の真っ赤な革底をがっつり端まで表面を削るんですよ。で、削って肌色になったところに接着剤を塗ります。はみ出て赤いソールのところに接着剤がつくと、赤い塗料が取れます(絶叫)。

削らないとラバーは全然つきません。セルジオロッシほどではありませんが、底面もまあまあ丸いです。そこに平面のゴムを寸分たがわずにつけて、はじっこのトリミングは機械を使わず、ナイフ1本で切り回します。今は手が感覚で覚えてくれてますが、最初の数足は嫌な汗しかかきませんでした。。それと、作業中しっかり本体を持って固定するとき、今でもとげとげが手に刺さってちょっと痛い(笑)。

修理屋の視点からみるともうひとつ謎があって、ルブタンは中敷きの接着剤のはみ出がどこよりもダイナミック。それだけ剥がれづらいということなんですが、あらかじめお客様としっかり確認をとらないと、「こんな汚れついてなかった!弁償!」となります。もしお手元にルブタンがある方がいらっしゃったら、中敷き回り、よーく見てください。あと、新品にハーフラバーをこれから貼ろうとする方も、店員さんと一緒に確認してから作業を託してください。

あとルブタンの新品には、「替え用のピンヒールの先端のゴムが小さい小袋に1ペア入っている」んですが、これもよくどっかいきます。修理屋で失くしたのか、修理屋に渡す前の時点でお客様がどっかにやっちゃったか、ごくまれに「そもそも入っていない」こともあります。必ず確認しましょう。別になくなってもすごく特殊なゴムではありませんので、それほど騒がなくてもいいのですが、気になさる方は気になさるので。

最近は紳士のスニーカーの底の補強もたまにきますね。とげとげのやつ。残念ながら今のところスニーカー用の赤い全面ラバーはないんですねー。黒とか白、あるいはビブラムのスカル柄になっちゃいます。でも男性は意外と赤い底に頓着がないので、スカル柄(黒とピンクのコンビ)選ばれる方が結構多いです。カカトが削れたらまた貼りかえられます。もちろんご婦人のハーフラバーも2回くらいまでなら貼り換えは大丈夫です。

ちょっと専門的な話になっちゃいましたね。

また次回!